オレペの中の人・福島の「梅じゃこ青じそ玄米炒飯」レシピ


入社25年(つまり四半世紀)以上のベテラン料理編集者3人が「うちごはん」について気ままに、赤裸々に語るリレー連載。個人的好み全開のオリジナルレシピのおまけつき。

vol.44
入社29年目 独身生活満喫中の福島の場合
『梅じゃこ青じそ玄米炒飯』
昨年の春から始まったテレワーク。最初の頃は、気分転換も兼ねて近所のお店にランチを食べに出かけたりテイクアウトを利用したりしていたんですが、さすがにここまで長引くと、新規開拓するお店もなくなり……。今ではもっぱら家で作って食べる日々を送っております。昼休みの一時間で、作って、食べて、片付けてを終えなきゃいけないので、いかに手軽に作るかが勝負。そんなときには、やっぱり炒飯が強い味方になってくれます。ご飯は常に冷凍してあるので、それを解凍し、具や味つけはその日の気分で適当に。そんななか、最近のお気に入りが、この梅干しとちりめんじゃこ、青じそ、みょうがの炒飯です。じゃこの香ばしさや、夏らしい香味野菜たっぷりで暑い日でも食べやすいところがいいんですよね~。
ところで、これを読んでくださっているみなさんのなかで、玄米で炒飯を作るというかた、いらっしゃいますか? じつは、わが家の冷凍ご飯は玄米なので、何の違和感もなく作ってたんですが、先日、複数の同僚にその話をしたところ、「えっ!? 玄米を炒飯にするとか考えたこともなかった!」と一様に驚かれたんですよね。そんなに珍しいですかね……? 玄米ならではの香ばしさがおいしいし、粘りが少ないので、何のテクニックもなしに自然とパラパラ炒飯に仕上がるところも魅力だな~と、個人的には思ってるんですが……。
かくいう僕も、以前は断然、白米派だったんです。それがなぜ玄米派に転じたかというと、じつは五年ほど前、血液検査で医者から「血糖値がやばいですね……。糖尿病に片足突っ込んでますよ」と言われたんです。そこから徹底した糖質オフをスタートし、主食はいっさい食べない生活に(もちろん、お酒も我慢)。三カ月ほどで無事に改善して現在に至るんですが、また戻ったら……という一抹の不安もあり、ご飯を食べるのは昼だけにし、しかも血糖値が急激に上がりにくい玄米にスイッチしたというわけ。
なんて言いつつ、お酒に関してはすっかり気がゆるんでしまい、解禁した晩酌は日に日に量が増すばかり(汗)。今度は「肝臓、やばいですよ」なんて言われないように気をつけなきゃな、と思う今日この頃です(思うだけ……汗)。
15年近く愛用しているわが家の炊飯用土鍋。以前、旅ページの取材で訪れた滋賀県は信楽・雲井窯のもので、もちろん玄米もこの土鍋で炊いてます。当時、ものすごく人気の土鍋でなかなか手に入らなかったんですが、取材当日、「今日なら在庫2つだけあるよ」とおっしゃっていただき、もちろん即買い! 糖質オフ期間中はすっかり活躍の場を失っていましたが、再び日の目をみて、玄米生活に欠かせない存在になっています。
ご飯に限らず、昼を自宅で食べるようになってから、おかずもあれこれ冷凍しておくようになりました。そのために作るというよりは、晩ごはんのおかずを多めに作って冷凍したり、餃子なんかは、あえて多めに作って冷凍したり。一人暮らしなので、1切れだけ余りがちな切り身魚は、適当な野菜といっしょにタンドリー風のたれに漬け込んで冷凍したりもします。凍ったまま火にかけたり、レンジでチンすればすぐ食べられるので便利なんだけど、もう、冷凍庫がパンパンです(笑)
オレぺの中の人のうちごはんレシピ
『梅じゃこ青じそ玄米炒飯』

材料(1人分)
- 玄米ご飯 茶碗1杯分(約150g)
- ちりめんじゃこ 10g
- 青じその葉 5枚
- みょうが 1個
- 梅干し 1個
- 溶き卵 1個分
- 白いりごま 大さじ1
- ごま油 しょうゆ
- ⇒玄米ご飯は僕は冷凍したものをレンジ解凍して使ってますが、炊きたてのものや、ふだん炊いていない方は、市販のパックのものでもOKです。
作り方
- 青じそは軸を切って横に細切りにし、トッピング用に適宜取り分けておく。みょうがは縦4等分に切ってから、横に薄切りにする。梅干しは種を取り除き、包丁でペースト状になるまでたたく。⇒梅干し、僕はやや塩分控えめのものを使っています。ものによって塩けが違うので、昔ながらのしっかり塩分があるものなら1/2個にするなど、調整していただければと思います。
- フライパンにごま油小さじ2~大さじ1を強めの中火で熱し、溶き卵を流し入れる。すぐに卵の上にご飯をのせ、米に卵をからめるようにしながら、ご飯をほぐすように炒める。
- 卵が固まってご飯がぱらりとしたら、ちりめんじゃこ、梅肉、ごまを加え、梅肉が全体に均一になじむように混ぜながら炒める。⇒玄米は粘りが少ないので、わりとあっという間にぱらぱらになります。炒めすぎると「ぱらり」を通り越してパサついたりするので、卵が固まればOKくらいの気持ちで。
- 残りの青じそと、みょうがを加え、しょうゆ少々をふってさっと混ぜる。器に盛って、取り分けておいた青じそを散らす。⇒味つけは、ちりめんじゃこと梅干しの塩分だけで充分。しょうゆは風味づけとして少量使う感じです。よく「炒飯のしょうゆは鍋肌から加えて香ばしさを立てる」と言われますが、以前、料理家の樋口直哉さんの本を編集したときに、樋口さんが「鍋肌から入れると、その時だけは香りが立つけどご飯に移らない」とおっしゃっているのを聞いて以来、ご飯の上にふるようになりました。

- Editor No.04 福島耕一(通称・フック)
- 大阪府高石市出身。1992年オレンジページ入社。子どもの頃から料理好き。大学時代の一人暮らしで『オレンジページ』に出会い、出版志望ではなかったのに、料理に関わる仕事がしたいとの思いから入社。週末は人が家に集まり、料理をふるまうことも多い。独身。
福島のうちごはんレシピ、
こちらにもあります。
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