 
									思わぬ高額相続税にびっくり!知っておきたい『不動産の相続Q&A』弁護士アドバイス
 
																								財産の額にかかわらず誰にでもありうる相続問題。最近は都市部の土地価格が上昇しており、思わぬ高額の相続税がかかるケースも増えています。
そこで、弁護士の中里妃沙子さんに、不動産の相続について教えてもらいました。実家や自宅の不動産の評価額を知っておくと、相続税の目安だけでなく、誰にどのように分けるかのイメージもつきやすくなります。
両親が住んでいる家の評価額は、どうやって調べる?
A.宅地の評価方法は2種類。家屋は固定資産税評価額が相続税評価額に
| 土地の評価方法 | 建物の評価方法 | 
|---|---|
| ① 路線価方式=路線価×面積 ② 倍率方式=固定資産税評価額×評価倍率 路線価と評価倍率は国税庁のHPで調べられる。 | 固定資産税評価額×1.0 | 
宅地の評価方法には「路線価方式」と、 「倍率方式」の2つがあります。路線価方式は、その土地が接している道路の路線価※に、宅地の面積をかけることで算出。それに対して、路線価がついていない郊外は、固定資産税評価額に国税庁が定めた評価倍率をかけて算出する倍率方式が用いられます。家屋の場合は、固定資産税評価額がそのまま相続税評価額になります。
※路線(道路)に面した1㎡あたりの土地の価格
夫に先立たれた場合、遺産分割のために自宅を売らなければいけない?
A.「配偶者居住権」を使えば、継続して住むことができます
これまで自宅以外に相続財産がない場合、遺産分割のために自宅を手放すケースもありました。そこで2020年から配偶者の居住権を保護するために新たに定められたのが 「配偶者居住権」。建物の価値を「所有権」と「居住権」に分けて考え、残された配偶者は建物の所有権を持っていなくても、居住権を取得することで、亡くなった人が所有していた建物に住みつづけられるようになりました。
相続で引き継いだ家に住まない場合は?
A.「空き家」を所有するのはリスク大。早めの対策を

空き家の維持・管理費はもちろん、所有しているだけで固定資産税もかかります。相続しても使う予定がないなら、売却するなど手放すことも視野に入れておきましょう。相続放棄をする選択肢もありますが、相続放棄をすると預貯金等のプラスの財産もすべて放棄することになるので注意。売却や処分がむずかしい場合は、2023年にスタートした「相続土地国庫帰属制度」で国に引き取ってもらう方法も。
おもな財産が実家の家と土地のみ。どうやって分けたらいい?
A. 分割しづらい不動産は、 「換価分割」 「代償分割」を用いることも

遺産の分け方には、姉は自宅、妹は預貯金といったように、財産ごとに分ける「現物分割」の方法が一般的。不動産など一つに集中している財産を平等に分けたい場合、売却して現金に換えて分ける「換価分割」の方法も。売却がむずかしい場合は、特定の相続人が遺産のすべてを受け取り、他の相続人に相続分に見合った金額を支払う「代償分割」という方法もあります。
相続の知識は、いざというときの安心につながります。見落としがちな制度や評価のポイントを押さえて、家族にとって負担の少ない形で準備していきたいですね。
※2025年1月27日時点の情報です。

「丸の内ソレイユ法律事務所」代表弁護士。東北大学法学部卒業、南カリフォルニア大学ロースクールLLMコース修了。著書に『弁護士がわかりやすく書いた離婚したいと思ったら読む本』(自由国民社)など、テレビや雑誌などメディア出演も多数。
詳細はこちらあわせて読みたい
監修/中里妃沙子 イラスト/沼田光太郎 原文/太田順子 文/池田なるみ
 
       
      






 自由にレシピを検索!
          自由にレシピを検索!
           
         
																														 
																														 
																														 
								









 
													 
													 
													