「
貯められない人の家は、たいてい散らかっている」というのは、これまで多くの家庭を訪問して家計の相談を受けてきた、CFP® 1 級ファイナンシャルプランニング技能士の黒田さん。
部屋が散らかっている人はお金の使い方に無頓着で、無意識の浪費が多い傾向があり、「
片づければお金が貯まると言い切れるほど、整理整頓は貯蓄にとって大切な行動習慣」だからだそう。
黒田さんによると、決して収入は低くないのに、お金が貯まらないと悩む家庭には、ほかにも「習慣化された無意識の出費」が潜んでいるとか。心当たりのある人は、下で紹介する「貯まらない人のあるある行動習慣」を見てみて。
自分の行動習慣を見直すことで、必然的に家計の見直しにもつながりますよ。
貯蓄がたまらない人の「あるある行動習慣」とは?
家に「ビニール傘」と「保冷剤」が
たくさんある
コンビニでビニール傘を買う=行き当たりばったりで、「困ったら買えばいい」と思っているタイプ。保冷剤がたくさんある=デパ地下の高級総菜やスイーツなど自分へのごほうびが多いタイプ。このタイプの人は、「このくらいなら大丈夫」とプチ浪費するのがクセになっています。1 回の出費は小さくても合計すると大きな出費=「チリツモ消費」に。折りたたみ傘を携帯する、「ごほうびスイーツは月に2 回までにする」などのルールを決めるようにして。
冷蔵庫の中がぐちゃぐちゃ
買ってきたものを何も考えずに詰め込んでいるだけの冷蔵庫は、食材が行方不明になりがち。「ないと思っていたら、まだ残っていた」「お得な大容量パックにしたけど、食べきれなかった」など、ダブり買いや食品ロスが起こりやすくなります。冷蔵庫内の食材の住所を決めて「在庫の見える化」を図ったり、冷蔵庫をからっぽにする「リセットデー」をつくるのが有効。また、そもそも食材を買いすぎている場合も。食べきれる量かどうか考えてから購入を。
「もったいない」からと
物が捨てられない
やせたら着ようと思っている服、何年も使っていないレジャーグッズ、何かに使えそうな紙袋……。「いつか使うかもしれないもの」があふれているせいで、「今使うもの」が見つからず、結局新しいものを買ってしまうという悪循環に。過度の「もったいない精神」は、逆にお金を遠ざけてしまいます。「いつか」はこないものと考え、使っていないものは期限を決めて処分を。使わないものを死蔵するほうが、よほどもったいないことに気づいて。
クローゼットの中に
黒いパンツが3本以上ある
黒パンツは着まわしがきく万能アイテムですが、問題はその数。3 本以上黒いパンツを持っている人は、「便利そう」と思うと、つい買ってしまうタイプ。結局すべてをうまく着こなせず、たんすの肥やし=ムダ買いに。黒パンツ以外でも、クローゼットの中に、同じ色や形のアイテムがいくつもある人は要注意。手持ちの洋服を整理して、似たアイテムは1 着にしぼる、今着ている「1 軍」だけにすると、なんとなく浪費やダブり買いが減らせます。
財布がレシートやカードで
パンパン
部屋同様、〈お金の家〉である財布の中が整理されていないということは、お金に無頓着な姿勢の表れ。いくら入っていて、いくら使ったのかが把握できず、「気づいたらお金がなくなっていた」ということになりがち。レシートやカードでパンパンな〈ブタ財布〉からは、お金が逃げていくと心得て。レシートはこまめに整理する、半年以上使っていないカードは処分するなど、財布の中は必要最低限にし、お金の流れをつねに把握できるようにしましょう。
黒田さんの経験上、お金を貯めている人の家は、整理整頓がいきとどいていて、必要な書類もすぐに出てくることが多いのだとか。「
自分の持ち物をきちんと把握している人は、お金の管理も得意。何がどこにあるか、何が足りないかを把握していれば、不必要なものを買うことがなくなります。そうすると、自然とお金が貯まっていくというわけです」。
お金は、あなたの生活を映し出す鏡。貯まらない習慣を改善して、貯蓄体質に変えていきましょう!
教えてくれたのは……
黒田尚子さん
CFP® 1 級ファイナンシャルプランニング技能士。消費生活専門相談員。セミナーや講演、個人相談、執筆活動などを行う。最新刊は『マンガでわかる お金に人生を振り回されたくないから超ビギナーが今すぐやること教えてください』
(主婦の友社)。
(
『オレンジページ』2024年2月17日号より)
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