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どうする?どうなる?老後の4K

86歳の父に、いざというときの延命治療について意思確認すべきでしょうか。【医師・山田悠史さんが回答/老後の4K】

2024.01.14

超高齢社会を迎え、「人生100年時代」といわれる現代。
だからこそ、考えだしたら不安でたまらない、家族や自分の老後の生活。
各分野のスペシャリストが、そんなあなたの不安にそっと寄り添います。

今回のお悩み/介護

「終末期医療」について、80代の親と話し合うべき?

今年86歳になる父がいます。ここ数年は肺炎のため入退院を繰り返しており、年々弱っていく父を見ると、もう長くはないかもしれないと覚悟しています。最近、弟と「もしものときに延命治療をするべきか」という話が出ました。今、この状況で、「寝たきりになったら、家と施設のどちらで暮らすか」「延命治療はどこまでするか」など、本人に意思確認をするべきでしょうか。かなり切り出しにくい話なので、どうすればいいか悩んでいます。幸い認知症などの症状はなく、話もきちんとできます。
(58歳・男性)

山田悠史さんの回答

お父さまの「大切にしていること」を知ることが、治療方針を決定するうえでの大事な羅針盤になります。

ふきだし
お悩み回答者

山田悠史さん

「延命治療をする・しない」「どこで治療を受けるか」よりも、大事なのは、お父さまが「人生で何をいちばん大切にしているか」を、それまでの生き方やふだんの会話から見定めることです。生きていくうえで何を優先し、何を避けたいのか。「少しでも長生きして、家族との時 間を楽しみたい」というかたであれば、自宅でできる最大限の治療を考えますし、逆に、「寝たきりになってまで、生きたくはない」と話しているかたであれば、人工呼吸器をつけるなどの延命治療は望んでいないと推測できます。

その先にある、具体的にどういった治療をどこまで行うかについては、専門的かつ高度な判断が必要になってきますので、ご家族の意思を伝えたうえで、医師の判断を仰ぐのがいいでしょう。医療というのはチームワークですから、自分たちだけで判断しようと思わず、この内容をそのまま主治医に相談してみてください。

入院しているときは正常な判断ができないことが多いので、退院されて体調がいいときに、お父さまの「大切にしていること」について話し合われてみてはどうでしょうか。「お父さんの大切にしていることを尊重しながらサポートしていきたい」と。息子さんのほうから、「自分は人生でこういうことを大切にしている」といった双方向の話し合いであればなおいいですね。その人の価値観・生き方を知ることが、よりよい選択をするための大きな第一歩となるはずです。

※ 延命治療
衰弱や病気などで生命の維持がむずかしい患者に対して、回復ではなく「延命」を目的に治療すること。延命治療のおもな方法として、「人工呼吸」「人工栄養」「人工透析」などがある。

山田悠史さん
米国老年医学・内科専門医。慶應義塾大学医学部卒。現在は、ニューヨークのマウントサイナイ医科大学老年医学科で高齢者診療に従事。著書に『最高の老後「死ぬまで元気」を実現する5つのM』(講談社)など。ポッドキャスト番組「医者のいらないラジオ」も配信中。

取材・文/太田順子 イラスト/松元まり子

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