秋の定番メニューといえば、やっぱり
『里いもの煮っころがし』。
こっくり濃ゆ~い煮汁が、柔らかな里いもにからむ基本のレシピを、料理研究家・樋口直哉さんに教わりました。
樋口さん曰く、煮っころがしは表面だけに味をしみさせ、中は里いも本来のおいしさを楽しむ料理。おいしく仕上げるためのコツが沢山散りばめられた作り方は必見です。
『里いもの煮っころがし』のレシピ
材料(2人分)
里いも(大)……6個(約700g)
煮汁
砂糖……大さじ1と1/2
しょうゆ……大さじ1と1/2
酒……1/2カップ
水……1/2カップ
ごま油……小さじ1
作り方
(1)里いもをゆで、皮をむく里いもはよく洗い、鍋に入れる。かぶるくらいの水を加え、中火にかける。沸騰したら弱火にし、10分ほどゆでて水にとり、粗熱を取る。上下を少し切って皮をむき、4~6等分に切る。
ポイント
・ぬめりは煮汁の材料! なので皮をむくのはゆでてから。ぬめりが煮汁にとろみをつけ、里いもにからみやすくなります。・里いもの繊維は縦に走っているので、横方向にむけば、繊維が切れずにスルッとむくことができます。
(2)鍋に材料を入れて煮る
鍋をさっと洗い、里いもと煮汁の材料を入れて強火にかける。煮立ったら中火にし、落としぶた※をして5分ほど煮る。※オーブン用シートを鍋の口径よりひとまわり小さめの円形に切ったもの。
ポイント
・味をしみさせるのは表面だけでOK。だから中火でガンガン煮てよし!
・下ゆでしているので、煮る時間は10分程度ですみます。短時間で表面に煮汁を含ませるため、沸騰している状態をキープして。煮汁が焦げないよう、ときどき鍋を揺すりながら煮つめましょう。
(3)さらに煮つめる落としぶたを取って強めの中火にし、ときどき鍋を揺すりながら、汁けが少し残るくらいまでさらに8分ほど煮つめる(清潔な保存容器に入れ、冷蔵で3~4日保存可能)。
ポイント
・鍋肌に里いもの跡が残る程度になったら完成。「汁けがほとんどなくなるまで」というよりは「汁けがちょっと残るまで」を意識することで、煮汁を焦がさずに作ることができます。
ちょっとしたコツなのに、仕上がりは驚くほどのおいしさ。今まで何となく作ってきた、定番の「里いもの煮っころがし」が激変しますよ。まずはぜひお試しを~!
教えてくれたのは……
樋口直哉さん
料理家・作家。服部栄養専門学校卒業。科学的な考え方から、料理の「当たり前」を深掘りし、おいしさを最大限に引き出すレシピを紹介している。
(『オレンジページ』2021年10月15号より)
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