イタリア生まれの伝統料理〈カポナータ〉。カラフルな
夏野菜がた~っぷり。素揚げして閉じこめた素材のうま味に甘酸っぱい味付けがたまりません。
野菜だけで作ることが多いけれど、鶏肉をプラスして少しボリュームアップするのが、若山曜子さん流。
一品でお腹もこころも大満足。人気の料理家が繰り返し作る絶品おかずは必見です!
『カポナータ』とは
カポナータは、なすやズッキーニ、パプリカなどを使った南イタリアの郷土料理。素揚げした夏野菜をビネガーで煮込み、砂糖などで味付けする甘酸っぱい味わいが特徴です。
同じく夏野菜の煮込み料理・ラタトゥイユは、南フランス発祥。こちらは塩こしょう、ハーブで香りづけする、シンプルな味つけ。よりさっぱりした味わいです。
『夏野菜と鶏肉のカポナータ』のレシピ
材料(2~3人分)
なす……1個
かぼちゃ……1/6個(約200g)
ピーマン……1個
ズッキーニ……1本
鶏胸肉(大)……1枚(約250g)
トマトソース(下記参照)……全量
白ワイン……大さじ2
塩……適宜
砂糖……ひとつまみ
バルサミコ酢……小さじ2
好みでバジル(またはローズマリー)……適宜
サラダ油……適宜
小麦粉……適宜
【トマトソース】について
市販のトマトソース370g、または手作りしてもOK。鍋にオリーブオイル大さじ1、つぶしたにんにく1かけ分、赤唐辛子1/4本(へたと種を取る)を入れて中火にかけ、香りが立ったらホールトマト缶詰(400g入り)1缶を加え、トマトをつぶしながら5~6分煮つめる。
作り方
(1)鶏肉は幅2cmのそぎ切りにし、肉たたきまたはめん棒(めん棒の場合は鶏肉をラップではさむ)でかるくたたく。さらに一口大に切ってボールに入れ、白ワインと塩小さじ1/2をまぶし、10分ほどおく。
(2)かぼちゃはわたと種を取ってラップで包み、電子レンジ(600W)で1分加熱し、幅1cmの一口大に切る。なす、ズッキーニはへたを切って幅1cmの輪切りにし、なすは塩少々をまぶす。ピーマンは縦半分に切ってへたと種を取り、一口大に切る。
(3)フライパンにサラダ油を高さ1cmまで入れ、中温(170~180℃。乾いた菜箸の先を鍋底に当てると、細かい泡がシュワシュワッとまっすぐ出る程度)に熱する。なすは水けを拭く。(2)の野菜を数回に分けて入れ、火が通ったものから油をきる。(1)の水けを拭いて小麦粉を薄くまぶし、続けてフライパンに加える。表面が少し色づいたら返し、さらにかるく色がつくまで揚げ、油をきる。
(4)鍋にトマトソースを入れ、鶏肉を加えて中火にかけ、ふつふつっとするまで1分ほど煮る。火を止め、(3)の野菜と、バルサミコ酢、砂糖、塩小さじ1を加え、全体を混ぜる。器に盛り、好みでバジルをちぎって散らす。
あつあつはもちろん、冷やしてもおいしいカポナータ。味がなじんだ翌日は、さらにおいしくいただけます。甘酸っぱくも濃厚な味わいを、ぜひご堪能ください!
教えてくれたのは……
若山曜子さん
菓子・料理研究家。パリへの留学経験があり、フランス国家調理師資格(C.A.P.)を持つ。センスがよく、作りやすいレシピが人気。著書に『本当は素朴なフランスのおやつ』(小社)など。