現代人はパソコンやスマホを見ている時間が長いので、頭を突き出して背中を丸めた猫背姿勢になりがち。人間の頭の重さは約5kgありますが、頭が前に出ると実際の重さより大きな負担が首にかかります。私たちは首の重さを感知する感覚が鈍いので、つい悪い姿勢を長時間続けてしまい、首を支える筋肉が硬く収縮したままになり、首こりをまねく原因に!
座り方が悪いと首こりのリスクも高くなります。首こりを予防・改善するためには、ふだんの悪い姿勢を直すことが最も大切。
そこで、正しい座り方をマスターして、首こりを上手に解消しましょう!
正しい座り姿勢をつくる4つのステップ
首こりの大きな原因になるのが座っているときの姿勢です。畳や床に座る和式の生活だと骨盤が後ろに倒れて背中が丸まり頭が出やすいので、なるべく椅子生活をするのがおすすめです。そして椅子に座るときは、下のような手順で、こまめに正しい姿勢にリセットしましょう。
1骨盤を起こす
まず、ふだんの姿勢のまま椅子に座り、骨盤をまっすぐに立てます。
2 背中を伸ばし肩を引く
肩甲骨の下あたりの背骨に力を入れて背すじを伸ばし、胸を張り、両肩を引きます。
3 頭を引く
次に、ほんの少し頭を後ろに引きます。あごをかるく引くくらいのイメージでOK。
4 寄りかかる
③でも正しい姿勢になりますが、疲れてしまうので背もたれにもたれて力を抜きましょう。
椅子を理想の形に近づける
よい座り姿勢を保つには椅子選びも重要です。よい椅子の条件は、背中と背もたれの間にすきまがなく、座ったときに力を抜いても背すじが伸びた姿勢が保たれるもの。椅子を変えるのが難しい場合は、腰の部分にクッションなどを当て、寄りかかったときに適度な腰の反りをつくれるようにするのがおすすめ。

クッションや巻いたバスタオルを椅子に当て、ずれないようにひもなどで縛るなどして固定を。
パソコンやスマホを見るときの姿勢を整える
最も姿勢がくずれやすいのがパソコンやスマホを見るとき。よい姿勢を保つため、スマホは、画面が目線の高さにくるように持って見るのがポイントです。パソコンは、ノート型だと目線より画面の位置が下がりのぞき込むような悪い姿勢になりがち。ノートパソコンを10〜15cmの高さの台に置き、外づけのキーボードを設置して使うと姿勢がくずれにくくなります。

台はお菓子のあき箱などでもOK。外づけのキーボードを使うと手が前に出すぎず、首や肩の緊張を防げます。
教えてくれたのは……竹谷内康修先生
竹谷内医院院長。整形外科医。カイロプラクター。肩こり、首こり、首の痛み、腕のしびれ、腰痛、腰部脊柱管狭窄症、関節痛などの手技治療に取り組む。著書に『最新版 首を伸ばして自分で治す! 頸椎症』(宝島社)などがある。
首こりをほうっておくと、首・肩の痛みや、腕の痛み、しびれが起きることも。さらなる不調をまねくことになるので注意が必要です。まずは正しい座り姿勢から実践して、首をスッキリ軽くさせましょう!
(『オレンジページ』2024年5月2日号より)
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