50代でイライラが増えたら要注意!男性更年期や脳の変化と怒りの鎮め方
年をとるごとに怒りっぽい性格に?ささいなことですぐイライラします。

最近、会社でも家庭でも、以前は気にならなかったようなささいなことに腹が立つように。会計で待たされたり、渋滞に巻き込まれただけでイライラ。電車に乗っていても、道を歩いていても、まわりの人の行動や態度が気になってしまい、理由もなくいらだってしまうのです。妻や子どもにも「お父さん、イライラして怒ってばかりいる」と言われてしまい後悔するのですが、その場ではうまく怒りをコントロールすることができません。イライラを抑えるにはどうしたらいいのでしょうか。
(51歳・男性)
渡辺満里奈さんの回答
「イライラする自分」を責めないことが大事。「今はこういう時期なんだ」とゆるく構えましょう。

男性にも更年期※1があるというのは、知られるようになってきましたよね。相談者のかたがそうとはかぎりませんが、もし感情が抑えきれなかったり、「自分が自分でなくなってしまう」と感じるようであれば、専門のクリニックに相談してみてもいいかもしれません。
ホルモンの変動だけでなく、これまで頑張りつづけてきた疲れが出はじめるのが50代。子どもが思春期や独立を迎えて夫婦二人の生活に戻ったり、仕事での役割が変わってきたり、ライフステージが大きく変化する時期でもあります。環境や心身の変化にうまく順応できずに、イライラしやすくなってしまうのは、だれにでもあると思うんです。大事なのは、イライラしてしまう自分を否定しすぎないこと。自分を責めると、さらに気持ちが沈んでしまって悪循環に陥りがちです。
ご家族にも、気持ちが落ち着いているときに、「最近なんかイライラしやすいんだよね」「男性更年期かもしれない」と話してみては? 私自身も更年期でイライラしてしまうことがあったのですが、家族には「今はこういう時期だからごめんね」と伝えていました。何も言わずに不機嫌な態度で接するのは、周囲がいちばん困ると思うんです。言葉で説明すると、お互いに誤解が減るし、気持ちもラクになるはず。
一人で静かに過ごす時間をつくったり、何事も「まあいっか」「そんな日もあるよね」とゆるく構えることも、自分を守るコツなのかなと思います。
※1 男性更年期障害
加齢やストレスに伴う男性ホルモン(テストステロン)の減少によって引き起こされ、医学的には「LOH(ロー)症候群(加齢男性性腺機能低下症候群)」と呼ばれる。疲労感やイライラ、性欲の減退、不眠、発汗やほてりなど症状は多岐にわたる。専門の外来や泌尿器科などで診察を受けることができる。
お悩み回答者 渡辺満里奈さん
タレント。1970 年、東京都生まれ。2 児の母。清潔感あふれる明るいキャラクターで、テレビ・ラジオなど多方面で活躍。台湾や手芸、ピラティスなどカルチャー通としても知られ、ライフスタイルをつづる書籍の評価も高い。近著『不機嫌ばかりな私たち』(講談社)が好評発売中。
ブルボンヌさんの回答
仕事でも家庭でもない「第3の場所」を持つこと。〈オネエ口調〉で怒りを笑いに転換しましょ。

50代って人生の折り返し地点を過ぎて、ある種の「答え合わせ」を始めるお年ごろ。「中年の危機」※2なんて言葉もあるけど、「頑張ったけど身のほどはこんなものか」「あのときああしていれば……」って思うと、心にぽっかり穴があいて、若いころには気にも留めなかったようなことが、やたらと気にさわるようになっちゃう。そこに体力はもちろん、感情をコントロールする脳の前頭前野の働き※3も落ちてくるからイライラするのも無理ないわ。
そんな中年のイライラに対処するには、「第3のコミュニティ」を持つことを強くおすすめします。職場と家庭だけの人生は、どうしても閉じた世界になりがち。趣味のサークルとかボランティア活動とか、新しいつながりを持つことで世界が広がるし、気分もパッと晴れると思うの。これからの人生、もっと自由に楽しんでいいのよ。
どうしても出てしまう怒りは、「何よこの渋滞! アタシが通るってのに!」「踏んづけてやるっ!」とか〈オネエ変換〉で想像してみて。オネエ文化って、怒りつつも聞いてて思わず笑っちゃう表現が得意なのよ。ため込まないのに楽しくもさせる変換テク。マツコ・デラックスさんなんかその達人よね。私もイライラが過ぎるときは、語尾をダミ声で伸ばして笑い要素をたしてるぅ〜(笑)。
人生後半戦、どうせならニコニコして過ごしたいじゃない? 怒りの対象を見つづけるんじゃなくて、うまく視点をそらす〈転換力〉を身につけましょ。
※2 中年の危機
「ミッドライフ・クライシス」とも呼ばれ、40~50代に多く見られる心理的な不安や葛藤をさす言葉。加齢に伴う心身の変化が表れるこの時期には、「これでよかったのか」とこれまでの人生に疑問を抱いたり、焦燥感や抑うつなど、心の不調を感じやすくなる。
※3 前頭前野の働き
脳の前方に位置する「前頭前野」は、思考力や判断力、創造力などにかかわる重要な役割を担っているほか、怒りやイライラといった衝動的な感情を抑える働きもしている。この前頭前野の機能は、20歳ごろをピークに徐々に衰えていくが、ストレスや運動不足、睡眠の質などによっても低下することがある。
お悩み回答者 ブルボンヌさん
女装パフォーマー。1971年、岐阜県生まれ。ジェンダーや福祉問題を扱うテレビ番組への出演やラジオパーソナリティ、LGBTQやセクシャリティに関する講演活動など多方面で活躍。新宿2丁目と渋谷パルコのミックスバー「Campy! bar」をプロデュース。Podcast番組「ジョソラジ」を配信中。
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取材・文/太田順子 イラスト/松元まり子









