
食いしんぼうベーシスト・休日課長が10年以上、自炊のバイブルとして愛用する『The基本200』。毎月1品をおさらいとして深掘りし、ヘビーユーザーならではの目線でリコメンドします。
休日課長が「一生作り続ける、基本のソース焼きそば」レシピとは?

連載がスタートしました。どんな連載なのか、ひと言で説明すると、人のふんどしで相撲をとります。
私がとってもお世話になったレシピ本、小田真規子先生の名著『The基本200』の料理を作って、食べて、その素晴らしさを暑苦しく語る企画。『The基本200』越しに、小田先生を感じます。小田先生、本日もよろしくお願いします。

さて、記念すべき第1回目のおさらいレシピは「ソース焼きそば」です。
『The基本200』レシピで作って感動した最初の料理が、このソース焼きそば。
「ソース焼きそば? 具を炒めて、添付の粉末ソースかけて終わりでしょ?」
と思ったのですが、麺にソースの味がからむ、小田先生秘伝の仕かけが。
さっそく作っていきましょう。
下味ワザに震える「基本のソース焼きそば」のレシピ
【材料(2人分)】
中華蒸し麺…… 2玉(約300g)
豚バラ薄切り肉…… 100g
キャベツの葉…… 3枚(約150g)
ピーマン……1個
紅しょうが……適宜
しょうゆ サラダ油 中濃ソース

課長的 ここがすごいよ『The基本200』
「麺にしょうゆで下味をつける」

ざっくり言うと、下準備して炒め合わせていくだけなんですが、この下味が最大のポイント。
これをやるとやらないでは、味の一体感が別もの! この素晴らしさは、後々語るとして……。
【作り方】
① 麺をレンチンし、しょうゆで下味をつける
袋の口を開け、電子レンジ(600W)に並べる。1分ほど加熱してボールに取り出す。しょうゆ大さじ1を回し入れ、菜箸で麺をほぐすようにしながら全体にからめる。
「取り出すときは熱いから気をつけてくだいね!と言いつつ……アチッ!」
② 野菜を切る
キャベツはしんをV字に切り落として5cm四方、ピーマンは縦半分に切ってへたと種を取り、縦に幅7~8mmに切る。
けっこう大きく感じますが、炒めてるうちにちょうどよくなる。ああ、よく考えられてます、小田先生のレシピ。
「キャベツ5cmより大きいかな? まあご愛嬌で。先生もきっと許してくれると思います」
③ 豚バラ肉を切る
長さ5cm程度に切ります。
『The基本200』には「豚バラは脂が多く、熱を入れると縮みやすいから5cmで」って書いてあるんですよ。「ここ、一生テストに出ますので覚えておいてください」って言われなくても覚えちゃった、一生使える豚バラ情報。
–{炒め方にも驚きのコツが!}–
④ 具材を炒める
フライパンにサラダ油大さじ2を中火で熱し、豚バラ、キャベツ、ピーマンを入れ、肉の色が変わるまで1分ほど炒める。
「フライパンは26cmくらい。大きいほうが、焼きそばは炒めやすいです」
⑤ 麺を加えて炒める
①の麺を加える。木べらと菜箸で具材と麺をはさみ、持ち上げて上下を返す。全体が混ざるように大きく1分ほど炒め合わせる。
「木べら×菜箸の組み合わせは発明。フライパンで使えるトングなんかも、私的にはおすすめです」
⑥ ソースを加えて、味つけを
中濃ソース大さじ3~4を回し入れ、強めの中火に。⑤と同様に混ぜ合わせる感じで1分ほど炒める。ソースが全体になじんだら火を止めて器に盛り、紅しょうがを好きなだけ。
一生作り続ける「基本のソース焼きそば」完成!
「なんて美しくて、いとおしいんだ……。豚バラの脂と甘みが大好き。豚バラにソースはもうダメでしょ」
いざ、実食!
「でき立てを食べたいので、失礼して。あつっ。ハフッ」
「う~ん、うん、うん、うん、うん、これだわ~、やっぱすげ~うまいわ~。この撮影、超楽しい!」

課長的 ここがすごいよ『The基本200』
麺、うまい!!! 下味のしょうゆが、麺によーくからんでる。ソースと麺の味の一体感は、やはり下味のしょうゆの力。このレシピに出会って、これだと思ったんです。やっぱり焼きそばは、主役の麺がいかにおいしいかが重要! パスタも適量の塩を入れたお湯でゆでるとおいしいのといっしょですよね。
そして具材のサイズもちょうどいい。最初のカットのサイズがいかによかったのがわかります。おいしい麺を、さらに引き立てるキャベツ・ピーマン・豚バラの三銃士。これこそやっぱり、私の大好きなソース焼きそばだ!
あとがき
海鮮など具だくさんの焼きそばや、塩焼きそばなんかも好きですが、やっぱ焼きそばってこれだよなぁ、ってなりますね。“たまに帰りたい実家”みたいな存在の「ソース焼きそば」というメニューを、これだけおいしく作れるようになったのは『The基本200』のおかげです。
ちなみに僕はこんなアレンジも。ある日はあえての具なし×目玉焼きのっけ×青のりをたっぷりで。
細切りピーマン×おかかたっぷりバージョンもうまいんですよねぇ。油をラードにして、屋台っぽくするのも好き。目玉焼きは半熟がお約束です。

まだまだ話したいことはいっぱいありますが、第1回はここらへんでおしまい。
次回、4/26(水)「パラパラすぎる五目炒飯」もお楽しみに!

休日課長
1987年生まれ、埼玉県出身。「ゲスの極み乙女」「DADARAY」「ichikoro」「礼賛」の4バンドのベーシストとして活躍。音楽活動の合間にTwitterやInstagramに日々の自炊写真をアップしている。妄想の彼女へ向けてのメッセージがおもしろいと評判に。2020年に著書『ホメられるとまた作りたくなる!妄想ごはん』(マガジンハウス)を出版、21年に同書が原案本としてドラマ化された。 Instagram:@kyujitsu_kacho Twitter:@eninaranaiotoko


料理・文・器/休日課長 撮影/伊藤徹也 レシピ/小田真規子(スタジオナッツ)