
日常が物語になるポルトガル菓子に出会いました【ぼる塾おすすめ】
みなさんこんにちは。ぼる塾の酒寄です。
メンバーにおいしいものを紹介してもらうこの連載。今回のおいしいものはこちら!
田辺さんから、ポルトガル菓子専門店【DOCE ESPIGA】


「今まで食べたことのない新しいお菓子に出会えるよ!! 何を買うか迷っちゃうのも楽しい。」
■ 田辺さんからのすてきなお誘い
神保町でネタ合わせをした日のことです。
田辺さん「酒寄さん! わたしこの後ステキなところに行く予定なんだけどいっしょに来る?」
なんてステキなお誘い! わたしは田辺さんについていくことにしました。
田辺さん「近くにポルトガルのお菓子の店があるの」
わたし「この辺りは何度も通っているけど知らなかったよ」
わたし達が歩いているのは、小川町と新お茶の水と神保町のちょうど間くらいの道です。
田辺さん「わたしも普通に歩いてるときは気づかなかったよ。海外のお菓子の本に載っていて初めて知ったの。その後偶然おみやでいただいたらとってもおいしくて! そこからファン! この道を横に入るよ!」
ふだん歩き慣れた道から横の小道に少し入っただけで空気が変わりました。


そこに小さなかわいらしいお店が建っていたのです。まるでこれから物語が始まるかのようなムードです。
田辺さん「ここがポルトガル菓子専門店『DOCE ESPIGA』よ」

わたし「誘い文句どおりの本当にステキなところだね」
田辺さん「まぁね~。ここのエッグタルトは超人気で予約すら気合入れないと取れないの。だから今日は買えないけど、ほかのお菓子も魅力的なものがいっぱいだよ!」
あまりの雰囲気の良さにドキドキしながら入店。中に入るとたくさんのポルトガル菓子が並んでいます。


わたし(どうしよう! 全然わからない!)
今まで生きてきて見たことも聞いたこともないお菓子ばかりです。ポルトガル菓子と言われて頭に浮かぶのはカステラ(歴史の授業で習ったから)というくらいのわたしです。どれもおいしそうだけど何が何だか見当がつきません。
店員さん「気になるお菓子があったら説明するので言ってくださいね!」
店員さんがとても親切で、お菓子について質問すると詳しくていねいに教えてくれます。説明されたお菓子はどれもおいしそうで全部食べてみたくなりました。
わたし「どのお菓子も全部食べてみたい! 迷う!」
迷いましたが、店員さんのおすすめと自分の直感を信じて二つのお菓子を購入。田辺さんはわたし以上に悩みながら購入していました。
わたし「食べるの楽しみー!」
お店を出て歩き慣れた道に戻ると、日常に帰ってきた気持ちになりました。今戻ったらお店はもうないかもしれない。そんな魔法を感じさせるお店なのです。
田辺さん「早く食べたい! とくにプリン! あそこはエッグタルトが超有名だけどプリンも超有名だから」
わたし「え?! 何その情報! それ買う前に教えてよ!」
田辺さん「あのね! わたしは有名だからとかに惑わされずに、酒寄さんの直感を信じて買って欲しかったの! 自分が心から欲しいものを!」
わたし「田辺さん……」
田辺さん「本当はただ言い忘れただけなんだけどね」
田辺さんは正直者です。こちらが今回わたしが購入したものです!
『セジンブラの焼き菓子』

お店の方の説明を聞いてわたしの直感が「これだ!」となったお菓子です。「シナモン好きなかたはぜひ!」と聞き、シナモン好きのわたしは見逃せませんでした。
「外側はとても硬いです」と説明で聞いていたのですが、想像以上に硬い! その硬さに驚きます。しかし、その硬さは嫌な硬さではありません。ザクザク食感が楽しい! 外側の硬い部分を突き進むと中はねっとりなめらかになっており、生キャラメルのような口当たりです。その食感の違いが心地よいです。シナモンがしっかりと香って鼻を抜けます。チョコレートの濃厚さにシナモンの爽やかさがとてもよく合います。
このお菓子は漁師が海へ出るときに持って行くエネルギーバーのような存在だったとも言われており、腹持ちもよく、食べると元気がみなぎります! おいしすぎるエネルギーバー!
『天国のベーコン』

