【2】
2等分にし、全体にむらがなくなるまで両手でキャッチボールをするようにかるく投げ、だ円形に成形(厚さ3cmが目安)して、表面をなめらかにする。

【解説】
☆
キャッチボールは「空気を抜くため」にあらず。成形したあと、両手の間でたねを何度か投げてキャッチボールをするというのも、よく見かけるレシピ。その理由として「中の空気を抜き、焼いたときに割れにくくするため」と書かれています。
樋口さんによると、
割れにくくするためではあるけど、空気を抜くのが目的ではなく、「表面をなめらかにすることが大事」なんだとか!
なるほど。確かに割れめがあると、焼いたときにそこから割れてしまいそうですよね。
表面をなめらかにすることを意識しながらキャッチボールをして、形を整えます。
では、いよいよ焼きに入ります!
【3】
フライパンにサラダ油小さじ1を中火で熱し、2を並べ入れる。焼き色がつくまで2分ほど焼いて裏返す。弱火にし、余分な脂を拭き取ってふたをし、3分ほど蒸し焼きにする。酒小さじ1をふって中火にし、さらに20秒ほど蒸し焼きにする。

【解説】
☆
火加減は中火でスタート→裏返したら弱火で蒸し焼きふっくらジューシーなハンバーグに仕上げるのに、やっぱり「焼き」は需要ですよね。ちょっと緊張します……汗
ポイントは「強火にしないこと」だと樋口さんはおっしゃいます。
強火だと肉が縮んで堅くなってしまうそうです。逆に弱火だと、焼き時間が余分にかかって水分が蒸発し、これまた堅くなるとのこと。
ということで、ベストな火加減は
「中火」。焼き色がつくまで焼いたら、裏返します。
ここからは弱火にしてふたをし、蒸し焼きでじんわり中まで火を入れていきます。
さて、ここでも大事なポイントが。ハンバーグから出た余分な脂は拭き取ります。
脂があるとフライパンの温度が上がり、肉が堅くなる原因になるのだとか。
このひと手間も、おいしいハンバーグ作りには欠かせないんですね~。
では、仕上げです。
【4】
火を止めて3分ほど蒸らしたら、つけ合わせの器に盛る。同じフライパンにソースの材料を入れて混ぜる。中火にかけてひと煮立ちしたら、ハンバーグにかける。
完成しました!

でき上がったハンバーグ、ふっくらしていつつ、見た目にも肉感が残っているのがわかりますね。そして、ソースもつやつやでおいしそうです!
さっそく、いただいてみましょう。
ん~~~!! おいしい!!!
表面は香ばしく、中はしっとりとした絶妙の焼き加減です。これまでの自分の焼き方が、火が強すぎたんだな~と改めて実感できます。
最後、火を止めてからすぐに器に盛らず、余熱で中まで火を入れるのも、このしっとりさにつながってるんですね。この作り方をマスターすれば、今日からみなさんもハンバーグ名人ですよ!
教えてくれた人 樋口直哉さん料理家・作家。科学的な考え方から、料理の「当たり前」を深掘りし、おいしさを最大限に引き出すレシピを紹介している。著書に『新しい料理の教科書』(マガジンハウス)、『最高のおにぎりの作り方』(KADOKAWA)などがある。

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(『樋口さん! 定番メニューをおいしく作るコツ 教えてください!』より)「板チョコとお湯だけ!濃厚チョコムース」レシピ動画も見てね♪