60歳再雇用で年収が激減…やる気が保てない時の「働き方・生き方」シフトチェンジ術
定年後の再雇用で収入が大幅ダウン。仕事のモチベーションが保てません。いっそ辞めたほうがいい?

定年前と同じ職場で再雇用という形で働いていますが、収入が以前の6割ほどに減ってしまい、仕事のモチベーションが保てません。生活のために、なるだけ長く働かねばという気持ちと、多少生活は苦しくても自分のやりたいことを元気なうちにしたいという気持ちがせめぎ合い、でもやっぱり生活のためにと、衰える体にむち打って仕事を続けています。いったいいつまで体がもつのやら……。
(60歳・男性)
犬山紙子さんの回答
同世代や同じ境遇の人とお互いの話を聞き合い、ケアしあう時間をつくりましょう。

今は、定年後も再雇用※1などで仕事を続けているかたが多いですよね。しかも、雇用条件が変わって給与が下がってしまったという話もよく耳にします。ということは、相談者のかただけでなく、同じ悩みを抱えている人がたくさんいるということ。まずは、「辞める」という大きな決断をする前に、同世代の友人や同じ境遇の先輩たちと、ぜひこの話をしていただきたいなと思うのです。
女性のコミュニティには、弱音や愚痴を通して支え合う文化が多くあります。いわゆる〈女子会〉のようなもの。相手から批判されず、「そうだよね」「わかるわかる」とひたすら傾聴してもらう。でも人間ってそれだけですごく救われるんです。男性の場合、人に弱みを見せる機会は少ないかもしれませんが、ここは恥もプライドも捨てて、お互いに傾聴しあい、いたわり合う時間をとっていただきたい。
そういう人とのつながりが、やる気やモチベーションに大きく作用しますし、ほかの人はこんなふうに折り合いをつけて働いているんだなとか、こんなところにやりがいを見いだしているんだなとか、新しい発見や気づきがあるはず。悩みを一人で抱え込むと、どんどんネガティブな方向に考えがちです。
どうしても今の場所でモチベーションを保つのがむずかしいのであれば、別の会社への再就職を考えてもいいかもしれません。65歳以降も働くことを念頭に、新たな職種にチャレンジするのもいいと思います。
※1 再雇用制度
定年に達した従業員がいったん退職し、同じ会社と新たな雇用契約を結ぶ制度のこと。その際、雇用形態や労働条件が変更されるのが一般的。企業は高年齢者雇用安定法により、2025年4月から希望する社員全員に対し、65歳まで就業機会を与えることが義務づけられている。
お悩み回答者 犬山紙子さん
エッセイスト・コラムニスト。1981年生まれ。ファッション誌の編集者を介護離職し、2011年『負け美女』(マガジンハウス)を出版。執筆活動のほかテレビやラジオのコメンテーターとしても活躍。近著は『女の子に生まれたこと、後悔してほしくないから』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)。
石塚元章さんの回答
再雇用のメリット・デメリット、両面から見ることが大事。お金に関しては専門家に相談を。

定年後、再雇用により大半の人が給与が下がってしまうという厳しい現実がありますよね。やる気がそがれてしまうのも無理ありません。給与面もさることながら、私のまわりでよく聞くのは、「かつての部下や後輩が上司になることがストレス」というもの。相談者のかたの場合、そういった悩みはないようなので、職場の人間関係には恵まれているのかなと。
収入が減ってしまうのはたしかに大きなデメリットですが、見方を変えると、「これまで働き慣れた環境で定収入を得られる」というメリットも大いにあると思います。60歳から再就職となるとやはり大変ですし、新しい職場では一からのスタートになります。福利厚生の面も含めて、再雇用のメリットを一度じっくり考えてみてはいかがでしょうか。
さらに定年後は、「働く」「働かない」の二択しかないわけではありません。「働くこと」と「やりたいこと」は両立できると思いますよ。自分の好きなことをすることで、仕事へのモチベーションも上がりますし、好きなことをするにはお金も必要です。
どのくらい働いて、どのくらい好きなことをするか、定年後の「ワーク・ライフ・バランス」を考えるとき、金融機関の窓口やファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談してみるのもひとつの方法。貯蓄や退職金、年金など、老後の収支を具体的にシミュレーションすると、今後の働き方が見えてくるのではないでしょうか。
お悩み回答者 石塚元章さん
CBC特別解説委員。1957 年、愛知県生まれ。81年、中部日本放送(CBC)入社。報道局記者として活躍後、JNN海外特派員、ニュースキャスターなどを歴任。現在、情報番組「ゴゴスマ~GO GO!Smile ~」(TBS系)、「石塚元章ニュースマン!!」(CBCラジオ)などに出演中。
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取材・文/太田順子 イラスト/松元まり子







