病気やケガで働けないピンチを救う!収入減を補う『社会保障制度』を解説
病気やケガは、ある日突然やってくるもの。医療費だけでなく、「働けないことで収入が減ってしまう」という不安もありますよね。
そんなときに支えになるのが、公的な社会保障制度です。今回は、もしものときに知っておきたい傷病手当金・労災保険・障害年金について、ファイナンシャルプランナー・井戸美枝さんに教えていただきました。
※2026年4月17日時点の情報です。
傷病手当金

【業務外の病気やケガの治療で会社を休むとき】
仕事中や通勤中以外の病気やケガで療養が必要になり、仕事を休んだ場合に健康保険から支給される手当。仕事を連続3日間休むと4日目から支給されます。うつ病や適応障害などの精神疾患も支給の対象。支給期間は、通算で最長1年6カ月まで。医師の指示による自宅療養も含まれます。
対象となる人
健康保険に加入している会社員・公務員本人。
※ 扶養家族は対象外
給付額
休業1日につき、直近12カ月の一月あたりの平均賃金(標準報酬月額)÷30日のおおむね3分の2。
申請先
加入している健康保険組合・協会けんぽ(勤務先の担当窓口を通じて申請)
手続きのポイント
● 同じ病気、ケガであれば、復職と休職を繰り返しても通算で受給可能。
● 自営業やフリーランス(国民健康保険)は原則対象外。
労災保険

【仕事・通勤中の病気やケガが原因で働けないとき】
仕事中や通勤中のケガや病気に対して、治療費や休業中の給付などが受けられる制度。労災指定医療機関にかかれば、原則、治療費の自己負担はありません。
対象となる人
雇用されているすべての労働者(パート・アルバイト含む)
給付額
休業1日につき、直近3カ月の一日あたりの平均賃金(給付基礎日額)の約8割。
申請先
労働基準監督署(勤務先の担当窓口を通じて申請)
手続きのポイント
● 業務や通勤が原因であることが条件。
● 「傷病手当金」と「労災保険」を重複して受け取ることはできない。
障害年金

【長期にわたる障害や病気で生活が制限されるとき】
病気やケガで日常生活や仕事が制限された場合、その状態が続くかぎり受給できる年金。「年金=老後にもらうもの」と思われがちですが、じつは現役世代も受給できます。がん、糖尿病、 精神疾患なども対象。「傷病手当金」の支給期間が終わったあとも、療養が長引く場合の生活の柱となります。
対象となる人
国民年金または厚生年金に加入しており、法令の定める障害の状態にある人。
給付額
障害の程度(1〜3級)や、加入している年金の種類、加入期間によって異なる。
申請先
年金事務所または市区町村役場
手続きのポイント
● 初診日にどの年金制度に加入していたかによって給付内容に差が出る。会社員など厚生年金に加入している間に受診したほうが、3級や一時金(障害手当金)の対象にもなり、受給面で手厚くなる。
● 原則、初診日から1年6カ月後に認定される。
フリーランス・自営業はどう備える?
自営業者の場合、会社員とは違い、「傷病手当金」や「労災保険」がありません。収入が途絶えるリスクに備え、生活費の半年〜1年分を目安に貯蓄をしておくほか、民間の「所得補償保険」の活用も検討を。また、労災保険に任意で加入できる「特別加入制度」という選択肢もあ ります。以前は建設業やドライバーなど一部に限られていましたが、現在は職種を問わず幅広い個人事業主が利用できるようになっています。
会社員とフリーランスでは、受けられる保障に違いがあることも。いざというとき困らないよう、自分に必要な備えを見直すきっかけにしてみてください。
教えてくれたのは……井戸美枝さん

ファイナンシャルプランナー(CFP認定者)、社会保険労務士。社会保障審議会企業年金・個人年金部会委員を歴任、国民年金基金連合会理事。講演やメディアを通じて身近な経済問題、年金・社会保障問題について解説。著書に『 私の老後のお金大全 』(日経BP)など多数。
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監修/井戸美枝 イラスト/沼田光太郎 取材・原文/太田順子 文/池田なるみ







