元雪組トップスター彩風咲奈さんの笑顔の源「どんなに忙しくても、心がときめく感覚を忘れないこと」【美のトビラ】

華やかで気品ある夢のようなキラキラのステージ、宝塚歌劇。約3時間のステージを彩るタカラジェンヌたちは清く正しく美しく、そして心身ともにパワフル！その生き生きとした魅力の源である「食」と「美」のこだわりを、宝塚歌劇OGのかたがたに現役時代を振り返りながら教えていただく連載です。

ほぐした後にかるくトレーニング、というサイクルが公演中の体の整え方

お稽古中や公演中は体を整える大事なことという位置づけでありながら、オフのときはチートデーを設けて「食べること」を楽しんでいる、元雪組トップスターの彩風咲奈（あやかぜ・さきな）さん。スパイスカレーのおいしさや自炊のこだわりを語っていただいた【食のトビラ】に続き、今回は彩風さんの美しさの理由を探る【美のトビラ】をお届けします。

＞＞前回・元雪組トップスター・彩風咲奈さん本格始動！「スパイスカレーを食べると体のめぐりがよくなります」【食のトビラ】

――朝起きて必ずやることは何ですか？モーニングルーティン的な。

犬を飼っているので、早い時間に行かなければならない公演中でも必ず朝の散歩に行きます。

ウォーミングアップになるのももちろんですが、毎朝外の空気に触れると「今日はちょっと寒いな」とか「もうすぐ春だな」と季節を感じることもできるのがすごくいいなと。自分一人だと無意識に歩いてしまうところを、犬がいっしょだからときどき立ち止まってまわりをじっくり見ながら散歩しています。

――気分転換にもなってよさそうですね。

なります。あと毎日欠かさないのは、フォームローラーを使って体をほぐすこと。とくに脚や前ももが張るので、痛気持ちいいくらいしっかりほぐすのが好きです。リンパ、わきの下、背中……。寝ころがってもできるので、いろんな体勢になって全身くまなくほぐします。

セリフを覚えるときも横に台本を置きながらゴリゴリして、時間を有効活用していました（笑）。

Saki’s Photo

――彩風さんの体づくりはリカバリーをおろそかにしないことがポイントですか？

そうですね。あとはジャイロトニックに通っています。在団中からピラティスなどいくつか試したのですが、自分にはジャイロが合っているみたいです。ジャイロで特徴的なのは円運動があるところ。マシンにバーのようなものがついていてそれを回す運動がダンスの動きにつなげやすかったんです。

――今もしっかり通われているんですか？

できるときは週に2回行っています。休みの日にマッサージでほぐしてそのまま次の日の公演をすると、ウォーミングアップをしても筋肉が整えきれていないんです。なので、マッサージをした後にジャイロで筋トレをしてから次の日を迎える、というのが私のベスト。在団中に自分の体と向き合って、いろいろ試しながら見つけたことなんです。

――いろいろ探りつつ、ベストコンディションに持っていっていたんですね。ボディのケアについては何かされていますか？

お風呂に入るのがすごく好きなんです。リラックスしながら自分の好きな本を読み、体を温めてマッサージをしたり。入浴剤はじっくり疲れが取れる、マグネシウム系のソルトを愛用。お気に入りは、ライフフローの〈ピュアマグネシウムフレーク〉です。
–{彩風さんのストレス対処法とは？}–

――忙しいとストレスもたまってくるかと思いますが、どのように対処していますか？

今はダンスのレッスンに通ってストレスを発散させています。もともと体を動かすことが好きだから、家でじっとしていることのほうが私にはストレスになるみたい。退団してから運動量が減ったので、最低でも週1回はレッスンに。それにジャイロを取り入れて、気持ちと体を停滞させないようにしています。

――男役を卒業されて、挑戦したいメイクやファッションはありますか？

退団してもっと変わるかなと思ったのですが、選ぶお洋服も行くブランドやお店も今までとまったく変わらないんです。男役のときに着ていたものやメイクが、自分が本当に好きなものだったんだなと思います。

髪は、退団してからばっさり切って今ちょっと伸ばしているところ。男役のショートヘアはリーゼントありきのスタイルなんですよ。リーゼントが作りやすいよう、長さを残しておくところとか量を削るところとか独特な形があって、意外と自由にできなかった。今後はハンサムショートにしてみたいな。小さな変化なので、みなさんにはわかりにくいかもしれないです（笑）。

――舞台の上でも美しさを意識していたと思いますが、もっとも心がけていたことはどんなことですか？

舞台ではいろんなことが出てしまうため、心に余裕がなくならないようにしていました。自分できちんと考えて自分を満たせるよう、ときめきを大切にすることは現役時代から変わらない心がけです。

懸命になっているとそのことしか考えられなくなり、「これ素敵だな」とか「これにとっても癒やされるな」というキラキラした感覚を忘れがちになってしまうのはよくないこと。そんなときは好きな本を読んだり、お笑いやバラエティを見て一回リセットします。そんな自分の心のチャージを大事にしています。

フットワークの軽さを感じた彩風さんの空気感。なににしても気になったことは「1回やってみないと気がすまない」のだそう。ご自身でいろいろ試しながら作り上げてきた魅力を、コンサートでも爆発させてくれそうです。

＞＞アンニュイな表情にドキドキなアザーカットも。写真を全部見る。

彩風咲奈
あやかぜ・さきな／元宝塚歌劇団雪組トップスター。

2007年、93期生として首席で入団。星組公演『さくら』『シークレット・ハンター』で初舞台を踏み、雪組に配属。2010年『ソルフェリーノの夜明け』以降、5回にわたって新人公演主演を務める。2021年雪組トップスターに就任し、『CITY HUNTER』『Fire Fever！』で大劇場公演お披露目。2024年『ベルサイユのばら』―フェルゼン編―にて退団。5月2日よりファーストコンサート『no man’s land』を開催。
▶️X: https://x.com/ayakaze_staff/
▶️オフィシャルHP: https://sakinaayakaze.com/

彩風咲奈 1st Concert『no man’s land』