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【編集マツコの、週末には映画を。Vol.90】『聖なる犯罪者』

2021.01.08


こんにちは。ふだんは雑誌『オレンジページ』で料理ページを担当している編集マツコです。
今年も良い作品をたくさんご紹介できますように。
年明け一発目はポーランドの映画。日本では少しマイナーですが、ポーランド映画は世界的に評価が高く、ちょっと個性的な名作が多いんです。「なんかこの映画変わってて面白いなー」と思ったら、ポーランド映画だったことが何度かありました。
今回の『聖なる犯罪者』も、一筋縄ではいかない激しい内容。過去を偽り聖職者の地位に就いた男のストーリーは、実話に基づいたものだそう。宗教に対する人の信仰心と、世俗的な部分のコントラストが面白い!
ドラマチックで激しい、でも見終わった後はどこかすがすがしい、不思議な世界観の作品でした。


ポーランドは9割がカトリック教徒で、信仰心の篤い国。映画でも宗教を題材にしたもの、そうでなくとも教会が出てくることが多い気がします。そんな国でニセ司祭なんて相当な大事件かと思いきや、ポーランドでこの手の事件は毎年(!)起こっているんだとか。
殺人の罪を犯して少年院で過ごすダニエル(バルトシュ・ビィレニア)は、院内で行われるミサに積極的に参加し、いつしかミサでのまとめ役を任されるように。元々敬虔なカトリックだった彼は「神父になりたい」と願うも、罪を犯した彼にその資格はありません。出所後、これから働くことになっている製材所のある村にたどり着き、ふと立ち寄ったのが地元の教会。そこで出会った少女マルタ(エリーザ・リチュムブル)に、自分は司祭だととっさに嘘をついてしまい、(少年院から持ってきた?)司祭服も効果を発揮して、あれよあれよという間に聖職者としての地位を築いていくのです。


そんな風に全く穏やかでないストーリーながら、ついついこのダニエルという人物に引き込まれてしまうのはなぜだろう。出所したその日のうちにクラブに出向き、早速酒とクスリと女に手を出す堕落ぶり。それでいて、自己流のミサや住民への声かけは確かに魅力的(反町隆史のGTO的な)。彼が代わりを務めることになった神父はアルコール依存症だったり、「敬虔なカトリック」というポーランドのイメージがどんどん崩されていきます。
全編を通じて、ダニエルの過去はほぼ明かされません。余計な情報がないぶん、司祭としての彼の言動に注目することができる。ちなみに、神父さんも酒やタバコを禁止されているわけではないようです。


稚拙な嘘が隠し通せるはずもなく、少しずつ追い詰められていくダニエル。あーでもテレビドラマの最終回みたいに、大人しく改心しちゃってめでたしなのかなあと思っていたら、最後まで破壊的でスリリングな展開が待っていました。
ダニエルが訪れる村では、前年に起こったある事件が村人たちに影を落としているのですが、この事件はポーランドで実際にあった事故をモチーフにしているそう。このエピソードが切なくて、ダニエルと村人たちの交流でジーンとする場面もありました。
ちなみに毎年11月に、東京で「ポーランド映画祭」というものが開催されています。最新の話題作だけでなく過去の名作も上映されるので、今作でポーランド映画に興味を持った方はぜひ足を運んでみてくださいね。


「聖なる犯罪者」  1月15日(金)より、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次ロードショー!
配給:ハーク
©2019 Aurum Film Bodzak Hickinbotham SPJ.  - WFSWalter Film Studio Sp. z o.o.  - Wojewódzki Dom Kultury W Rzeszowie - ITI Neovision S.A. - Les Contes Modernes

【編集マツコの 週末には、映画を。】
年間150本以上を観賞する映画好きの料理編集者が、おすすめの映画を毎週1本紹介します。

次回1/15(金)は「羊飼いと風船」です。お楽しみに!

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