AIレシピ検索
どうする?どうなる?老後の4K

56歳、人の名前が出てこない…認知症が心配。脳神経外科医・菅原道仁が教える処方箋。

超高齢社会を迎え、「人生100年時代」といわれる現代。
だからこそ、考えだしたら不安でたまらない、家族や自分の老後の生活。
各分野のスペシャリストが、そんなあなたの不安にそっと寄り添います。

今回のお悩み/健康

もの忘れが多くなり、うっかりミスが激増。いつか重大なミスをしないか心配です。

50代になってから、人の名前が出てこなかったり、新しいことが覚えづらくなってきました。ちょっとしたもの忘れなら笑い話ですむのですが、最近は、病院を予約したのを忘れて電話がかかってきたり、ガスの火を消し忘れていたり、冗談にならないミスも激増。どこに何を置いたか忘れて、探しものをすることもしょっちゅう。予定を手帳に書いてもすぐに忘れてしまうので、不安で何度も確認してしまいます。認知症の不安はもちろん、いつか重大なミスをしてしまったらどうしようと心配です。
(56歳・女性)

菅原道仁さんの回答

脳は忘れるようにできているので、落ち込む必要はありません。何度も確認して脳に定着させましょう。

ふきだし

お悩み回答者

菅原道仁さん

そもそも脳というのは忘れるようにできているんですね。「エビングハウスの忘却曲線」※1にもあるように、私たちは物事を覚えた直後に半分以上のことを忘れてしまいます。なぜなら、すべて覚えていたら脳のメモリがパンクしてしまうから。だから「脳が老化している」と落ち込まなくても大丈夫。忘れるのが当たり前なんです。

「若いころはそうじゃなかった」と思うかもしれませんが、小学生のころだって忘れ物してましたよね? 脳の性質上、どの年代にもミスは必ず起きるので、対策を強化するしかありません。メモに書く、声に出す、指さし確認する、スマホのリマインダー機能を活用するなど、何度も確認して脳に定着させるといいですよ。

人間の脳は、マルチタスクが苦手なので、仕事や家事などやらなければいけないことが詰まっていると、目の前の大事なことをフッと忘れてしまうことも。睡眠を充分にとるなど、セルフケアを心がけましょう。

また記憶には、「覚える」ことだけでなく、それを「思い出す」ことも必要です。年齢とともに脳に蓄積される情報量も増えていくので、膨大な情報のなかから一部を取り出すのに時間がかかるようになっているだけ。「思い出す力」を鍛えるには、すぐにスマホの検索に頼らず、なるべく自力で思い出す訓練をしてみてください。

ただし、日常生活に支障が出るようであれば、脳神経外科やもの忘れ外来※2などを受診することをおすすめします。

※1 エビングハウスの忘却曲線
ドイツの心理学者ヘルマン・エビングハウスが研究した、時間の経過と記憶の関係を表した曲線のこと。人間は一度覚えたことでも、1時間後には56%、1日後には74%忘れてしまうが、何度も繰り返し思い出したり、復習することで「長期記憶」となって脳に定着し、忘れにくくなるという。

※2 もの忘れ外来
もの忘れや認知症を心配している人を対象とした外来で、症状が加齢に伴う正常なものなのか、認知症などの病気によるものかを診断する。脳神経外科、精神科、老年科などに設置されており、必要に応じて、CTやMRIで脳の萎縮や脳梗塞がないかを調べる。

菅原道仁さん
脳神経外科医
1970 年生まれ。杏林大学医学部卒業後、国立国際医療研究センターに勤務。2015 年に菅原脳神経外科クリニック、19 年に菅原クリニック東京脳ドックを開院。現在は、頭痛、めまい、もの忘れ、脳の病気予防の診療を中心に行う。著書に『すぐやる脳』(サンマーク出版)など多数。

取材・文/太田順子 イラスト/松元まり子

暮らしに関する新着レシピ