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知らないと損。月の介護費用が安くなる・給付金が戻る「3つの公的制度」をFPが解説

親や家族の介護は、いつ必要になるかわからないもの。いざというときに慌てないためにも、利用できる公的制度を知っておくことが大切です。

介護保険をはじめ、介護費の負担を軽減する制度や、仕事との両立を支える給付金など、知っておきたい支援制度をファイナンシャルプランナー・井戸美枝さんに教えていただきました。

※2026年5月25日時点の情報です。

介護保険

介護サービスを利用したいとき

費用の1〜3割の自己負担で介護サービスを利用できる制度。利用には市区町村への「要介護認定」の申請が必要です。認定結果(要支援1・2、要介護1〜5)に応じて、訪問介護や通所介護(デイサービス)などのサービスが利用できます。

対象となる人

65歳以上の介護や支援が必要な人。

※40〜64歳は、がん(末期)や関節リウマチなど16の「特定疾病」が原因の場合のみ対象。

自己負担額

所得に応じて1〜3割(一定以上の所得がある人は2〜3割)。

※福祉用具の購入(年間10万円まで)や住宅改修(工事費上限20万円まで)も、1〜3割の自己負担で利用可能。

申請先

市区町村

手続きのポイント

● 認定には主治医の意見書や審査などを経て、原則30日以内、地域によっては1〜2カ月かかる。
● 福祉用具のレンタル・購入や住宅改修を行う際は、事前にケアマネジャーに相談を。

自治体独自の介護サービスもチェック

配食サービス(安否確認を兼ねる)、おむつ支給・紙おむつ購入費の助成、家事援助や訪問介護費の補助、福祉用具の貸し出しなど、自治体によってさまざまな支援サービスがあります。自治体のウェブサイトを確認したり、地域包括支援センターに相談したりして、利用できる制度をチェックしておきましょう。

高額介護サービス費

月の介護費が高額になったとき

1カ月に支払った介護サービスの自己負担額の合計が、所得に応じた上限額を超えた場合、その超過分が払い戻される制度。

対象となる人

介護保険サービスを利用している人。

自己負担額

所得区分により異なるが、一般的な世帯(年収約770万円未満)の自己負担上限額は月額4万4400円。これを超えた分が払い戻される。

申請先

市区町村

手続きのポイント

● 同一世帯で複数の利用者がいる場合は、世帯合算が可能。合計額に上限が適用される。
● 施設の食費・居住費、福祉用具購入費、住宅改修費の自己負担分は合算の対象外。
● 医療費と介護費の両方がかさむ場合は、「高額医療・高額介護合算療養費制度」の対象になることも高額介護サービス費との併用で、さらに負担が軽減される場合がある。

介護休業給付金

介護のために仕事を休むとき

要介護状態の家族を介護するために仕事を休む「介護休業」を取得した際、一定の要件を満たせば、雇用保険から給付金が支給される。

対象となる人

家族を2週間以上常時介護するために、「介護休業」を取得した雇用保険の被保険者。

※介護休業開始日前2年間に、被保険者期間が通算12カ月以上あること。

給付額

休業前の賃金の約67%。

※対象家族1人につき通算93日を限度に、3回まで分割取得が可能。

申請先

ハローワーク(勤務先を通じて手続き)

手続きのポイント

● 「介護休暇」(通院の付き添いや短時間の用事のために取得できる休暇。有給か無給かは会社による)とは別の制度。
● 休業終了後に申請するため、給付金の支給も休業後となる。
● 施設入所の準備や引っ越しなど、まとまった時間が必要な用事のための休業も対象。


介護が始まっても、公的な制度を利用すれば自己負担額を抑えられることがあります。困ったときは一人で抱え込まず、地域包括支援センターなどにも相談してみてくださいね。

教えてくれたのは……井戸美枝さん

ファイナンシャルプランナー(CFP認定者)、社会保険労務士。社会保障審議会企業年金・個人年金部会委員を歴任、国民年金基金連合会理事。講演やメディアを通じて身近な経済問題、年金・社会保障問題について解説。著書に『私の老後のお金大全』(日経BP)など多数。

『オレンジページ』2026年6月17日号より

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監修/井戸美枝 イラスト/沼田光太郎 取材・原文/太田順子 文/池田なるみ