30歳になったころから〈ノーファンデ〉を貫き、光を放っているかのごとくつややかな肌の持ち主、美容家の藤井明子さん(藤子さん)。この連載では、“奇跡の43歳”とも呼ばれる彼女に、内側から輝くような美しさをかなえる秘訣をうかがいます。
最終回は『腸活』について。腸は体に必要な栄養素や水分を吸収する大切な器官。最近では、〈第二の脳〉とも言われ、注目される機会が増えています。藤子さんも、心身の健康や美しさを保つには、腸の状態をよくすることが不可欠と、腸にいい影響がある食生活を心がけ、サプリメントものんでいるそうです。
「前職を辞めたタイミングが、ちょうど忘年会シーズンだったんです。きちんと休みを取ることが久しぶりで、解放感から、いままで参加できなかった食事会に一気に参加したんです。そうしたら、ひどい肌荒れを起こしてしまったことがありました」
あまりに急な肌荒れにおどろき、相談した先が腸活サプリを手がけるかただったそうです。
「そのかたに、ここのところの暴飲暴食について打ち明けたところ、『お酒と小麦が原因の可能性があるから、いったん控えてみては』とアドバイスされました」
わらをもつかむ思いで、しばらくお酒を飲むのも小麦が使われている食品を口にするのも減らしてみたところ、なんと1~2週間で肌荒れが治まったのだとか。
「腸への負担をなくして環境を整え、腸の動きが正常になると、美肌にもつながるのかもしれないなと思いました。それで『腸活』に本腰を入れたんです」
藤子流
腸活基本ルール
腸をいたわる生活をするため、口にするものに気をくばる日々。
藤子さんが腸活をするにあたって、気にかけている3つのポイントを教えてくれました。
(1)菌を増やすこと
「腸内の菌の量を増やすために効果的な、納豆やぬか漬け、キムチといった発酵食品や乳酸菌を含んだ食品や飲料を意識的に取り入れるようにしています。私、料理はまったくしないというのに、ぬか漬けだけは漬けているんですよ」。
「黒い大豆を使った黒千石納豆。ポリフェノールが含まれていて味も好みなので、納豆はこれを購入することが多いです」
「納豆は付属のたれは使わない派。代わりに入れるのはしょうゆ麹です」
「マイぬか床です。なすやきゅうり、アボカド、大根など何でもそのときに余っている野菜を漬けておいて、おやつのように暇をみてはポリポリとかじっているんです」
「キムチもパウダーを白菜などにまぶして漬けておくだけで簡単にできてしまう素を買って、自分で作ってしまいます。これはうま味調味料、食品添加物不使用で安心」
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(2)菌を育てること
「菌を育てるには、整腸作用があり、菌のエネルギー源となる食物繊維をとるのが有効。外食だとしても野菜を真っ先に、かつたくさん食べています」
もずくなどの海草類、モロヘイヤ、オクラなどのネバネバとしたものが特に意識して食べるもの。
「もずくは冷蔵庫にパックを常備しておいて、いつでも食べられる態勢を整えています。レストランでも『オクラの○○』『もずく酢』というメニューがあれば絶対に頼むほど(笑)。とはいえ、すべての外食でそれをかなえることは難しいので、モロヘイヤと水だけでできた「あおつぶ」をいつも持ち歩いています」
「100%モロヘイヤでできているサプリメントは、野菜が不足しているなと思ったらのんでいます」
(3)菌のじゃまをしないこと
「腸の粘膜を荒らすといわれる小麦やアルコール、人工甘味料、添加物や白いお砂糖は意識して減らしています。もちろん人によってこれらの影響を受けない人もいると思いますが、私自身はこれらを摂取すると肌荒れを起こしたり体調をくずしたりすることが多いんです」
買い物の際は原材料をチェック。小麦は調味料にも使われているし、人工甘味料が入っていない食品を探すのはなかなか大変で、「私的にOKな食品を探すことがいまは趣味になっています」。
ただし、(1)~(3)をどれもバランスよくと思うと、なかなかむずかしそうです。
「そうなんです。それであまりストイックになりすぎないようにしています。あまりにも肌荒れがひどいときはすべて守るようにするけれど、普段は、たとえば人と会っているときは気にせず食事を楽しむとか。絶対にNOとしてしまうとストレスになるし、そもそもとても難しい。だからマイルールを設けて、何より継続することを大切に」
