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吉沢亮『ばけばけ』撮りおろしインタビュー「共演者との強い絆に助けられています」
俳優 吉沢 亮さん
よしざわ りょう/1994年生まれ、東京都出身。2009年にデビュー。以降、ドラマ、映画、舞台などの話題作に次々と出演。近年の主な出演作にドラマ「なつぞら」「PICU 小児集中治療室」、映画「ぼくが生きてる、ふたつの世界」「ババンババンバンバンパイア」がある。18年映画「リバーズ・エッジ」で日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞し、19年映画「キングダム」では第43回日本アカデミー賞最優秀助演男優賞などを受賞。21年のNHK大河ドラマ「青天を衝け」では渋沢栄一役で主演を務め、確かな演技力を示した。映画「国宝」での熱演も記憶に新しく、幅広い役柄を自然に体現する演技力で世代を超えて支持を集めている。
吉沢 亮 | アミューズWEBサイト X(Twitter) Instagram
英語でのセリフに絶望しながらも、
共演者との強い絆に助けられています
映画「国宝」で観客を魅了した演技も記憶に新しい吉沢亮さんが、6年ぶりにNHKの連続テレビ小説に帰ってきます。9月から放送を開始した新作「ばけばけ」で演じるのは、松江随一の秀才で〈大盤石(だいばんじゃく)〉とも呼ばれる錦織友一。「なつぞら」以来となる朝ドラの現場で、どんな思いを抱き、どのように役と向き合っているのでしょうか。『オレンジページ』の連載「気になるあの人」WEB特別編として、お話をうかがいました。

物語の舞台は、文明開化の息吹が広がり始めた明治初期。錦織は英語教師であり、松江に英語教師としてやってくるヘブンの通訳も務める人物です。知識と語学力を武器に未来を切り開こうとする役どころ。
「覚えるだけならまだしも、感情を乗せて自然に話すのは本当にむずかしい。思っていた以上に量もあるし、あまりのむずかしさに絶望しております(笑)」と率直に語ります。英語を習得するべく、昨年12月から週2〜3回のレッスンを続け、撮影中も空き時間にも練習を重ねてきました。「トップクラスの秀才で〈大盤石〉と呼ばれるくらいなので、できるだけ練習している感を出さないようにしたい。錦織の感情の英語のセリフと、通訳としての英語があるので、そのテンションの違いも意識しながらやっています」。

主役の髙石あかりさんやヘブンを演じるトミー・バストウさんとの共演については、とても心地よくできていると話します。「重いテーマを扱っていても、あえてコメディタッチの展開のシーンが多い作品です。お2人はとてもナチュラルで、芝居なのか素で笑っているのかわからないくらい。オーバーなコメディにならないところがすばらしくて、テンポ感やテンションに助けられています」と信頼を寄せます。

アドリブの多い現場でもあるそうで、ときにはトミーさんが日本語でアドリブを入れることもあるほど。「僕も英語でのアドリブに挑戦するんですが、だいたいドライ(リハーサル)でやって挫折してしまっています(笑)」。
トミーさんとは、撮影の合間に「何時起き?」という日本語を教えたり、“play it by ear(臨機応変)”という英語を教えられたりと、チームワークのよさが伝わってきます。「前回出演した『なつぞら』のときにも感じましたが、長期間の撮影は家族のような温かさがあるんです。今回は大阪に滞在しての制作で、より強い絆で結ばれているような雰囲気を感じています」。

出演を決めた背景には、かつて大河ドラマ『青天を衝け』をともにした制作陣からの誘いもあったそう。「同じ時代でもあるので、大河で学んだ〈時代の空気〉が役作りの土台となっています。時代の変化に翻弄される人もいれば、それを楽しむ人や取り残される人、流れに乗るしかないという人もいる。錦織がどちら側に立つのかを考えると、大河で経験した空気感が生きてくると思っています」。

これから物語が進むにつれ、錦織がどう変化していき、どんな背景が明かされていくのでしょうか。「僕自身も台本を受け取るのをすごく楽しみにしているんです。後々出てくるであろう挫折や、それに向き合う彼の姿勢を見ていただけたらと思っています」

撮影裏話
撮影に入る前と、撮影時と、これまで2度ほど松江に足を運んだそう。「ばけばけのポスターやのぼりがいたるところにあって、本当に街を挙げて支えてくださっているのが伝わってきて、とてもうれしかったです。松江でしか撮れない画がたくさん撮影できたと思います。撮影の合間に、出雲そばをいただいたんですが、甘いしょうゆをかけながら食べるというのがすごく新鮮でおいしくて印象に残っています」。
これに注目!
連続テレビ小説「ばけばけ」
9月29日(月)よりNHK【総合】毎週月曜日~土曜日の朝8時~ほかにて放送中
※土曜日は一週間の振り返り放送
出演:髙石あかり、トミー・バストウ/
吉沢 亮ほか
脚本:ふじきみつ彦
制作:NHK大阪放送局
●2025年10月現在の情報です
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撮影/鈴木康史 取材・文/晴山香織



















