4月12日は「パンの日」。パン食を広めようと、協会が制定した記念日です。
今回は、そんな日にちなんで、身近な存在でありながら意外と知らないパンのトリビアをご紹介。
「食パンの〈みみ〉ってなに?」「パンって何語?」――そんな素朴な疑問に迫ります。
知れば思わずだれかに話したくなるかも!
1.パンって何語?
ポルトガル語。1543年、種子島の鉄砲伝来とともに伝わったといわれている!
1543年、鹿児島県の種子島に1隻の中国船が漂着し、この船に乗っていたポルトガル人により火縄式鉄砲が伝えられましたが、このときいっしょにパンも伝わったといわれています。
ポルトガル語でパンは 「pão (パオン)」なので、パンと呼ばれるようになったそう。
2.食パンを数えるときの1斤、2斤の「斤」って何?
日本で昔から使われている尺貫法における重さの単位のひとつ
1 斤=約600ɡですが、食パン1斤の斤と尺貫法の斤は異なり、日本パン公正取引協議会で
包装食パン(製造所で放冷または冷却後包装し、販売のため に小売店に出荷される食パン)の重量は1斤340ɡ以上と定めています。なお、斤は重さの単位のため、食パンの大きさについては特に定めてはいません。
形は食品表示法の基準で決められていて、直方体か円柱状の型で焼いたもの。また、ベーカリーなどで販売されている食パンは包装食パンには該当しないので、1斤340ɡ以上という規定の対象にはなりません。
3.角型食パンと山型食パンの違いは何?
作る工程の大きな違いは焼き方。
角型食パンはもちもちとした食感、山型食パンは軽い食感が特徴
角型と山型の違いは焼き方にあり、ふたをして焼いた食パンが角型食パン、ふたをしないで焼いた食パンが山型食パン。
角型食パンはふたで押さえた状態で焼き上げるので水分の蒸発が少なく、かみごたえのあるもちもちとした食感に。山型食パンはふたをせずに焼き上げるため、縦に大きくふくらみ、食感が軽いのが特徴。
もっちりした食感が好きなら角型、さくっとした軽い食感が好きなら山型と覚えておきましょう。
4.どうして食パンの 「みみ」というの?
じつは「みみ」と呼ぶのは日本人だけ!
昔から物の端っこにあるものを「みみ」と呼ぶ習慣があったからという説が有力
パン業界では、「みみ」といわずにクラスト(crust)といいます。 クラストとは英語で外皮という意味。また、食パンのみみは堅く、かかとの硬い皮膚に似ているということでヒール(かかと) ということもあるそう。
日本では昔から、端にあるものをみみと呼ぶ文化があったので、食パンの端にあるもの=みみ、と呼ぶようになったと推測されています。
「なるほど~」なトリビアが満載。普段何気なく食べているパンでも、実はまだまだ知らないことが多いかもしれません。
次にパンを食べる時は、ぜひ新しい視点で楽しんでみてくださいね!
教えてくれたのは……
一般社団法人日本パン工業会
大手製パン業者による団体。日本の製パン業の健全な発展を図り、国民の食生活の改善と文化の向上に貢献することを目的とし、環境・食の安全と安心への取り組みを行っている。