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手前みそですが、こちら私の傑作レシピです。

料理家・大庭英子さんが傑作と愛する『焼きなす』レシピ【じか火焼きの香ばしさに自画自賛】

2023.08.24

『オレンジページ』でおなじみの料理家さんにご登場いただき、これまでに発表した中でも「われながらこれは傑作!」「これはプライベートでもよく作る」というご自慢のレシピについて語っていただくこの企画。 



初回にお迎えするのは、『オレンジページ』や『オレンジページCooking』で、創刊以来たくさんのレシピを紹介してくださっている大庭英子さん。全3回にわたって傑作レシピを紹介します。
第1回となる今回は、ふだんからよく作るという「焼きなす」についてうかがいました。あふれる「なす愛」が止まりません!
 

今回の傑作レシピ


『焼きなす』

とにかくなすが大好き。新鮮なうちにすぐ調理します!


「なすが大好きなんです。見かけると素通りできないくらい(笑)。おいしそうななすに出会ったら、最低でも10個は買ってしまいます

なすはとにかく鮮度が命! と力説する大庭さん。それは、新鮮なものを選ぶだけでなく、鮮度がいいうちに料理するところまでを含みます。

「買うときは、へたの状態や身の張り具合などをじーっくり観察して選びます。そして、手に入れたらできるだけ時間をおかずに料理することが大切。なすは、1時間単位で鮮度が落ちるといってもいいほど劣化が早い野菜なので、買ってきたままほうっておくなんて絶対にだめ!
鮮度が落ちると、味だけでなく火の通りもわるくなってしまうんですよ。いったんそうなると、どんなふうに料理をしてもあまりおいしくないから、これは! というなすを見つけたときは、とにかくすぐに料理をします」


じか火で焼いて、香りよく


大好きななす料理のなかでも、とりわけ登場する頻度が高いのが焼きなす。なすのおいしさをシンプルに味わえることが、何度でも作りたくなる理由です。そして、このレシピのおいしさの決め手は、じか火で焼くこと。皮が真っ黒になるまでまるごとじっくり焼いて、内側にうまみをぎゅっと閉じこめます。

 

「焼き網になすを2~3個ずつのせて焼くのですが、ガスコンロだと安全装置が働いて火が消えてしまい、思うように焼けません。そこでまな板にのせた卓上用カセットコンロを、換気扇の下に持っていって焼くようにしています。
こうやってしっかり焼くと、香りがまったく違うんですよね。焼きなすは香ばしく焦げた皮の香りこそごちそうだから、一見めんどうそうでもやっぱりカセットコンロがベターかなと

「身がとろりと柔らかくなってきたら、中まで火が通った合図。熱いうちに皮をむき、しょうゆと削り節をかけていただきます。とろろをかけてもおいしいですよ」




大量に焼いて、冷凍保存


焼くときは、すぐに食べる分だけでなく10~20個ぐらいをいっぺんに。そうして大量に焼いたなすは、冷凍庫で保存しておきます。

「皮をむいて粗熱が取れたら、くっつかないよう金属製のバットに並べて冷凍庫へ。凍ったら保存袋に移して余分な空気を抜きます。こうしておけば1カ月はもつので、食べたいときに食べたい量だけ使えて便利です
 
焼きなすを冷凍、というと意外なようですが、そもそもやってみようと思ったきっかけは仕事だったそう。

「もう何年も前のことですが、冷凍食品のお仕事をしたことがあって。資料でいただいたカタログに〈焼きなす〉という商品を見つけて、へえ、冷凍できるんだと思ったのが最初です。試しにやってみたら便利だしおいしいので、今ではすっかり定番になりました。ここでもやっぱり鮮度は大切で、新鮮なうちに焼きなすにして冷凍したものは、解凍しても身がふっくらしておいしいんですよ」

冷凍ストックは「もう一品」を作るときに大活躍。冷凍庫にあるだけで心強い存在です。

「解凍した焼きなすは、もちろん焼きたてと同じとはいきませんが、それでも焼きなす独特の風味は充分に楽しめます。ストックを使ってよく作るのは、冷製のポタージュ凍ったままフードプロセッサーにかけられるので簡単ですし、暑い日にぴったりです。最近はみそを入れることもあります。ほかに、自然解凍してあえものやエスニック風サラダにするのもいいですね」


小さいころから身近な存在、長なす


大庭さんは福岡県のご出身。焼きなすに使うのは、九州産の長なすが多いと話します。

「子どものころは、なすといえば長なすが当たり前でした。福岡のなすは本当に長くて、こーんな(と手で40cmくらいの長さを示しながら)サイズのものもあるぐらい。東京のスーパーでも意外によく売っているので、見つけると買いますね」

「特徴は、なんといってもなめらかな口当たり。とにかく水分が多くて、シルクのようにとろとろで、繊維の感じが普通のなすとはまるで違うんです。長くて焼き網にのらないので、焼くときは切ったり、少しずつずらしながら火を当てています。長なすは身の柔らかさの割には皮が厚いので、じつは焼きなすに向いているんですよ。子どものころを思い返すと、そういえば、炒めもののときは皮をしま目にむいてありました」



なすが旬を迎える夏から秋にかけて、まずは焼きたてで、その後は冷凍ストックで、と大庭さんの食卓に上りつづける焼きなす。

「これまで、このレシピを大きく変えることなく、ずっと作りつづけてきました。きっとこれからも変わらずに作りつづけ、食べつづけていくのだろうと思います」

大庭英子さん

大庭英子さん
身近な食材や調味料を使って作る、親しみやすい家庭料理が人気。シンプルでわかりやすいレシピは、どれも今日作ってみたくなるものばかりです。ちなみに、焼きなす以外のなすの食べ方は「揚げびたし、麻婆なす、肉はさみ揚げなどをときどき」だそう。

取材協力/大庭英子 撮影/澤木央子 文/本城さつき

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