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手前みそですが、こちら私の傑作レシピです。

【堤 人美さん】アシスタント時代から作りつづける大好きな『白いんげん豆と豚肉の洋風煮』のレシピ

2024.02.08

『オレンジページ』でおなじみの料理家さんにご登場いただき、これまでに発表したなかでも「われながらこれは傑作!」「これはプライベートでもよく作る」というご自慢のレシピについて語っていただくこの企画。今回からは堤 人美さんにお話をうかがいます。第1回は、長年作りつづけている白いんげん豆の煮込みのお話です。

前回のお話:褒められ率、高し。市瀬悦子さんの傑作レシピベスト3【オレぺ社員が超愛用】


 

今回の傑作レシピ



『白いんげん豆と豚肉の洋風煮』

アシスタント時代から作りつづけてきた、私の定番

豆料理が大好き! という堤さん。ふだんからよく作っていて、豆料理の本を出したこともあるほどだそう。

「子どものころから、豆は身近な食材でした。祖母がよく大豆を煮たり甘い煮豆を作ってくれて、暮らしの中で“豆を煮る”という作業がごく普通のことだったんですね。そんな影響もあってか、自分でも自然に豆を煮る習慣がついていました」

数ある豆のなかでもいちばんのお気に入りは、白いんげん豆の一種「手亡(てぼう)」

小ぶりな白いんげん豆「手亡」(写真右下)。今回ご紹介した『白いんげん豆と豚肉の洋風煮』は、手亡の代わりに、同じいんげん豆の「レッドキドニー」(写真上)や「グレートノーザン」(写真左下)を使っても作れます。その場合は、煮る時間を10分程度長めにしてください。

「ひよこ豆もキドニービーンズもおいしいけれど、やっぱり手亡が好き。そのものの味はもちろんですが、和風だけでなく洋風の味つけにもよく合うし、小ぶりで比較的早く柔らかくなるので、使い勝手がいいんです」

今回のレシピは、もとは「私の定番」というテーマで『オレンジページ Cooking』編集部から依頼されたもの。

「好きなものを作っていいですよーとのことだったので、それならと提案してみましたが、まさか採用になるとは思っていなくて。7~8時間かけて豆をもどすとか、『え、やっていいんですか!』という感じでした(笑)。でも、この料理はホントに私の定番で、アシスタント時代から事あるごとに作ってきたもの。やさしい味わいでボリュームしっかり、ワインにも合うし、だれにお出ししても喜んでもらえるんですよ」

驚くほど手間がかからないところも魅力

白いんげん豆をもどしたら、あとは肉やハーブなどといっしょに煮込みさえすればおいしくでき上がり!
驚くほど手間がかからないところも、このレシピの大きな魅力です。

「フランス料理のカスレみたいなものを、もう少し簡単に作れないかなと思ったことが、このレシピを考えたきっかけでした。豚肉は表面を焼きつけて香ばしさを出し、白いんげん豆はもどし汁ごと使うことで豆の風味を逃がさず閉じこめます。さらにローズマリーやローリエなどのハーブを加えて煮ると、本当においしくなるんです」


材料を鍋に入れたら、弱めの中火にかけてことこと約40分。
豆をもどす作業といい、煮る作業といい、テクニックというより時間がおいしくしてくれる料理です。


「シンプルでホッとする味わいは、いつ食べても飽きがきません。だからこそずっと作りつづけているんだと思います。ときにはワインビネガーを加えたりピクルスをたっぷり入れたりと、アレンジをしてもおいしいですよ」

まとめてゆでてストックすれば、忙しいときに重宝

レシピを見ると豆をもどす時間が長く感じるかもしれませんが、やることといえば水に浸してそのままおくだけ。時間があるときにまとめてもどし、ゆでておけば、忙しい時に重宝します。

「もどした豆は、すぐに使う分は冷蔵、残りは冷凍でストックしておくと便利。まずはサラダやスープで、次は煮込みでなど、変化をつけて食べられます」



『白いんげん豆のサラダ』

『白いんげん豆のスープ』


忙しいときに重宝するうえ、おいしくて食べごたえがあって栄養も豊富な豆。いいことずくめで活用しない手はありません。

テレワークの機会が増えた今なら、仕事をしながらゆでることもできそうです。

「一度作ってみると、拍子抜けするほど簡単なことを実感するはず。豆のおいしさを、もっと多くのかたに知っていただけたらうれしいです」

これまで豆を敬遠していた人も、ぜひ、今回の洋風煮で豆料理に親しんでみて。ふだんのごはんからホムパなどのおもてなしまで、大活躍してくれることうけあいですよ!






堤 人美さん
出版社勤務、料理研究家のアシスタントを経て独立。素材の持ち味を生かした、作りやすくておいしく、おしゃれなレシピにファンが多い。書籍、雑誌、広告などで幅広く活躍中。『気軽にできて、とびきりおいしい! グラタン・ドリア』(Gakken)など著書多数。

取材協力/堤 人美 撮影/澤木央子 文/本城さつき

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