揚げもの談議は、揚げものに合わせる料理の話へと広がります……。ツレヅレハナコさん(以下 ハ):角田さん、サラダやマリネもぜひ召し上がってくださいね。揚げものばっかりにならないようにと思って、いろいろ作ってみたんです!角田光代さん(以下 角):すごい! こんなにたくさんお料理が並ぶなんて……いったい何時から準備されていたんですか。ハ:イヤイヤ、切っただけの野菜もありますし、ある程度仕込んでおけば、あとは混ぜるだけのものばかりなので、簡単なんですよ。あ、このポテトサラダには、ウスターソースをかけて食べてみてください。 ポテサラに入れるゆで卵は、ゆで時間8分がお気に入りとのこと。ほんの少し半熟な部分が残る、絶妙なしっとり加減。 角:ポテサラにウスターソース⁉……いただきます。うーん、これ、合いますね。おいしい!ハ:福島県のとある居酒屋でポテサラを頼んだら、なんの確認もなく、お店の人にウスターソースをかけられたんです。びっくりして。「え? そこ、お客にきかないの?」と思ったんですけどね、それが当たり前の店だったみたい(笑)。で、食べてみたら、想像以上においしかったので、それを再現してみました。角:王道のポテサラに、ちょっと酸味とコクが加わっていいですね。卵のゆで加減もさすがです。あとね、このしらすがのったサラダがすごくおいしくて! これは何が入っているんですか?ハ:きゅうりとセロリ、しらすのサラダです。さっぱりしていいですよね。きゅうりは種をとって、サラダが水っぽくならないようにしてあります。味つけはナンプラーとライム果汁とにんにく、赤唐辛子も入れました。最後にディルをたっぷり混ぜてあります。 主役が揚げものなので、野菜たっぷりのヘルシーなサイドメニューが並ぶ。 角:うーん、さっぱりして、また揚げものが食べたくなります。きのこのマリネも酸味がきいてるから、これを食べるとまた揚げものが食べられる。エンドレスですね。ハ:きのこのマリネは酢としょうゆで味つけしているだけです。どんどん食べてくださいね! ワインもすすんじゃう! (つづく)\ハナコさんちの揚げものホムパレシピ/ 前回の「揚げ油について」の話はこちら>>> profileツレヅレハナコさん旅と酒をこよなく愛する文筆家・料理研究家。雑誌や書籍、WEB、料理講座などで活躍中。週に2~3日は家で揚げものを作るほどの揚げものLOVERで、初心者でも失敗しない揚げ方に定評がある。著書に『ツレヅレハナコの揚げもの天国』(PHP研究所)、『まいにち酒ごはん日記』(幻冬舎)など。角田光代さん1990(平成2)年「幸福な遊戯」で海燕新人文学賞を受賞しデビュー。2005 年『対岸の彼女』で直木賞、2007 年『八日目の蟬』で中央公論文芸賞、2014 年『私のなかの彼女』で河合隼雄物語賞ほか、多くの賞を受賞。源氏物語の現代語訳という大仕事を経て、5年ぶりに長編『タラント』(中央公論新社)を出版。