子どものころ、井上家では玄米、もしくは5分精米のお米を食べていた。
白米が出てくることはとても珍しく、給食で食べられる白米に心が躍っていたのは懐かしい思い出だ。
はっきり言って玄米が嫌いだった。
圧力鍋で炊いているとはいえ、穀物! って感じの風味が強すぎるし、かむのに時間がかかるし。
子どもにとっては、それはそれは食べにくかった。
見た目も白米のほうがいいに決まっているのに、
なぜこの人たちは私に茶色いお米を食べさせるのだろう?
と半ば怒りを覚えながら食べていたと思う。
玄米にあまりいい印象はないまま大人になった。
玄米嫌いから一転、「酵素玄米」との出会いで玄米ラブ! に
そして大人になってから「酵素玄米」というものに出会い、私の玄米観は一変した。
モチモチと柔らかく、甘い。
熟成された香ばしい香りがする。
もっちり感でいうと白米とお赤飯の間くらいの食感でやみつきになりそう。
100点だった。
井上咲楽がほれ込んだ「酵素玄米」の炊き方
驚いたのは味だけではない。その作り方にも衝撃を受けた。
玄米3合に対して小豆を30gを混ぜて、洗う。
その際、ふだんだったらお米を傷つけすぎないように洗うところを、酵素玄米を作るときは
あえて泡立て器などでお米に傷をつけながら洗う。
米の外側に傷をつけることによって柔らかくするためだそう。
その後、塩を5gとふだんお米を炊くときの水の分量に50mlの水をたして浸水させて炊く。
炊き上がったらいただきます!
……ではなく、なんと!
炊飯器の保温モードで保温するのだ。
一日1回以上、清潔なしゃもじで大きくかき混ぜ、3〜4日熟成させてようやく完成!
炊き上がってからずっと炊飯器に入れていていいの!? と最初は衝撃的だったが、今では当たり前になってしまった。
日に日に育つ「酵素玄米」を観察するのも、楽しみのひとつ
私は朝起きてからと、帰宅してから、毎日2回混ぜているが、日に日に赤が濃くなっていく様子を観察するのが楽しい。
あと、ちょっとお行儀がよろしくないかもしれないけど
混ぜた後、しゃもじについた米をとってちょっぴり塩をかけて台所でパクッと食べるのも好きな時間だ。
これぞ作る人の特権。
食感や味の変化を感じられてうれしい。完成後、食べきれない分は密閉容器に入れて保存したり、おにぎりにして現場に持っていったりする。
さめてもおいしいので気にせず食べられる。
こうして私の玄米嫌いは、少し形を変えて克服できた。
玄米は白米に比べて、
食物繊維、ミネラル、ビタミンなどが豊富で
栄養価が高いパーフェクト食材! とうたわれていて、体にいいことはみんな知っている。……知ってはいるが、おいしくないと続けられない、と悩んでいる人もじつは多いのでは?
そんな人にこそ、「酵素玄米」がおすすめ。
少し時間はかかるけれど、3日の我慢。
ぜひ、一度作ってみてはいかがでしょう。
PROFILE
井上咲楽(いのうえ・さくら)1999年、栃木県生まれ。2015年「第40回ホリプロタレントスカウトキャラバン」を経て芸能界入り。「おはスタ」「新婚さんいらっしゃい!」など、バラエティ番組で見せる明るいキャラクターで人気を博す。NHK大河ドラマ「光る君へ」に出演。2024年5月に『井上咲楽のおまもりごはん』、11月に『じんせい手帖』を出版。「発酵食品ソムリエ」資格、「食品衛生責任者」の資格も持つ。