30歳になったころから〈ノーファンデ〉を貫き、光を放っているかのごとくつややかな肌の持ち主、美容家の藤井明子さん(藤子さん)。この連載では、“奇跡の43歳”とも呼ばれる彼女に、内側から輝くような美しさをかなえる秘訣をうかがいます。
第五回は『美容医療』編。藤子さんは美容医療を歯科医院でのクリーニングやホワイトニング同様に、「予防の一環」と位置づけて、定期的に美容医療を取り入れているそうです。
「シミやしわができてから、何とかしてもらうために美容皮膚科に行くという考え方が一般的かもしれません。でも虫歯が痛くなってから、あるいは病気になってから病院に行くと大掛かりな治療になることとも少なくありません。美容医療もそれと同じだと思うんです。『何か起きる前に予防する』、つまりシミができなうように、シワが深くならないようにケアすることを大切にしています。
始めたのは、37、8歳、エイジングサインに気づくようになったころ。老化は受け入れながら、年を重ねても自分が思う〈きれいな自分〉を考えたとき、極端に目立つシミシワがなく、体型が整っていて、髪や肌に艶がある人でいられたらいいなと思ったからです。
変わりたいとか、出来たものをなくしたいという目的で通っているわけではないので、即効性について語ることは難しいのですが、いわゆる見てわかる‟老化“のスピードは、感覚的にはゆっくりです」
藤子流
私の定番の美容医療4つ
2か月に1度程度定期的に行うケアは以下の4つだそう。「多種多様なケアを試した結果、シンプルで、続けやすいこの4つに落ち着きました」
(1)ピーリング
「角質ケア、ニキビケアのために取り入れています。角質が溜まってしまい角層が厚くなると、肌の透明感が失われ、さらにニキビもできやすくなります。また化粧水や美容液も肌に入っていきにくくなってしまいます。そうなる前に、角質を取り除いて、柔らかい肌をキープしています」
(2)ビタミン導入
「微弱電流を流して、肌の深層部まで美容成分を浸透させます。使用してもらう薬剤の種類によって美白効果や保湿効果を得られます」
(3)レーザー
「リフトアップに有効なレーザーをお願いしています。スキンケアだけでは重力によるたるみに抗ったり、ゆるみを克服したりすることは難しい。定期的にレーザーを取り入れ、引き締めるようにしています」
(4)点滴
「私が行うのはビタミン点滴。疲れた体の回復や肌トラブルの回避を目的としています。ダイレクトに血管から取り込めるので、個人的には、日々飲むサプリメントの進化形と捉えて。仕事が忙しく疲れがたまった時や急な肌不調、今は絶対に風邪をひけないというときの体力回復といった、〈急場〉には、その時々にあった効能の中身をプラスしてもらいます」
藤子流~美容クリニックの選び方
「どのクリニックに通うかを選ぶこと」はとても難しいものです。私が病院やドクター選びで頼るのは、実際に行った友人や、通っている人のSNS上の口コミなど。施術を受けた人の生の声に耳を傾け、気になったところには、まず出かけてみることにしています。初回のカウンセリングは無料な医院もありますから、気負わずに自分との相性診断のつもりで、実際に足を運び、判断するといいのでは。
一概には言えませんが、たとえばこちらが「この施術を受けてみたい」と言っても、必要だと思わなければちゃんと否定してくれることもひとつの判断基準になる気がしています。
私が信頼しているドクターは「ほうれい線が気になるからどうにかしたい」と伝えたとき、「ヒアルロン酸を打ちましょう」「糸を入れましょう」という対処療法に近いものは提案しませんでした。「まずは頬のたるみの原因となる、頭部、こめかみ、おでこから頬につながるゆるみを何とかしましょう。そうしないと、たとえヒアルロン酸を打ったとしても、すぐにまたシワが出てきてしまいますよ」と、問題の〈構造〉を説明してくれたんです。
藤子行きつけの美容クリニックはここ!
東京ヒルズクリニック
「長年お世話になっている杉浦功修院長。ピーリング、ビタミン導入、レーザーはこちらでお願いしています」
https://tokyo-hills-clinic.com/
藤子さん受診メニュー
・ベビーピール 初回5280円(税込み)
・美肌トリートメント 初回5280円(税込み)
・フェイスアップレーザー 初回13200円(税込み)
アンジー
「点滴はこちらで相談をしています」
https://angieclinic.com/
藤子さん受診メニュー
・ANGIEカクテル点滴(ビタミン点滴) 12000円(税込み)
美容医療はどのメニューも比較的高額なので、どうしても1度の〈即効性〉を求めがちです。とはいえ、美容医療は魔法ではありません。1度の施術で大きな変化を得られるわけではありません。たとえば濃いシミは、レーザーを当て、シールを貼って保護し、日に当たらないように気を付けるという工程を複数回繰り返して、ようやく薄くなるもの。ビタミン導入やピーリング後は肌の表面がつるんとするけれど、できていたニキビが一気に消えるわけではないんです。美容医療もコツコツと続けることがとても大切です。
虫歯にならないよう毎日歯磨き(セルフケア)する、定期的にクリーニング、ホワイトニング(美容医療)するのと同じだと考えると分かりやすいかもしれません。自分では手が届かないところ、行き届かないところを、プロに“診てもらい”ましょう。
最後に。
「小麦色の肌をキープしたい」「目じりのしわは愛すべきもの、幸せのサイン」という人もいらっしゃるように、肌やエイジングに対する考え方は人それぞれ。誰もが美容医療を受けるべきだとは思いません。
おすすめしたいのは、鏡を見るたびにシミ、シワ、たるみといったエイジングサインをストレスに感じてしまう方々。エイジングサインが気になり出したら、それが大きな悩みになる前に、美容医療という強い味方がいることを思い出してみてください。
藤井明子/ふじいあきこ 〈FATUITE〉ディレクター、美容家 航空会社勤務を経て、現在インフルエンサー・モデルとして活動する1981年生まれの43歳。 “奇跡の43歳”と呼ばれ、美容メディアや雑誌を中心に活動中。 2021年に自身のスキンケアブランド〈FATUITE〉を立ち上げ、ディレクターを務める。 自身のインスタグラム(
@fujiko0207)では、日ごろのスキンケアやメイク情報を発信。 「藤子」の愛称で親しまれ、透明感のある肌とその飾らないキャラクターにファンも多い。