
2016.05.24
「倉敷」といえば、美観地区。ドラマや映画の舞台にもなる、歴史ある美しい街並みでおなじみですね。デニムや帆布の〈繊維の街〉としても知られていますが、そのもっと前から、倉敷には〈ものづくりの街〉としての顔もあるのはご存知ですか?
倉敷はもともと、柳宗悦が率いた民藝運動が盛んだった街。その中で生まれた「倉敷民芸」の数々は、昔ながらの手法で作られる伝統工芸品ながらとてもモダンで、現代の生活にもしっくりなじむのが魅力です。
その中からいくつかご紹介します。
こちらは、ガラスなのにどこかぬくもりを感じる「倉敷ガラス」。作家の小谷眞三さんが編み出した緑がかった青色は「小谷ブルー」と呼ばれています。
「日本郷土玩具館 サイドテラス」
塩分を含む土壌が適していたことから、倉敷で栽培が盛んだったいぐさを使ったのがこれら。
木綿をたて糸に、いぐさをよこ糸に織られた敷物「倉敷緞通(だんつう)」。丈夫なのでザブザブ洗え、何十年と使えるのだそう。
「ギャラリー十露」
緻密に計算されたパターンと、きれいな色使いが特徴。柄、色、大きさが豊富にそろいます。三宅松三郎商店の「花むしろ」。
「倉敷民芸館」
熟練のおばあちゃんと若いお孫さんが、すべて手作業で作り上げる「いぐさバッグ」。ワインバッグなど今風のものも。
「かじまや 白神荒物店」
「倉敷民芸」は、決して気取ってはいないけれど上質で機能的。使ったら、家にあったらうれしくなる。そんな、時を越えての〈用の美〉を教えてくれます。
民芸品以外にも、倉敷には、ものづくりの心を受け継いだ現代のクラフト作家さんも多数。倉敷散策の際には、街並みを愛でるだけでなく、雑貨探しも楽しんでみてください。
撮影/三村健二 文/編集部・安齋
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