加えて腸内環境を整えることが期待できるサプリなどの力を借りるそう。それなら、「今日の食事はぜんぜんダメだった」と罪悪感に駆られることも少なくなりそうですね。
(左)免疫をつかさどる小腸に必要な2種の乳酸菌、大腸の蠕動運動を活発化させる2種にビフィズス生菌、皮膚や粘膜のバリア機能を活発化させる乳酸菌生産物質、1びんで3兆3600億の菌を配合。
(右)「玄米」と「酒粕」由来の植物性乳酸菌「K-1」と「K-2」を日本で初めて*ダブルで配合した腸活サプリメント。新しい腸活の概念として注目される“ポストバイオティクス”として、一日(2粒)あたり2000億個の菌を取り込む。
食事をとる時間へのこだわりも
腸へのいたわりから
腸内の菌にフォーカスした先ほどの3つに加えて、腸を休めるために、食べる時間も気にかけているという藤子さん。ベースにするのは「16時間ダイエット」という考え方です。ダイエットするかたも取れ入れられる食事法なので、体型をキープするのにも効果的なんだとか。
「一日24時間のうち、食事をとるタイミングを連続する8時間内に収めるようにし、残りの16時間は空腹状態を保つようにしています。おおむね夜6時か7時くらいに食事をしはじめて2時間程度で終える。その後寝るまで3時間は基本的に食べません。起床してからは、昨夜、夕食を終えたタイミングを起点に16時間が経過するまでは、消化のいい果物を食べるか、プロテインを飲むだけするというのが基本スケジュール」
これだけ聞くと、とてもストイックに生活をしているように聞こえるけれど、ランチタイムは自由に食べるようにして、自分へのごほうびにすることで、ストレスは感じにくいといいます。
「一日のうちにランチくらいは好きなものを食べようと決めていて(笑)。もちろん前述のような腸をいたわる食材にこだわると自然とパンチが効きすぎるラーメンなどは避けるようになりますが、それ以外、昼の時間帯は比較的、自由度は高めなほうです」
もうひとつ、食事をとる際のマイルールがあるとか。
「まずは野菜を必ず食べます。いきなり炭水化物を口にすると、血糖値が上がって太りやすくなるので、ベジファーストで。野菜でおなかを半分くらいいっぱいにしてから、そこで初めてたんぱく質に箸をつけ、次にご飯(炭水化物)を口にする流れです。ほかにも肉と魚を選べるならば、脂の質がよく、消化が比較的簡単な魚を選ぶというのもなんとなく意識しています」
藤子さんが何気なく口にした「なんとなく」というフレーズは、とても藤子さん的。美しさを保つために日々心がけるさまざまな事柄について語っていただく間にも、自らを縛りすぎないゆるさがあるくらいがいいと言いつづけていらっしゃいました。
連載の最終回にあたり、その点についてうかがってみます。
継続することが大切。
美容は一日にして成らず。
「何においても、継続するということがとても大切なんだと思っているんです。
紫外線対策や
美容医療や
炭酸ケアなどいろいろとお話しさせていただきましたが、どれもそう。私が『こうしています』という美容ケアは、あくまで私が実践している私には合っていそうなものでしかありません。しかもどれも即効性があるケアではなく、続けていたら効果が表れたというものがほとんどです。もちろん読者の皆さんにもぜひおすすめしたいケアばかりですが、必ずしもそれがベストとはかぎりません。
ですからいちばんにお伝えしたかったのは、何か自分に合うケア法やトライしてみたい美容法を見つけたら、まずは続けててくださいということです。美容は一日にして成らず。だから継続するために、自分がつづけられるレベルのルールを決めるというのが、藤子流。今日も明日もあさっても、来週も半年後も、ゆるく続けてみた先に、きっと変化を感じられるはずです」。
藤井明子/ふじいあきこ 〈FATUITE〉ディレクター、美容家
航空会社勤務を経て、現在インフルエンサー・モデルとして活動する1981年生まれの43歳。 “奇跡の43歳”と呼ばれ、美容メディアや雑誌を中心に活動中。 2021年に自身のスキンケアブランド〈FATUITE〉を立ち上げ、ディレクターを務める。 自身のインスタグラム(@fujiko0207)では、日ごろのスキンケアやメイク情報を発信。 「藤子」の愛称で親しまれ、透明感のある肌とその飾らないキャラクターにファンも多い。