元宝塚歌劇団星組トップ娘役・舞空瞳さん「ヘアケアは頭皮から元気になるアイテムを愛用」【美のトビラ】

華やかで気品ある夢のようなキラキラのステージ、宝塚歌劇。約3時間のステージを彩るタカラジェンヌたちは清く正しく美しく、そして心身ともにパワフル! その生き生きとした魅力の源である「食」と「美」のこだわりを、宝塚歌劇OGのかたがたに現役時代を振り返りながら教えていただく連載です。
ヘアスタイルのこだわりは人一倍。舞台で会得した「美しくなるためのテクニック」を日常にも落とし込む
体をつくりすこやかさの源となる「食」を追求する道に進んだ、元宝塚歌劇団星組トップ娘役の舞空瞳(まいそら・ひとみ)さん。
今回は、「食」で整えたものを昇華させる、外側の「美」についてお話をうかがいます。舞台上の「美」のこだわりもたっぷりおききしました。
>>前回・栄養学を勉強中の元宝塚歌劇団 星組トップ娘役・舞空瞳さん 「専門店のオリーブオイルに夢中です!」【食のトビラ】

―美しくあるための生活習慣や、意識していることはありますか?
かなりの冷え性なので、朝は体を温めるようにしています。白湯や紅茶を飲み、湯船に浸かって、内と外からポカポカと。
在団中は朝になかなか時間がとれなくてできなかったのですが、朝風呂がとても好きなので復活させました。体が温まってさっぱりするだけでなく、幸せな気持ちにもなります。
―夜のお風呂の入り方とは違いますか?
目的が違うかな。朝は体を温めるため、夜は疲れを取るために入ります。今は現役時ほど疲れはないですが、夜のお風呂では脚をマッサージしたりして体のリカバリーを心がけています。
―お好きな入浴剤はありますか?
ナチュラルな香りのものが好きで、アユーラの「メディテーションバス」はお気に入りです。全国ツアーの際にはミニサイズを持っていくほどでした。

Hitomi’s Favorite

メディテーションバスt 300ml 2200円(税込み)/アユーラ TEL:0120-090-030

あとはSHIROのバスオイルやバスソルト。どの香りも好きなのですが、今は「サボン バスオイル」と「ホワイトティー バスソルト」を使っています。

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左 SHIRO サボン バスオイル 200ml 4180円(税込み)、右 SHIRO ホワイトティー バスソルト 400g 4400円(税込み)/シロ(info@shiro-shiro.jp)

―美しい体づくりのために、何かされているトレーニングはありますか?
最近、マシンピラティスに通い始めました。ダンスはずっと体力を消費する有酸素運動のようなものですが、ピラティスのようにパーツにゆっくり負荷をかけるトレーニングは今までと違って結構しんどいです。でも、「今、この筋肉を鍛えているな」と意識しながら体を動かすのは楽しいですね。今は資格取得のために学業に励んでいますが、またいつかご縁があれば今まで応援して下さったみなさまに新たな私を発信できればとも思っているので、体も整えていきたいと思っています。
―お話をうかがっていると、舞空さんは突き詰めるタイプという感じがします。
そうかもしれないです。今日も朝からマシンピラティスに行ってきました(笑)。朝から体を動かすと心身が整って気持ちがいいので、楽しみながら続けています。

―「美」に関して、他にこだわっていることはありますか?
ヘアケアに興味があります!
現役中は、明るい髪色にしてその後すぐに暗くカラーするなど、どうしても髪に負担をかけることが多かったんです。さらにロングでしたし、乾燥するタイプだったのでつねに髪が傷みやすくて。ジェルやスプレーもたっぷり使うので、頭皮も疲れていたと思います。
卒業してすぐに髪を切り、髪が少し元気になってきた今のタイミングで頭皮もケアができたらいいなと思っていたところ、先日、凪七瑠海(なぎな・るうみ、元専科男役スター)さんが、頭皮の汚れをスッキリと落としてくれるソルトスクラブをプレゼントしてくださいました。これを使ってからシャンプーすると泡立ちがよく、髪まで元気になった気がして、とっても調子がいいです。
スクラブが強すぎると痛みを感じてしまう場合もあると思いますが、これは本当に心地よくて。つい手にとりたくなるラベンダーの香りも大好きで、今はこれが私の癒しです。

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乾燥する頭皮にうるおいを与えて皮脂と水分のバランスを整えるオーガニックラベンダーエッセンシャルオイルを配合した、死海の塩のヘッドスクラブは、サボンのもの。

―素敵なお話をありがとうございます。頭皮ケアは大事ですもんね。髪のケアはいかがですか?
私は髪が伸びるのがもともと遅いんです。髪質が細くて乾燥しやすいので、オイルをつけるとベタッとなるのが悩みでしたが、ヘアミルクを使うといいということに気がつきました。
出会ったのは、ジルスチュアートのヘアミルク。髪を乾かす前と後に使っています。外出前のスタイリングにも愛用していて、サラサラだけどちゃんとまとまる感じ。香りもいいんですよ。

