
夏のごちそう!プロに教わる『鮎の炊き込みご飯』の極上レシピ【下処理・骨の取り方も】

この連載では、寿司屋ならではのテクニックを交えながら、家庭で作りやすいレシピをご紹介しています。
今回は【鮎の炊き込みご飯】です!
夏の和食といえばこれですよね〜
では、さっそく作って行きまーす!

【其の一】
鮎は焼いてから炊き込むべし!

鮎は焼いてからまるごと炊き込むことで、鮎のだしや香りのある炊き込みご飯に仕上がります。
※鮎を選ぶときは肛門が破れていない、締まっているものが新鮮です。


野本流『鮎の炊き込みご飯』のレシピ
材料(3〜4人分)

鮎……3尾
米……2合(360ml)
だし汁……360ml
日本酒……大さじ1と1/2
薄口しょうゆ……大さじ1と1/2
しょうがのせん切り……1かけ分(約10g)
作り方
(1)
米をとぎ、30分浸水させたら、ざるに上げて水をきっておく。
(2)
鮎はえらをとる。えらぶたをひらき、えらのつけ根に包丁を入れて取り出す。

腹から肛門に向かって押し出すようにふんを出す。

ボールに水をはり、鮎を入れて手でかるくぬめり取るように洗い、ペーパータオルで水けを取る。

※ぬめりが強い場合は塩少々(分量外)をふり、水で洗ってぬめりを取る。

(3)鮎を魚焼きグリルで両面に焼き色がつくまで焼く。


(4)
土鍋に米、だし汁、酒、しょうゆ、(3)の鮎、しょうがを入れ、ふたをして強火にかける。


沸騰したら、弱火にして15分炊き、火を止めて10分蒸らす。
(5)
ふたを取り、手早く鮎を取り出したら、

頭、骨、ひれを取る。

【POINT】
鮎は箸で身をかるく押さえると骨がすっと抜けやすい。それでも抜けない場合は身を開いて骨を取り除いてください。
※鮎の骨は細かくすべてを取り除くのはむずかしく、多少の小骨であれば食べられるので、大きな骨、気になるような骨を取り除けばOKです。


鮎を土鍋に戻し、

身をほぐしながら混ぜ合わせる。

『鮎の炊き込みご飯』のでき上がり!


これは、夏のごちそうですね〜!
シンプルに鮎のおいしさを楽しめるレシピにしました!
炊飯器で作る場合は、米、調味料を入れて、だしを炊飯器の2合の目盛りまで加えて炊けばOK。
魚焼きグリルがない場合は、鮎をフライパンで焼いてもOKです。
もしもこの前の実山椒を冷凍保存してあるかたはいっしょに炊き込んでも◎!
仕上げに薬味を混ぜるのもおいしいですよ。
ぜひこの機会に『鮎の炊き込みご飯』、作ってみてください!

今後も皆さんに魚を少しでも身近に感じていただけるようなレシピをご紹介していきます。
谷中松寿司の旬ネタ

最後に松寿司の旬ネタをご紹介! 今回は『琵琶ます』です。

サケ科に属する琵琶ます、琵琶湖を代表する魚。
産卵期前の夏が脂がのっておいしいんです。
天然の琵琶ますは、とても上品な脂と香りがあり、身も柔らかくとろけるようなおいしさ。
すしめしとの相性も抜群です。
さて、本日も最後までお読みいただきありがとうございました!
次回の更新は8/9(金)。火を使わない簡単『さば缶冷や汁』を紹介します。

野本やすゆき
料理家、谷中で80年続く「谷中松寿司」三代目店主。
大学卒業後、調理師学校に通い、調理師免許を取得。家業の寿司店で修業するかたわら、フードコーディネータースクールに入校。卒業後、同校講師を経て独立。
料理家、寿司屋の二刀流で料理雑誌へのレシピ提供、テレビ番組や広告のフードコーディネートなど、食にかかわるジャンルで幅広く活躍中。
YouTube:野本やすゆきチャンネル
Instagram:nomotobase
谷中松寿司:yanakamatsusushi

写真・文/野本やすゆき プロフィール写真/吉澤健太