
ツレヅレハナコさんが休日課長を揚げものでおもてなし vol.1 (恋バナあり)

揚げもの1品目 「春巻き」

第1回目に登場する揚げものは、「春巻き」(ページ下にレシピあり!)。春巻きは、ハナコさん宅のホムパの定番メニュー。さっそくハナコさんがキッチンで揚げている様子を見せてもらうことに。料理上手で知られ、レシピ本も出版している休日課長さんは興味シンシン。
どんな食材も、皮に巻いて揚げるだけで
ごちそうになる春巻きは偉大
休日課長さん(以下課) うわー、うまそうに揚がってる……! 春巻き、大好物なんです。
ツレヅレハナコさん(以下ツ) 私の春巻きはとっても簡単。生でも食べられるものを適当に巻いて揚げるだけ。火の通りを気にしないでいいので気軽に揚げられます。今日は、【ちくわ×しいたけ×長ねぎ】【長いも×プロセスチーズ×バジルの葉】の2種を揚げました。課長さんの料理本に、しいたけが好きと書いてあったので、こっそりしのばせています(笑)。

ツ チーズのほうは軽く塩をふっているので、そのままで。ちくわのほうは、辛子じょうゆをつけてめしあがってください。
課 ありがとうございます! うははは! めちゃくちゃうまい。バジルがきいていてワインと合いますね。長いものシャキシャキとした食感もいい。
ツ バジルは揚げても香りが飛びにくいので、春巻きの具にぴったりなんです。
課 ちくわ×しいたけも最高です! ちくわを春巻きにするっていう発想がなかったなあ……。天才です。
ツ ただ巻いて揚げただけなのに、天才なんて言われてうれしい(笑)。春巻きの中身って、小宇宙感があるというか、組み合わせの妙でバリエは無限大なんです。水分の多いものだけ避けていただければ、何を巻いてもいいと思います。

課 今度家で色々試してみます! そういえば、料理好きの父親が、前日に作って余った青椒肉絲で春巻きを作ってくれたのを思い出しました。
ツ それ、いいですね。私もよく冷蔵庫に残っている半端食材を巻いて揚げてます。かにかまやはんぺん、ハム、ねぎ、青じその葉……。意外なところでは、アボカドなんかも。マスタードやみそ、マヨネーズを入れて味にアクセントをつけてもおいしいですよ。

あつあつの春巻きをほおばりながら、話は二人が料理を始めたきっかけに……。
「下心のカレー」から始まった
休日課長の自炊生活
ツ 課長さんが料理をするようになったきっかけってなんですか?
課 大学3年生のとき、風呂なし4畳半のアパートでひとり暮らしを始めたんですが、そこにみんなを呼んでカレーをふるまいたいと思ったのがきっかけです。もちろん、自宅に女子を呼びたい下心も……。「俺のカレー食べにこない?」的な(笑)。何人か来てくれたんですけど、結局みんなの相談事を聞く喫茶店のマスターのようになっていましたね(笑)。

ツ 私は小学校6年生のときに、シャンソン歌手・石井良子さんのエッセイ『巴里の空の下オムレツのにおいは流れる』を読んだのがきっかけかなあ。「オムレツってなんだ? お母さんの作る卵焼きとは違う!」って、実際自分で作ってみたんです。
課 小6で石井良子さんとは! すごい、早熟すぎる……。
ツ そのときからですね、自分が食べたいものは自分で作ればいいんだって思ったのは。
課 自炊の醍醐味って、そこですよね。僕は子どもの頃からとんカツが大好物で、外で食べることも多いのですが、自分で揚げるとんカツはやっぱり特別。初めて揚げたとき、「なんでもっと早く揚げなかったんだろう」って後悔したぐらいです(笑)。

(第2回へ続く)
\ハナコさんちの揚げものホムパレシピ/



ツレヅレハナコさん
旅と酒をこよなく愛する文筆家・料理研究家。雑誌や書籍、WEB、料理講座などで活躍中。週2~3度は家で揚げものを作るほどの揚げもの好きで、初心者でも失敗しない揚げ方に定評がある。著書に『ツレヅレハナコの揚げもの天国』(PHP研究所)、料理レシピ本大賞のママ賞を受賞した『女ひとりの夜つまみ』(幻冬舎)など。近著は『47歳、ゆる晩酌はじめました』(KADOKAWA)。
休日課長さん
1987年生まれ、埼玉県出身。「ゲスの極み乙女」「DADARAY」「ichikoro」「礼賛」の4バンドのベーシストとして活躍。日々の自炊写真を〈妄想の彼女〉へのメッセージとともにSNSにアップして話題に。著書に『ホメられるとまた作りたくなる! 妄想ごはん』(マガジンハウス)。自身が自炊のバイブルとして崇拝する『The基本200』(小社)から、毎月1品を深掘りする連載、「休日課長の『The基本200』を極める。」をオレンジページnetで配信中。



撮影/鈴木泰介 文/太田順子