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ジルスチュアート ホワイトフローラル ヘアミルク 100ml 3080円(税込み)/ジルスチュアート ビューティ TEL:0120-878-652

―ストレス対処法や、気分の切り替え術としてはどんなことをしていますか?
豆苗の成長を楽しんでいます(笑)。

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日なたですくすくと育つ豆苗。日々の料理に活用しているのだそう。

あと、気になるカフェに歩いて行ってみるとか、ピラティスの帰りに散歩するとか、歩くことで気分転換をしています。新しい街を開拓するのが楽しくて、万歩計もはかどっています(笑)。
―タカラジェンヌのみなさんは、美姿勢をキープされていますよね。私たちでもできそうな、美しい立ち方のコツはありますか?
私はもともと少しO脚なので、脚が見える衣裳のときにコンプレックスを感じていました。足の裏を使うトレーニングや矯正もやっていましたが、舞台上で動きながらだと意識しきれていない瞬間もあって、あとから気がつき反省することもありました。
とある日に振付の先生から「日常的に、内ももを前に回転させるように締めることを意識するといいよ」と言われたんです。日々実践しているうちに、脚のつけ根を上に伸ばすように意識するとよいと感じました。毎日、立っているときはそれを意識するようにしています。
これはいつでも簡単にできることなので、気になっている方は試してみてくださいね。
―姿勢をよくしようと思って胸を張るのではなく、下半身から引き上げるのがいいんですね。
そうなんです。結局体を支えるのは下半身なので、そこを意識するといいと思いますね。

―これはすごく参考になります。ところで、舞空さんのかつらがいつも素敵だなと思っていたのですが、何かこだわりはありましたか?
うれしいです! 本当にかつらやヘアはすごくこだわって考えていたので。公演時は役柄やショーの場面に合うように、カツラをたくさん用意するんです。そのためには、つね日頃からデザインを考えるために、いろいろな引き出しが必要だったんです。
たとえばおだんごでは、位置を変えたりして工夫をしました。他のかたのスチール写真を見て、やってみたいと思ったものをすぐに写真に撮って保存したり。
そんなストックを持ちつつ、作品(ショー)の中で緩急をつけるように考えていました。ロングで始まったら、次の場面ではショートにして、その次の場面ではまとめ髪に、その次は毛先を下ろしたポニーテールにするなど。場面ごとに印象が変わるように、長さや色も工夫していました。
もちろん演出家の先生とご相談する部分もあるのでいろいろ擦り合わせながら、ヘアスタイルでストーリーを語れるように。同じ作品でも、大劇場公演のときと全国ツアーでは変えてみたりもしていましたね。
―髪を含めてのイメージづくりをされていたんですね。日常生活でもヘアアレンジは得意でしたか?
花組にいたときにたくさん教えていただきました。上級生のかたのアレンジがいつも素晴らしく、それをまねしながら練習して身につけた感じです。「昨日は編み込んだから今日はねじってみよう」とか、ほんの少しずつ変えて毎日同じアレンジはしないように心がけていましたね。
私は本当に手先が不器用で、アレンジなんてまったくできなかったんです。音楽学校の予科生時代の三つ編みでさえ、最初は同期にやってもらっていたくらい苦手だったんですよ。

―観客のみなさんの目も喜んでいたと思います。舞台メイクでのこだわりはありましたか?
舞台メイクはアートのように描くものなので、自分の顔の骨格や、「左右のここは非対称だな」ということがよくわかるようになるんです。
私はまゆを描くのがとってもむずかしい顔でした。でも、まゆはいちばん印象を変えることができる大きなポイントではないかと思っていました。若くしたいときはやや太めでまっすぐに。ジュリエットとか、ピュアでかわいい役のときに意識していました。
お母さん役のときには細く、少し長くシュッと描く。かわいいというよりキレイな印象になりますね。 先ほども言ったようにまゆのメイク次第で印象が変わるので、ふだんのメイクのときも、気をつけたいところだなと思っています。

華やかで可憐なトップ娘役として観客を魅了した舞空さん。あの美脚に悩みがあったとは……と思いましたが、いつでもどこでもできる美脚テクはすぐにでも試せそうです!
すらっと美しいスタイルが際立つアザーカット①
花がお似合い! なアザーカット②
アザーカット③
舞空 瞳
まいそら・ひとみ/元宝塚歌劇団星組トップ娘役。 2016年に102期生首席として宝塚歌劇団に入団。花組に配属され、2018年『MESSIAH』で新人公演初ヒロイン、『メランコリック・ジゴロ-あぶない相続人-』 『EXCITER!!2018』で全国ツアー公演初ヒロイン。翌年星組へ組替え。『GOD OF STARS -食聖-』で2度目の新人公演ヒロインを経て星組トップ娘役に就任し、2020年『眩耀の谷 ~舞い降りた新星~』『Ray -星の光線-』で大劇場お披露目。2024年『記憶にございません!』『Tiara Azul -Destino-』にて退団。2025年4月より、栄養学を学ぶため学校に通っている。
撮影/天日恵美子 本人提供 文/淡路裕子