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【更年期症状ランキング】更年期のモヤモヤに高尾美穂先生がアドバイス

2023.10.26

一般的に40代後半から50代前半と言われている「更年期」は、オレンジページ読者世代の気になるテーマ。実際にオレンジページメンバーズのみなさんに更年期にまつわるアンケート調査を実施。
更年期症状の悩みや疑問に、産婦人科医の高尾美穂にアドバイスしていただきました。

※2023年7月オレンジページ調べ対象:「オレンジページメンバーズ」国内在住の 35〜59 歳の女性(回答数 915 人)

Qあなたは、現在、更年期症状がありますか？
または、過去にあって改善しましたか？

現在、更年期症状がある、または過去にあって改善したと回答した人は全体の64％と半数以上。そのうち40代では50.7％、50代では78％が更年期症状の経験があることが判明。

Qどのような（更年期症状だとみられる）症状がありますか（ありましたか）？（複数回答）

１位〈だるい、やる気が出ない 55.5%〉
２位〈ほてる・のぼせる（ホットフラッシュ）52.2%〉
３位〈肩こり・腰痛・背中の痛み 50.2%〉
４位〈イライラ 49.5%〉
５位〈月経周期の乱れ 39.2%〉
６位〈多汗 38.9%〉
７位〈むくみ、体重の増加 36.3%〉
８位〈不眠 35.3%〉
９位〈頭痛 35.3%〉
10位〈不安感 32.8%〉

更年期症状だとみられる症状で特に多かったのは、上のグラフのように体の不調からメンタルの不調までさまざま。
汗が異常に出るなどのホットフラッシュは、更年期の代表的な症状です。更年期になるとホルモンの司令塔である脳の視床下部が卵巣に指令を出してもエストロゲンが分泌されなくなるため、働きが乱れます。視床下部は自律神経系の中枢でもあるのでその機能も乱れてしまい、異常発汗やほてり、のぼせなどのホットフラッシュ症状が出るのです。そのほか、肩こり、頭痛、不眠、だるさ、疲れやすさ、イライラ、うつなどさまざまな不調が出やすくなります。

女性ホルモンの減少によって迎える更年期。
正しい知識を持って備えましょう。

「更年期について漠然とした不安を抱いている人は多いようですが、まずは正しく理解することが大切です。女性の体は、35歳ごろを境に卵巣の機能が低下していくことで、女性ホルモンのエストロゲンの分泌量が減り、40代後半からはさらに激減します。このときに迎えるのが更年期です。つまり更年期とは〈時期〉をさすのですが、更年期＝更年期障害ととらえられがちで、必ず重い不調が出るものと思って不安になる人も多いようです。でも、必ずしもそうではありませんし、治療法も確立されています。正しい知識を持っておけば、過度に不安にならずにすみます。」（高尾美穂先生）

更年期障害が起きるのは全体の約3割。
すべての人に起きるわけではありません。

「更年期に表れるさまざまな心身の不調を更年期症状といい、全体の約6割が更年期症状を感じるといわれています。これに対して更年期障害は、日常生活に支障が出るほど症状が重いことで、これは全体の約3割というデータが。つまり更年期障害は起きない人のほうが多いのです。これを知っておけば過度に不安にならなくてすみますよね？」（高尾美穂先生）

治療法には、HRT（ホルモン補充療法）、漢方薬、エクオールなどがおもな選択肢です。

「最も高い効果が期待できるのが、減少したエストロゲンを補うHRT（ホルモン補充療法）。更年期症状全般に効果的で、特にホットフラッシュや動悸、イライラなどに高い効果が。また、漢方薬も選択肢のひとつで、特に不眠やめまい、イライラ、うつなどに効果を発揮。そのほか、エストロゲンと似た働きをするエクオールのサプリメントをとる方法もあります」（高尾美穂先生）

教えてくれたのは…… 高尾美穂先生

イーク表参道副院長。医学博士・産婦人科専門医。婦人科スポーツドクター。ヨガ指導者。婦人科の診察を通して女性の健康を支えるかたわら、さまざまなメディアで専門知識をわかりやすく発信し、啓発活動を行う。著書は『更年期に効く美女ヂカラ』（リベラル社）など。

更年期は大きな変化がある時期だからこそ、自分の体や心、生活習慣を見直すいいチャンスでもあります。この時期にぜひ自分の体とじっくり向き合ってみましょう。