こんにちは! 谷中松寿司三代目・料理家の野本やすゆきです。この連載では、寿司屋ならではのテクニックを交えながら、家庭で作りやすいレシピをご紹介します。第4回『初がつおの手こね寿司』のレシピはこちら>>今回は旬の〈新しょうが〉を使ったレシピ。あれ? 魚じゃないの? そう思ったみなさん、正解です。今回は特別編ということで『松寿司流厚切りガリ』を作ります!ガリって、一般的には薄切りですよね!? でも松寿司のガリはちょっと個性的なさいころ状。今日ご紹介するのは、それをさらに作りやすくした厚切りバージョンです。では、さっそく作っていきまーす‼ 【其の一】新しょうがは厚切りにすべし! 1cm程度の厚切りにすることで食べごたえが出て◎。いろんな料理のアレンジにも使いやすい、おいしいガリが作れます。 【其の二】新しょうがは10秒ゆでるべし! ゆでることで味のなじみがよくなり、しょうがの辛みがマイルドに仕上がります。ゆで時間は10秒でOK!ちなみに新生姜は傷みやすいので、先端や表面が乾いているものや、茶色くなっているものは避けて新鮮なものを選ぶと◎。 『厚切りガリ』のレシピ 材料(作りやすい分量・密閉できる保存容器1L分) 新しょうが……500g酢……1と1/2カップ砂糖……150g塩……大さじ1赤唐辛子……1本(種を取る) 新しょうがの切り方 (1)スプーンで皮と汚れを取る。(2)赤い部分は切り落とす。(3)幅1cmの斜め切りにする。 作り方 (1)鍋に湯を沸かし、新しょうがを10秒ほどゆでる。(2)ざるに上げて広げ、粗熱を取る。ペーパータオルで水けを取る。(3)小鍋に酢、砂糖、塩を入れて。火にかけ、へらなどで混ぜて砂糖と塩が溶けたら火を止めてさます。(4)密閉できる清潔な保存びん(保存容器)に新しょうがと赤唐辛子を入れ、(3)を注ぎ入れる。ふたをして冷蔵庫で1週間以上置く。【POINT】2~3週間置くと、味がなじんでよりおいしくいただけます。 保存期間 冷蔵庫で半年ほど保存可能1週間がたってでき上がった『松寿司流厚切りガリ』がこちら♪さわやかな辛みの新しょうがに、甘酸っぱい漬け汁がしみ込んで最高!そのまま食べて歯ごたえを楽しむのはもちろん、細かく刻んで魚のから揚げにかけたり、チャーハンの具材に混ぜたりしても◎。暑い日のカレーのつけ合わせにもうってつけです。漬け汁がきれいなピンクに色づくのも新しょうがならでは。季節の味を楽しんでみてくださいね!そして、次回は松寿司のスペシャリテ、厚切りガリを使ったタルタルとあじフライをご紹介します。旬の新しょうがで作ったガリ。ぜひガリガリ食べてくださいね(笑)。おあとがよろしいようでm(_ _)m 谷中松寿司の旬ネタ さてさて最後に松寿司の旬ネタをご紹介!今回は高級魚「鱒の介」。天然のキングサーモンです。サケ・マス類のなかではとくに大きい魚。脂ののった身はとってもおいしく、漁獲量も少ないためとても高値で取引されているんです。−60℃で冷凍してから、10秒ほどづけにしてにぎるのが松寿司流! かるくづけにすることで魚の香りと脂の甘みを感じていただけるおすしにします。次回の更新は6/23(金)! お楽しみに。野本やすゆき料理家、谷中で80年続く「谷中松寿司」三代目店主。大学卒業後、調理師学校に通い、調理師免許を取得。家業の寿司店で修業するかたわら、フードコーディネータースクールに入校。卒業後、同校講師を経て独立。料理家、寿司屋の二刀流で料理雑誌へのレシピ提供、テレビ番組や広告のフードコーディネートなど、食にかかわるジャンルで幅広く活躍中。YouTube:野本やすゆきチャンネルInstagram:nomotobase谷中松寿司:yanakamatsusushi