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実家じまい、空き家放置は罰則も!維持費はいくら?相続実務士が教えるリアルなお金事情

親の高齢化をきっかけに、「実家じまい」を考える人が増えています。いざ向き合うことになったときに気になるのが、空き家を持ち続けることで生じるお金や手間の負担です。

実際にどのくらい費用がかかるのか、どんなリスクがあるのか――。最低限知っておきたい基礎知識を、相続実務士の曽根恵子さんに教えていただきました。

空き家は全国で約900万戸

総務省の調査によると、全国の空き家は約900万戸。親が亡くなる、施設に入居するといった事情で空き家になるケースが多く、実家を相続する人は早めに対策を考えておく必要があります。

まずは、空き家を持ちつづけるデメリットを理解したうえで、「実家を今後どうするか」を親族で話し合うことが先決。「空き家問題」が深刻化し、罰則が強化された現在、「そのうち考えよう」と先延ばしにした結果、お金も手間も余計にかかることがあることを覚えておきましょう。

老朽化した空き家は、地域全体の迷惑になる

人が住んでいない家は劣化が早まります。安全面、衛生面、治安面において近隣住民への迷惑になるだけでなく、法的なリスクも伴います。もし自分の所有する空き家が原因で事故やトラブルが起こった場合、所有者が責任を問われることもあるのです。

空き家を放置することのリスク

● 老朽化による倒壊や部材の飛散
● ブロック塀の倒壊
● 放火や飛び火による火災
● 野良猫など動物のすみかに
● ゴミの不法投棄
● スズメバチなどの害虫の発生
● 不審者の侵入

空き家を維持するには、手間もお金もかかる

空き家であっても、土地と建物にそれぞれ固定資産税がかかります。また、ほとんど使わなかったとしても水道光熱費の基本料金を支払わなければいけません。万が一の火災や災害リスクに備える保険加入も必須です。さらに、月に一度は家の窓を開けて風を通し、季節ごとに清掃や草刈りを行うなど、定期的なメンテナンスも欠かせません。売却を検討する場合でも、管理状態がいいほうが売りやすくなるため、適切に管理することが大切です。

空き家にかかる税金

土地の固定資産税 約2万円
土地の都市計画税 約1万円
建物の固定資産税 約1万円
建物の都市計画税 約2400円

※いずれも土地面積100㎡、土地の評価額1000万円、建物の評価額80万円の場合。標準的な税率( 固定資産税1.4%、都市計画税0. 3%)で計算。住宅用地特例適用時。

空き家を維持するためにかかる年間費用の例

水道光熱費(電気・ガス・水道) 約2万円
掃除やメンテナンスのために契約を維持する場合。

庭のせん定、草むしり約5万円(年2回)
雑草の放置は、害虫・害獣の発生、不法投棄の原因に。

火災・地震保険料 約5万円
未加入の場合、被害時は全額自己負担になる。

交通費 約1万円
空き家を訪問するための交通費やガソリン代など。

※修繕が必要な場合は、さらに数十万円かかる。

空き家の管理を怠ると税金が高くなり、強制撤去も

2023年に「空家等対策の推進に関する特別措置法」が改正され、罰則が科されることになりました。自治体から「管理不全空家」に認定され、勧告を受けた場合、税制上の優遇措置が解除され、土地の固定資産税が6倍になります。さらに、倒壊のおそれがあるなど著しく管理不全な「特定空家」に認定されると、行政による強制撤去の対象に。その費用はすべて所有者に請求されます。

費用やリスクを知っておくことで、選択肢は広がります。実家のこれからについて、家族で話し合うきっかけにしてみてください。

※2026年2月4日時点の情報です。

教えてくれたのは……曽根恵子さん

相続実務士®。公認不動産コンサルティングマスター、相続対策専門士、「株式会社夢相続」代表取締役。相続実務士の創始者として、これまで1万5000件以上の相続相談に対応。講演やセミナー、メディア出演など多方面で活躍。監修書に『 実家問題がすべて解決する本 』(扶桑社)などがある。

『オレンジページ』2026年3月17日号より)

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監修/曽根恵子 イラスト/沼田光太郎 取材・原文/太田順子 文/池田なるみ