
「おばあちゃんのポテトサラダ」と最後まで美味しい人生

こんにちは!
おうちごはん研究家のはなです。
おばあちゃんのポテトサラダ
今回お届けするのは、私にとってとても
大切な思い出のレシピです。
小さな頃から大好きだった祖母が
今年の春に天国へ旅立ちました。
祖母は、私に「料理の楽しさ」や
「美味しいものを食べる幸せ」をたくさん
教えてくれた人です。
そんな祖母との思い出を振り返りながら
よく作ってくれていた「ポテトサラダ」の
レシピを皆さんにお届けしたいと思います。
お時間があれば最後まで
読んでいただけると嬉しいです。
そしてレシピが気になった方は
ぜひ「ポテトサラダ」を作ってみて
いただけると嬉しいです。

おばあちゃんの台所
私の祖母は、
(ここからは“おばあちゃん”
と書かせていただきます)
お料理やお裁縫が得意で、
いつも綺麗にお化粧をして
素敵なお洋服を着ている
とてもお上品な人でした。
孫の私をとにかく可愛がってくれて
小さな頃からおばあちゃんの家に
お泊まりに行くのが大好きでした。
おばあちゃんは、いつも台所にいて
幼いながらに「いつ寝ているんだろう?」
と思っていた記憶があるくらい
いつもいつでも台所にいたような記憶。
今でも鮮明に思い出せるのは
おばあちゃんの家にお泊まりに
行った日の朝に「トン、トン、トン…」と
響く野菜を切る音とお味噌汁の出汁の
いい香りで目覚める朝の記憶。
テレビをつけて、新聞を読みながら
朝ごはんを待つおじいちゃんの
後ろ姿と台所に立つおばあちゃんの姿が
今でもまだ最近のことのように
思い出されます。
おばあちゃんの作る朝ごはんが
特に私は大好きで、キラキラ輝く
炊き立てのごはんに前日から仕込んでおいた
出汁で作る野菜たっぷりのお味噌汁。
黄身の色がとっても鮮やかな生卵に
しっかり混ぜてある納豆。
身がプリプリの焼き魚。
どれもとっても美味しくて
「お料理はシンプルであるほど美味しい」
ということを教えてくれたのは
おばあちゃんの朝ごはん
だったんだなぁと思います。
最後まで美味しい人生
それから私のおばあちゃんは
お取り寄せやデパートの食品売り場が
大好きでした。
美味しいものを見つけると
「これ、美味しいから食べてごらん」と
全国の美味しいものをたくさん
食べさせてくれました。
お魚、お肉、野菜に果物、
昆布やいりこ、鰹節。
それから美味しい調味料も
いっぱい教えてくれました。
これはどこの地域のものなのかとか
美味しさの秘訣とか、おばあちゃんの
「おいしいお話」を聞くのが
いつも楽しみでした。
おじいちゃんが先に天国に旅立ち
しばらくは一人暮らしをしていた
おばあちゃんでしたが、最後の数年は
施設で過ごしていました。
元気な頃に「最後まで自分で料理を作って
食べたい!」と話してくれていたけれど
最後の数年はそれが叶わず、どんな風に
思っていたのかな?と
少し寂しい気持ちになります。
ここ数年は、痴呆が進んで
ちゃんと会話をするのが
難しくなっていましたが、
ちょうど一年前の夏。
母と息子と施設に会いに
行った日に
「帰りに美味しいものを食べて
帰ってね!」
と、言ってくれたのがおばあちゃんとの
最後の会話だったかなぁと思います。
おばあちゃんは最後まで
「美味しいものを食べる幸せ」を
私に伝えてくれていたように感じています。
きっとおばあちゃんの人生は
「最後まで美味しい人生」
だったのだと私は思っています。
思い出のポテトサラダ(レシピ)
最後になりましたが、おばあちゃんが
よく作ってくれていたりんごとパイナップルが
入った甘くて優しい味がするポテトサラダの
レシピをお届けさせてください。
【材料】
じゃがいも▷中4個程度
りんご▷1/4個
パイナップル▷100g
きゅうり▷1/2本
玉ねぎ▷1/4個
にんじん▷1/3本
マヨネーズ▷大さじ4
酢▷大さじ1/2
塩、こしょう▷各少々
【作り方】
①じゃがいもの皮を剥き
火が通りやすい大きさに切って
蒸す。(茹でる、レンチンでもOK)

②きゅうりは数箇所皮を剥いたら、塩(分量外)をふり
板ずりをし、スライサーでスライスし
全体に塩(分量外)をなじませ、しんなりしたら
水で塩を流してしっかり絞る。

③にんじんは半月切りに、
玉ねぎは千切りにし、熱湯で
1分半茹で、水気をきる。

④りんごとパイナップルは
食べやすい大きさに切る。
(りんごは塩水にさらしておく)

⑤蒸したじゃがいもを
マッシャーでつぶし、
酢をかけ混ぜる。

⑥粗熱が取れたら、②③④を加え
マヨネーズ、塩、こしょうを
加えて全体を混ぜる。

おわりに
最後まで読んでいただき
ありがとうございました。
少し長くなってしまいましたが
おばあちゃんとの思い出を
こうやって文章にすることができることを
とても嬉しく思います。
きっと、私と同じように、
今はもう会えなくなってしまった方との
「食」の思い出がある方は
たくさんいらっしゃるのではないかな?
と思います。
手作りのお料理や一緒に食べたもの。
ふと思い出すと寂しくなることも
あるかもしれません。
私も、ふとした瞬間に思い出しては
「もう会えないんだなぁ」と
心がギュッとなることがあります。
だけど、その度に思うことは
こうやって振り返れる思い出を
私の心の中に残してくれたことへの
感謝の気持ち。
たっぷりの愛情と思い出は
いつになっても色褪せることなく
私の心の中で彩り豊かにあり続けて
くれると思っています。
そして、私も誰かの「思い出」に
残るような「おいしい」を伝えていける
人でありたいです。
「おばあちゃん、ありがとう」
私の小さな思い出を
一緒に振り返ってくださった方
本当にありがとうございます。