こんにちは! 谷中松寿司三代目・料理家の野本やすゆきです。この連載では、寿司屋ならではのテクニックを交えながら、家庭で作りやすいレシピをご紹介しています。今回は旬の鮭を使った『はらこ飯』を作ります! 『はらこ飯』とは 『はらこ飯』とは宮城県の郷土料理。しょうゆやみりんで鮭を煮て、その煮汁でご飯を炊き、鮭やイクラをのせた料理です。本格的に作るのはちょっと大変なので……、今回は手軽に作れる野本流の【なんちゃってはらこ飯】のレシピをご紹介します! 【其の一】鮭は余分な水分を拭き取るべし! ペーパータオルなどで、鮭の切り身の余分な水分を拭き取りましょう。これだけで、独特な臭みを抑えることができますよ。 【其の二】日本酒で鮭を炊くべし! 料理酒ではなく、ぜひ日本酒で炊いてみて。鮭を煮て、その煮汁で炊かなくても、日本酒がうまみを引き出してくれるんです。生臭さも取ってくれて一石二鳥! 野本流『なんちゃってはらこ飯』のレシピ 材料(2~3人分) 生鮭の切り身……2切れ米……2合(360ml)日本酒……大さじ2しょうゆ……大さじ1と1/2塩……小さじ1/4水……適宜しょうがのせん切り……1かけ分イクラのしょうゆ漬け……好きなだけ万能ねぎの小口切り……適宜 作り方 (1)米はといでざるに上げ、水けをきっておく。鮭の余分な水けをペーパータオルでしっかりと拭く。(2)炊飯器に米、酒、しょうゆ、塩を入れ、水を2合の目盛りまで加えてかるく混ぜる。(3)鮭を皮目を上にして置き、しょうがを散らす。通常のモードで炊飯する。(4)炊き上がったら一度鮭を取り出し、あれば骨を取り除く。大きめにほぐし、炊飯器に戻し入れて混ぜ合わせる。茶碗に盛りつけて好きなだけイクラをかけ、万能ねぎを散らしたら……『なんちゃってはらこ飯』の完成!炊飯器で炊くだけで、簡単にお店の味が作れちゃいます!鮭を生のまま炊き込んで生臭くならないの? なんて声もありそうですが、水けの拭き取り&日本酒効果でNO問題です!酒で鮭のうまみが引き出され、しょうがの風味がいいアクセントに。大きくほぐした鮭とプチプチとはじけるイクラで、食べごたえもばっちりです。鮭の素材の味を生かした『なんちゃってはらこ飯』。イクラをたっぷりとかけて季節の味を楽しんでくださいね!
谷中松寿司の旬ネタ 最後に松寿司の旬ネタをご紹介!今回は「ブルーマーリン」です。なんだか寿司ネタっぽくない名前ですが、別名「白皮カジキ」とも言います。今回は京都産の白皮カジキ。なじみの仲買さんから珍しい魚があるとのことで仕入れてみました。せっかく珍しい魚が入ったのでこちらで紹介したいなと……!うまみの濃い魚なので、しっかりと熟成させておいしさを引き出してにぎります。最後までお読みいただきありがとうございました!次回の更新は11/10(金)。レンジで作れる「鯖缶カレー」を紹介します。野本やすゆき料理家、谷中で80年続く「谷中松寿司」三代目店主。大学卒業後、調理師学校に通い、調理師免許を取得。家業の寿司店で修業するかたわら、フードコーディネータースクールに入校。卒業後、同校講師を経て独立。料理家、寿司屋の二刀流で料理雑誌へのレシピ提供、テレビ番組や広告のフードコーディネートなど、食にかかわるジャンルで幅広く活躍中。YouTube:野本やすゆきチャンネルInstagram:nomotobase谷中松寿司:yanakamatsusushi