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どうする?どうなる?老後の4K

49歳自営業の夫が健診を受けてくれません。どうしたらいい?精神科医Tomyさんが回答

超高齢社会を迎え、「人生100年時代」といわれる現代。
だからこそ、考えだしたら不安でたまらない、家族や自分の老後の生活。
各分野のスペシャリストが、そんなあなたの不安にそっと寄り添います。

今回のお悩み/健康

夫が健康診断を受けてくれません。受診してもらうには、どうすればいい?

私45歳、夫49歳。私は会社員、夫は自営業で飲食店を営んでいます。私は会社が実施している健康診断を毎年受けているのですが、夫が最後に健康診断を受けたのは、5年前。自治体から送られてくる「がん検診のお知らせ」も開封すらしません。夫に「健康診断を受けてほしい」と言っても、「忙しいから」「休みが取れないから」「とくに悪いところもなく、元気だから」となにかしら理由をつけて受診しようとしません。元気といっても、もうすぐ50歳。定期的に健康診断やがん検診を受けてくれると、こちらも安心なのですが……。
(45歳・女性)

Tomyさんの回答

無理やり受診させるのはNG。夫婦でいっしょに受診して、イベント化するのも手。

ふきだし
お悩み回答者

Tomyさん

相談者のかたが心配する気持ちもわかります。でも今回の件に限らず、他人を自分の思いどおりに動かすのは無理だということを覚えておいてください。本人が受診したくないと言っている以上、どうにもならないというのが大前提。一つだけいえるのは、「あまり心配しすぎない」ということです。先のことを考えすぎても、不安が募っていくだけですから。

健康診断やがん検診をいやがる人のなかには、「病気や異変が見つかるのが怖い」と思っている人が一定数います。その不安をやわらげるためにも、夫婦でいっしょに受診してイベント化してしまうのも手。最近は、ふるさと納税の返礼品※1にも「人間ドック」があるんですよ。観光を兼ねて、二人で〈健診旅行〉に出かけるのはどうでしょう? 宿泊が無理なら、帰りにおいしいものを食べるだけでもちょっとしたデート気分が味わえます。

また、検診にはさまざまな種類がありますが、数多く受ければよいわけではなく、国が推奨している検診※2というものがあります。40〜50代の男性にとくに受けてほしいのが胃と大腸の検査。この2つは、早い段階で異常を発見できれば、内視鏡での切除手術など体への負担が少ない治療ですみます。忙しくて時間がないのであれば、ピンポイントでこの2つだけ受診をすすめてみても。その場合、「私にとってあなたは大事な存在だから」と愛情に訴えかけるように促すといいと思いますよ。

※1ふるさと納税で利用できる検診
ふるさと納税の返礼品として、肉や魚、果物など地域の特産品だけでなく、人間ドックや脳ドックといった検診サービスを提供する自治体も。寄付者以外の人も受けることができるので、家族や親族へのプレゼントとしても人気がある。

※2国が推奨しているがん検診の種類
「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針」で、国が推奨しているがん検診は、胃がん・大腸がん・肺がん・子宮頸がんおよび子宮体がん・乳がんの5つ。この5つは、罹患率や死亡率が高い一方、定期的な検診+早期発見によって、死亡率が減少することが科学的に確認されている。

Tomyさん
精神科医
精神保健指定医・日本精神神経学会専門医。名古屋大学医学部卒業。医師免許取得後、名古屋大学精神科医局入局。39 万フォロワー突破のXが人気で、各メディアに多数出演。著書は『精神科医Tomyが教える 50 代を上手に生きる言葉』(ダイヤモンド社)など。

取材・文/太田順子 イラスト/松元まり子

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