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世話焼きな本屋さん

お客さんの悩みや気持ちに寄り添う本を、ちょっと世話焼きな書店員たちが心をこめて選書いたします。どうか素敵な本との出会いがありますように。

【忙しくてイライラしがちな人~!】読むだけで癒され、優しい気持ちになるお薦め本6選

忙しさでキーキーしてしまい、幸せホルモンが足りていない気がします。
やさしい気持ちになる本や温かい涙を流せる本で癒やされたいです 。

今回の選書担当

俳優・エッセイスト 美村里江さん

俳優としてドラマ、映画、舞台等で幅広く活躍。無類の読書家でもあり、新聞や雑誌でのエッセイ・書評の寄稿や連載も多数。

ブックディレクター・good and son代表 山口博之さん

旅の本屋「BOOK246」、選書集団「BACH」を経て独立。オフィスや病院等、書店にとどまらないさまざまな場所のブックディレクションを手がける。

俳優・エッセイスト 美村里江さん
おすすめ3選

成瀬は天下を取りにいく

はかれないものをはかる
著:工藤あゆみ 青幻舎 1760円

日々のあれこれ、本当にお疲れさまです。まずは肩の荷を下ろして、こちらの本を眺めてください。どうですか、このゆる~りとした伸びやかなイラスト! 「はかれないもの」に関するひねりのある文章にも注目です。たとえば「一目ぼれの電圧を測る」「あなたの夢におじゃましてよい時間を計る」などのクスリと笑えるもの。「積み重ねたいいわけのもろさをはかる」にドキリ。「悲しみで濡れた僕が乾く時間を計る」は、お疲れぎみのあなたに本当に必要なことかも。世界ははかっても数値の出ない、答えの出ないことだらけ。「これって私がコントロール可能?」とときどき自分に問いかけ、無理しすぎないように不要なものは手放して、楽になってくださいね。

感情の温度、大切な人との距離etc.数字では表せない49の「はかれないもの」を詩とイラストでつづる。「はかろうとする」ことで自分の心と対話する一冊。

閨と厨(ねやとくりや)
著:寿木けい CCCメディアハウス 1650円

「閨」とは寝室や女性の居室のこと。「厨」は台所。Twitte(r 現X)時代、私は著者のレシピ投稿をよくのぞいていました。いつもおいしそうで、簡単なのにおしゃれな一品も多く、編集者だった著者の素敵な生活を想像していました。初作は大充実のレシピ本でしたが、このエッセイからは日々の料理の裏側をのぞくことができ、著者と別々の台所でいっしょに料理しているような、とても不思議な心地を得ました。「女40 代、『ふつうの戦士』」という帯コメントからして、静かに熱い本書。人生には波があり、懸命に生きる人はみな戦士。タフな日々を過ごす仲間が世界中にいると思うと、元気になりますよ。シスターフッド以上の心強さを感じられる一冊です。

Twitterで人気を博した「きょうの140 字ごはん」アカウント主によるエッセイ集。日々をサバイブする「ふつうの戦士」にシェアする打ち明け話全20 編。

かわいそうだね?

心のざわざわ・イライラを消す がんばりすぎない休み方 すき間時間で始めるマインドフルネス
著:荻野淳也 文響社 1210円

涙にはストレスを軽減させる効果があり、本がその一助になることも多くあると感じています。ただ、それだけではサポートが足りなくなるほど大変な時期もあるかもしれません。本書で根本的なリラックスについて、少し考えてみませんか? 現代は情報過多の超スピード社会。過活性の脳や心を休める「マインドフルネス瞑想」の方法は必見です。瞑想と聞くとハードルが高く感じるかもしれませんが、本書には数分、数秒でもできる簡単な方法が満載! 自分という生物の現状をスキャンしてみよう、という感じで気楽にトライできます。リラックス方法の類似本は需要が多いようで、次々と出版されています。ストンと腑ふ に落ちる相性のいい本を、ぜひ探してみてください。

「今、この瞬間に集中している」心の状態=マインドフルネス。日常の動作にマインドフルネスを取り入れ、忙しい毎日でも上手に心を休ませる64のコツを紹介。

ブックディレクター・good and son代表 山口博之さん
おすすめ3選

さみしい夜にはペンを持て

kaze no tanbun 特別ではない一日
著:我妻俊樹、上田岳弘、円城 塔ほか 柏書房 1980円

日々何をするにも時間がない気がします。でも、ときには仕事のメールが来ている携帯の存在を忘れて、少しだけ本に時間を分け与えてみませんか。〈特別ではない一日〉というテーマのもと、「小説でもエッセイでも詩でもない、ただ短い文。しかし広い文」という依頼に作家陣がこたえたこのアンソロジー。柴崎友香など芥川賞作家だけでも6 人が参加していますが、エッセイなのか小説なのか、事実なのか創作なのか明示されません。読み進めると、エッセイと小説の境界も、事実とうその境界も曖昧になってきます。書かれたものはどこか特別に読んでしまうもの。読んだら今度は自分の 〈特別ではない一日〉を書いて、日常から少し離れてみるのもありかもしれません。

17 人の文章家が、〈特別ではない一日〉をテーマに作品を寄せたアンソロジー。小説、エッセイ、詩といったジャンルにとらわれない短文がつづられる。

元気になれそう 映画「魔女の宅急便」より

これが生活なのかしらん
著:小原 晩 大和書房 1650円

長く生きていると、毎日特別なことが起きるわけではありませんよね。でも、あなたの日常は他の人の日常とは違うという意味では、特別ではあると思うのです。実家暮らし、一人暮らし、三人暮らし、寮暮らし(仕事)、二人暮らし(同棲)と、暮らしの形を変えて過ごしてきた著者。それぞれに過ごした人と時間。たわいもない、書かなきゃ忘れてしまうようなちょっとした出来事や関係の機微、温度や吹い
ていた風、いやだったこと、うれしかったことを、ときにしょうもない日々として、ときに宝物のような日々として、大切にやさしい目線で描きます。あなたが足りないと思っている幸せ成分も、振り返ってみたらそこここに忘れてきただけではないかと思えてくるはず。

自費出版作品『ここで唐揚げ弁当を食べないでください』が話題を呼んだ作家・小原晩による38 編のエッセイ集。ままならなくともいとおしい日々をつづる。

スキップとローファー

ピアノ調律師
著:M・B・ゴフスタイン 訳:末盛千枝子 現代企画室 1980円

世界一のピアノ調律師・ルーベンは、息子夫婦が亡くなり、残された小さな孫娘のデビーと暮らしています。ルーベンは一流ピアニストのために調律をし、美しい演奏をたくさん耳にしてきました。だからデビーには、裏方の調律師より素晴らしいピアニストになってほしい。でも、いつもルーベンの仕事を見ているデビーのあこがれは調律師。それを知った友人の世界的ピアニストは、「ルーベン、人生で自分の好きなことを仕事にできる以上に幸せなことがあるかい?」と言います。好きを追いつづけてきた自分たちのように、デビーにもそうあってほしい。多くの人の好きではなく、私の好きを生きること。それこそが幸せの核心だと気づかされる絵本です。

世界一のピアノ調律師・ルーベンと暮らすがんばり屋さんの孫娘・デビー。仕事を愛し、厳しく向き合うルーベンにあこがれ、自身も調律師をめざすが――。

⃝商品の価格は、特に記載のない限り消費税込みの価格です。改定される場合もありますので、ご了承ください。

イラスト/河原奈苗

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