ゆで鍋いらず! ワンパン・海鮮スパゲティ【オレペの中の人・宮川のうちごはんレシピ】


入社25年(つまり四半世紀)以上のベテラン料理編集者3人が「うちごはん」について気ままに、赤裸々に語るリレー連載。個人的好み全開のオリジナルレシピのおまけつき。

vol.57
入社29年目〈人が喜ぶため〉に料理をしている宮川の場合
『ゆで鍋いらず! ワンパン・海鮮スパゲティ』
この一年半ほどの情勢に加え、高齢になったことで、外食の機会がなくなった両親。そのため、実家に帰ったときは、普段食卓にのぼらないような、お店風の料理を作るようにしています。レシピを考えるのは楽しいものの、良いアイディアが浮かばずに、悩むことも。そんなときは両親に「食べたいもの募集中」とメールを送り、ヒントをもらうようにしています。
先日の父からのリクエストは「イタリアンの海鮮スパゲティ」。「この前も『いかナポリタン』を作ったなぁ」と思いながら(父は新潟県の日本海に面した町で生まれ育ったので、魚介類が大の好物。加えて、私と同様に無類の「麺食い」です)、シーフードミックスや、野菜、トマト缶などを買って実家へ。
いつものように、具を炒めてソースを作って、別鍋でスパゲティをゆでて、と思っていたところ、母が私の「お持ち帰り用総菜」を製作中(本当にありがたいです)で、コンロが一口しか空いていないという事態に。そこで急遽、フライパンひとつでできる、「ワンパン・スパゲティ」の手法を取ることに。
この作り方は、ゆで鍋いらずでできる手軽さに加え、フライパンごと食卓に出すことであつあつが楽しめることがポイント。さらに、スパゲティのでんぷん質でソースにほどよいとろみがついて、味がしっかりとからむというメリットもあり! 具だくさんで、魚介のうまみがしっかりとしみこんだスパゲティに、父も「おお、こりゃ豪華だねぇ。レストランみたいだなぁ」と喜んで食べてくれました。
今回のレシピの応用で、パリッとするまで火を通し、「おこげ」を作ればパエリア風に。スパゲティをショートパスタに変え、チーズをのせて蒸し焼きにすればグラタン風にもなります。アレンジがいろいろと広がるので、また連載の中で、披露できたらと思います。
フライパンの口径よりスパゲティが長いとき、半分に折ってもいいのですが、せっかくのロングパスタを「長いまま使いたい」と、編み出した技?がこちら。スパゲティを束ねて持ち、先端をフライパンの底に押し当てながら、じわじわと沈めるように入れていけばOK!
コンロが渋滞していたもうひとつの理由が、野菜をあまり食べたがらない父のために「白菜のクリーム煮」を仕込んでいたため。作り方は簡単で、ベーコン、にんにくとしょうがのみじん切りをバターで炒めてから白菜のしんの部分、生しいたけを加え、かぶるくらいの水を加えて15分ほど煮ます。白菜の葉を加え、さらに7~8分煮てから、豆乳を加えてひと煮立ちさせ、塩糀(または塩)、こしょう各適宜で調味します。体が温まって、これからの季節におすすめです。
オレぺの中の人のうちごはんレシピ
『ワンパン・海鮮スパゲティ』

材料(3~4人分)
- スパゲティ(ゆで時間8分のもの) 260g
- シーフードミックス 150g
- マッシュルーム 4個
- ブロッコリー 1/4株
- カットトマト(360g入り) 1パック
- 玉ねぎ 1/2個
- にんにく 1かけ
- ローリエ 2枚
- オレガノ 少々
- 白ワイン 大さじ2
- トマトピューレ 大さじ2
- オリーブオイル 大さじ1
- 塩 粗びき黒こしょう
作り方
- シーフードミックスは塩適宜を加えた水に浸して解凍する※。ベーコンは粗いみじん切りにする。マッシュルームは縦に薄切りにする。ブロッコリーは小房に分ける。玉ねぎ、にんにくはそれぞれみじん切りにする。
※解凍するとき、海水と同じくらいの塩水(水500mlに対して塩大さじ1が目安)に30分ほど浸すことで、シーフードから水分やうま味が流れ出ることを防ぎ、おいしく、プリプリッとした食感になります。 フライパンにオリーブオイル、にんにくを入れて中火にかけ、香りが立ったら玉ねぎを加えて、しんなりとするまで炒める。トマトを缶汁ごと加え、トマトピューレ、ローリエ、オレガノ、塩小さじ1/2を加えて混ぜ、水750mlを注ぎ入れる。
煮立ったらスパゲティを加える(入れ方は上記参照)。再び煮立ったら弱めの中火にし、ときどき混ぜながら約5分煮る。
マッシュルーム、ブロッコリーを加えて混ぜ、さらに約2分煮る。
※水分が少なくなってきたら、様子を見ながら適宜たしてください。シーフードミックスを加え、白ワインを回し入れる。全体を混ぜながらさらに1~2分、煮汁が少し残るくらいまで煮る。味をみて塩少々で整え、粗びき黒こしょうをふる。

- Editor No.03 宮川京子(通称・ミヤカワさん)
- 神奈川県横浜市出身。大学卒業後、1992年に「ただただ料理が好き」という志望動機でオレンジページに入社。出版社の業務形態などをまったく知らず「オレンジページに入れば、自分で料理を作って写真を撮ってレシピが書ける」と思い込み、後にそうではない事実を知る。戸惑いのスタートから早29年。料理本担当一筋の日々で、常に頭のなかは食べることと作ることで埋め尽くされている。
宮川のうちごはんレシピ、
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