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【東大教授に聞く】疲れ・肌荒れ・太りやすさを防ぐ深睡眠、3つの朝ルーティンとは?

日本人女性の睡眠時間は、なんと世界でもワーストクラス。その影響か、「なんとなく体調がすぐれない」と感じる人が増えています。特に40代以降は、加齢や更年期で眠りが浅くなりがちなので、「ぐっすり眠れた」と実感できる〈深睡眠〉が欠かせません

東大教授であり睡眠研究の専門家・林悠さんによると、「加齢や更年期の影響で、深い眠り(深睡眠)をとりにくくなると、心身のバランスが乱れ、日中の活動にも影響します。質のよい睡眠には、適度な疲労と、体内時計の調整が必要です」。

生活習慣を少し見直すだけでも、眠りはぐっと深くなります。今回は、朝に取り入れるといい3つの習慣を紹介します。

深睡眠のための欠かせない朝習慣は?

大音量のアラームはNG!脳がびっくりしちゃいます

大音量で鳴り響くアラームは、交感神経を一気に刺激し、人によっては動悸が生じることも。また、初めは驚いて目が覚めても、慣れてしまうと効果が薄れる場合も。交感神経を急激に刺激しすぎずに自然と目覚めるには、アラームはやさしい音や音楽が流れるシンプルなものが◎。それではなかなか起きられないという人は、最初は小さく、徐々に音量が上がるタイプの目覚まし時計を選ぶとよいでしょう。

日の光は必ず浴びて!天気の悪い日は室内灯でOK

朝が苦手な人は、起きたらすぐにたっぷり光を浴びましょう。カーテンを開けて、太陽の光を取り込むだけで、体内時計が整い、脳が「活動の時間」と判断してスイッチが入ります。曇りや雨の日は、部屋の照明をしっかりつければ効果は充分。目の網膜から入った光が脳を刺激し、自然と体が目覚めやすくなります。

睡眠モードを断ち切るには納豆ご飯とみそ汁

朝食をとらないと、頭も体も睡眠モードを引きずったままに。ご飯と納豆、みそ汁だけでもいいので、必ず何か食べましょう。特にご飯の炭水化物は、脳と体の大切なエネルギー源。体温が上がり、活動モードに切り替わります。また納豆やみそには、睡眠ホルモン「メラトニン」の材料となるトリプトファンが多く含まれており、朝ごはんにプラスすると◎。平日も休日も、同じ時間に朝食をとる習慣を続けることが、夜の快眠につながります。

睡眠の質をよくするためには、まず脳と体を目覚めさせるのが大事。朝のルーティンを見直して、質のよい眠りを手に入れましょう!

教えてくれたのは……
林 悠さん

東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻教授、筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構(WPI-IIIS)客員教授。博士(理学)。近著に『ぐっすり眠り、スッキリ目覚める! 明日が変わる 睡眠の科学大全』(ナツメ社)。

『オレンジページ』2025年10月2日号より)

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監修/林 悠 取材・原文/宝田真由美 イラスト/植松しんこ 文/編集部・鎌形