名前があまりにも素晴らしいです! 最高の名前! こちらは使用している錦糸瓜の関係で季節限定商品です。店員さんが、「今しか食べられない味なのでぜひ!」と、強くオススメしてくれたので購入しました。(店員さんのお話では、こちらのお菓子は10月いっぱいまでは販売予定ですが、確定ではないそうです)
※本場ポルトガル料理の「天国のベーコン」は卵・アーモンドプードル・砂糖を贅沢に使った伝統的なケーキです。シナモンと錦糸瓜がトッピングとしてあるレシピも。
そしてこのお菓子はなんと一切ベーコンを使用していません! ビッグサプライズ! 小麦粉も使用していないそうです。程よい甘さでアーモンドプードルが錦糸瓜の良さを引き立てています。食感は非常にねっとりしており、素朴ながらも品のある、今まで食べたことのないおいしさを知りました。
食べたお菓子のあまりのおいしさに田辺さんに連絡すると、彼女からもプリンの報告が返ってきました。
田辺さん「かためプリンと言ったらここだよ! プルっとかの食感じゃないむっっっっちり! 卵の味がしっかりしていてとってもおいしい」
わたし「うわ~いいな~!」
気になる! やっぱりプリンが食べたい! と、いうことで再度訪問しました。今回も気になった二つのお菓子を購入。
『リス川のそよ風』

こちらはポルトガル菓子が初めての方にもオススメと教えてもらいました。店員さん曰く、「『天国のベーコン』に系統が似ています」とのことです。まず、名前がかわいい!『リス川のそよ風』! 大きさは小ぶりで愛らしく、キレイなオレンジ色が目を引きます。
食べると卵黄の存在感をしっかり感じ、味はとっても濃厚です! しかし、まったくしつこくありません。食べたお菓子全てに言えるのですが、ポルトガルのお菓子は甘さをしっかり感じるのにくどくないのです。生地を蒸しているそうで、食べてみると確かに蒸したお菓子独特の食感があります。そこに甘いシロップがたっぷり染みこんでいて、噛むとじゅわ~と口に広がります。これがとっても幸せ! このおいしさはどこか懐かしい感じもします。味も名前と同じく心ときめく素敵なお菓子です!
『たまごプリン¼』

食べたかったたまごプリン! 1/4サイズでもどーんと大きいです! どっしり! ずっしり! しっかりタイプのたまごプリンはプリン界の中でも屈指の丈夫さを感じます! こんなに頼もしいプリンは初めてです。堂々としています。
わたし「おお~! 食べる前からたまごを感じるプリンだ。見た目からしてたまご感がすごい! 食べたらもっとすごいだろうな」
予感は的中しました! 食べるとまさに100点満点のたまごプリン! たまご感が半端ないです! こんなにぜいたくしていいのかってくらいにたまごを感じます! ものすごくおいしい! 食感は田辺さんの言う通りむっちり! む~~~っちり! 固めのプリンを食べてここまでのむっちりに出会ったことはありません! 上の茶色い部分もがっちりとしていてとってもおいしい! 濃厚で苦めのカラメルソースに抑えめのやさしい甘さがぴったりです! 安心感をくれるほっとするおいしさは包容力すら感じます。わたしはこのたまごプリンを親分と呼びたい!
わたし「ポルトガルのお菓子ってこんなにおいしいんだ! お店のお菓子を全部制覇したい! エッグタルトも頑張ってゲットするぞ~!」
【DOCE ESPIGA】さんのポルトガル菓子は日常に特別なワクワクをくれます! 海外文学を読んで憧れたお菓子の味はこんな感じなのではないかと思いました。お店を見つけたときからお菓子を食べるまでの全てが物語に入った気分です。ぜひともみなさんにもこの体験をしてほしい! とてもステキな物語になること間違いなしです!

ぼる塾 酒寄希望(さかより のぞみ)
お笑い芸人。1988年4 月16日生まれ・B 型。東京都出身。お笑いカルテット・ぼる塾のリーダー。1児の母。著書に『酒寄さんのぼる塾日記』『酒寄さんのぼる塾生活』(ヨシモトブックス)など。
今回登場したのは……

『セジンブラの焼き菓子』
380円(税込み)
『天国のベーコン』
530円(税込み)
『リス川のそよ風』
360円(税込み)
『たまごプリン1/4』
650円(税込み)
SHOP DATA
ポルトガル菓子専門店【DOCE ESPIGA】
DOCE ESPIGA (@doceespiga)
各店舗の営業時間・定休日等については公式サイトの店舗検索よりご確認ください。

撮影・文/酒寄希望