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10年で1割増!日本人の2人に1人が花粉症?医師がアレルギーの最新知識を解説

花粉症のシーズンが到来。いまや日本人の約2人に1人がアレルギー性鼻炎に悩んでいるともいわれています。

身近な不調だからこそ、正しい知識と最新の情報を知ることが大切。症状とうまくつきあうために知っておきたいアレルギーの基礎知識を、医師の山西敏朗先生にうかがいました。

日本人の2人に1人がスギ花粉症? 最新データで見るアレルギー性鼻炎

日本人の約3人に1人が何らかのアレルギーを持ち、なかでもスギ花粉症は最多。戦後に大量に植林されたスギ林の成熟期を踏まえると、今後もしばらくは高い有病率が続く見込みといわれています。

ありふれた疾患だけに自己診断ですませる人も少なくありませんが、スギ花粉症だと思っていたら、じつは別の花粉に反応していた、あるいは通年性のダニ・ハウスダスト、ペット由来のアレルギーだったというケースも。

重症化や生活の質の低下を防ぐために必要なのは、正しい知識です。「知っているつもり」をアップデートして、上手につきあっていきましょう

日本人のアレルギー性鼻炎の有病率は49.2%

出典/『鼻アレルギー診療ガイドライン(2024年版)』(金原出版)

日本人の約半数が、スギ、スギ以外の花粉、ダニ・ハウスダスト、ペットなどによるアレルギー性鼻炎に悩まされています。PM2.5や黄砂など空気中の汚染物質が、症状悪化の一因になるともいわれます。

スギ花粉症は10年ごとに約10%ずつ増えつづけている!

特に多いのはスギ花粉症。10~50代では、ほぼ2人に1人がスギ花粉症で、最近は発症年齢の若年化も進んでいるとか。その影響は国の経済にもダメージを与え、社会問題とされているのが現状です。

押さえておきたい! アレルギーの基礎知識

花粉はスギ花粉だけにあらず。一年を通じて、いろいろな花粉が飛んでいる

アレルギーを引き起こす花粉は、スギ以外にもいろいろ。地域にもよりますが、季節ごとにさまざまな種類の花粉が飛んでいます。特に種類の多い関東地方では、冬から春にかけてはスギやヒノキ、初夏から夏にかけてはカモガヤなどのイネ科の植物、秋はキク科のブタクサやヨモギが代表的。このほか、通年性のダニ・ハウスダスト、カビ、ペットやゴキブリ由来のアレルゲンもあるので、不調が長引く場合は血液検査でアレルゲンを特定するのも一案です。

花粉症の症状は鼻と目だけではない

花粉症は鼻や目だけでなく、全身に症状が及ぶ可能性のあるアレルギー反応です。のどのかゆみやせき、声のかすれ、耳のかゆみや違和感、顔や首のかゆみ、ぜんそくの悪化などが起こることもあります。近年は花粉が皮膚に付着して炎症を起こす「花粉皮膚炎」も増えています。さらに炎症による影響で、倦怠感や集中力の低下、微熱、眠けといった全身症状が出る場合もあります。

黄砂とPM2.5は花粉症シーズンの要注意コンビ

黄砂やPM2.5はスギ花粉よりずっと小さく、鼻や気管支の奥まで入り込みやすい粒子です。これらはアレルゲンではありませんが、表面に付着した汚染物質や微生物がアジュバント(免疫反応を強める補助因子)として作用し、花粉への反応を強める可能性があります。春はこれらが飛来する時期と花粉症シーズンが重なることもあり、症状が悪化しやすくなるのです。

根本的な改善をめざすなら「免疫療法」という選択肢も

アレルゲンを少量ずつ体に入れ、過敏な反応を起こしにくい体質をめざすのが「アレルゲン免疫療法」です。舌の下で錠剤を溶かす「舌下免疫療法」と、注射で行う「皮下免疫療法」があり、舌下はスギ花粉症とダニアレルギーのみ保険適用。治療期間は約3年と長いですが、症状がつらく薬を減らしたい人は検討を。

まずは正しく知ることから。基礎知識を押さえて、症状とうまくつきあっていきましょう。

『オレンジページ』2026年2月17日号より)

教えてくれたのは…
山西敏朗先生
耳鼻咽喉科 山西クリニック院長

医学博士、日本耳鼻咽喉科学会認定専門医。アレルギー性鼻炎の治療については最新の免疫療法も取り入れるなど、力を入れて取り組んでいる。

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監修/山西敏朗 取材・原文/伊藤由起 イラスト/ナカオ テッペイ 文/池田なるみ