
ウー・ウェンさんの【3つの心得】で、炒めものが劇的に変わる。『豚肉とねぎ炒め』

手早く簡単に作れる炒めもの。でも、具材に火が通っていなかったり、水分でべちゃっとしていたり……なかなかうまく仕上がらないと感じたこと、ありませんか?
そこで今回は中国出身の料理研究家ウー・ウェンさんに、炒めものをおいしく作るための「3つの心得」を伺いつつ、『豚肉とねぎ炒め』のレシピを教えてもらいました。いつもの手順をほんのちょっと見直すだけで、家庭でもとびっきりおいしい炒めものが作れちゃいますよ!
ウー・ウェンさん伝授! 炒めものの「3つの心得」
その1 下ごしらえはていねいに
食材は大きさをそろえて切り、火の通りにくい食材は、炒める前に下ゆでを。肉と野菜は火が通るまでの時間が異なるので、ベストな状態で炒めるために、ひと手間かけて。そして、肉や魚介には下味をつけておきます。下味をつける順番も大事。まずはこしょうや酒で食材の臭みを取り、次に塩やしょうゆなどで味つけを。最後に「のり」の役目の片栗粉をまぶします。合わせ調味料も炒める前に混ぜておきましょう。
その2 炒めるときは弱めの中火で
炒めものは強火の料理といわれますが、それはプロの料理人の話。家庭では油をうまく使い、弱めの中火であせらずじわじわと食材に火を通すのが成功のカギです。
その3 フライパンは加熱できるボール
サラダを作るときにボールで野菜をあえるように、肉と野菜をフライパンの中であえて仕上げるイメージです。肉は濃いめの味をつけて、野菜は素材自体のうまみを味わう。その2つをフライパンであえることで、メリハリのあるおいしい炒めものになるのです。
『豚肉とねぎ炒め』のレシピ

材料(2人分)
豚こま切れ肉……200g
ねぎ(青い部分も使う)……1本
〈豚肉の下味〉
粗びき黒こしょう……少々
酒……大さじ1
塩(粒が粗めのもの)……少々
片栗粉……小さじ1
〈合わせ調味料〉
しょうゆ……大さじ1
黒酢……大さじ1
はちみつ……小さじ1
油……大さじ1
作り方
(1)ねぎは斜め薄切りにする。豚肉はボールに入れ、下味の材料を順番にふり入れ、そのつど豚肉にからめる。合わせ調味料の材料はよく混ぜる。
(2)フライパンに油を入れて強めの中火にかけ、豚肉を入れて弱めの中火にし、肉に火が通るまで2分ほどしっかり炒める。合わせ調味料を加え、煮立ったら肉の表面にからめながら炒める。ねぎを加えて炒め合わせ、香りが立ったら火を止める。
POINT
豚肉は水分が抜けるまでしっかりと炒め、合わせ調味料を中まで吸い込ませるのがおいしくなるコツ。ねぎは炒めすぎると食感がわるくなります。余熱でも火は入るので、炒めすぎに注意して。
しょうゆと黒酢、はちみつの合わせ調味料は、ウー・ウェンさんイチ押しの味つけなんだそう♪ 豚こまとねぎで作るコスパ抜群の本格的な炒めもの、さっそく今夜のおかずに作ってみてくださいね!
●使用しているフライパンは直径24cmの深型のものです。他のサイズでも作れますが、深型を使うのがおすすめです。
●油は「太白ごま油」を使用していますが、ない場合はサラダ油や米油など、くせのない油で代用してください。
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料理/ウー・ウェン 撮影/福尾美雪 スタリング/駒井京子 取材・原文/佐々木香織 文/編集部・町田