
今年の梅仕事は梅肉エキス【季節の手仕事】

初夏の楽しみ「梅仕事」。
5月下旬ごろから旬を迎える梅の実を使って、毎年、梅シロップや梅酒、梅干しなどを手作りするのが我が家の恒例行事です。
青梅や完熟梅――梅の実の状態によって、作れるものが変わってくるため、この時季は毎年、梅に合わせて大忙し。
家中に梅の香りが広がって、「ああ、今年もこの季節が来たね」と家族もそわそわしてしまう6月です。
そして今年は梅肉エキスも作りました。
青梅の果汁を搾り、じっくりと時間をかけて煮詰めていく、梅肉エキス作り。とても根気のいる作業ですが、昔ながらの知恵がぎゅっと詰まった一品です。
梅肉エキスには、疲労回復や胃腸の調子を整える働きがあると言われています。
なんとなく元気が出ないときや、お腹の調子がすぐれないとき。そんな時に私は梅肉エキスの力をそっと借りて過ごしています。(梅肉エキスは昔から家庭で作られ、日々の養生に使われてきた民間療法のひとつです。医薬品では無いので、ご自身の体調や体質に合わせて、無理のない範囲でご使用ください。)
梅肉エキスの作り方



用意する青梅は1kg以上。(無茶々園 https://muchachaen.shop-pro.jp/ )
作り方はとてもシンプル。


青梅を優しく洗って、なり口を取り除いたら、ひたすらに果肉をすりおろしていきます。かなり手が痛くなりますので、休憩しながら頑張りましょう。

果肉をすりおろしたら、清潔な布巾などをつかって、ぎゅっと果汁を絞っていきます。数回に分けてしっかり絞りましょう。

弱火から中火くらいの火加減で煮詰めていきます。

焦げに気をつけながら気長に、トロッと色濃くなるまで煮詰めます。(1時間以上かかります)
しっかりエキスが濃縮されたら、清潔な瓶につめて完成です。

青梅1.5kgを使って出来た梅肉エキスは50gくらいでしょうか。梅のエキスがぎゅーっと濃縮された梅肉エキスが出来上がりです。(冷暗所で長期保存可能)
昔から、体をいたわる“養生”のひとつとして大切にされてきた梅肉エキス。たくさんの梅を使って出来あがる量はほんのわずか。それでも梅の力を感じながら仕込むひとときは心も穏やかに整えてくれる大切な時間です。梅の季節もそろそろ終わり。少し寂しさを感じつつ、また来年を楽しみにしながら、今年の恵みをじっくり味わいたいと思います。