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手前みそですが、こちら私の傑作レシピです。

サクサクころもからとろ~り!『卵カツ』のレシピ【料理家・大庭英子さんのわが傑作】

2023.09.07

『オレンジページ』でおなじみの料理家さんにご登場いただき、これまでに発表した中でも「われながらこれは傑作!」「これはプライベートでもよく作る」というご自慢のレシピについて語っていただくこの企画。 



前回に引き続き、第2回も大庭英子さんにお話をうかがいます。今回ご紹介する「卵カツ」の誕生秘話は、『オレンジページ』と長くおつきあいいただいている大庭さんならではのエピソードでした。

>>前回「料理家・大庭英子さんが傑作と愛する『焼きなす』レシピ【じか火焼きの香ばしさに自画自賛】」
 

今回の傑作レシピ


『卵カツ』

卵をそのまま揚げるなんて、見たことない!


卵カツとは、生卵に直接パン粉をつけて揚げる料理。「今回、初めて知った」というかたもいるかもしれませんが、それもそのはず、大庭さんがあるきっかけから生み出したオリジナルなのです。

「10年ほど前のことでしょうか、オレンジページの、当時は東京・新橋にあったオフィスで納涼会的なイベントが開催されることになって、そこで料理を作ってほしいというご依頼をいただいたんです。予算はあまり多くない、でもお客さまの人数はそこそこいらっしゃる予定、となかなか厳しい条件だったので(笑)、さてどうしよう、と。とりあえず卵やじゃがいもなど比較的安い食材をたくさん買うことにして、考えた料理のひとつが卵カツでした

卵は好きな人が多いうえ、揚げることでごちそう感やボリュームが出る。しかも、ころもをつけて揚げるだけなので、調理にそれほど手間がかかりません。「卵をそのまま揚げるなんて、見たことない!」という意外性や、会場で揚げたてをサーブするというパフォーマンス的な要素も相まって、当日は大好評だったそう。


おいしさの決め手は卵白。パン粉をたっぷりつけて


食べると表面はカリッと香ばしくて、中の卵黄は半熟のままとろっとしている。そのコントラストがいいんですが、おいしいのはなんといっても卵白です。端っこのほうがちょっと焦げて、チリチリッとして。だからこのレシピのポイントは、とにかくころものパン粉をたっぷり使うこと。といってもべつにむずかしいことはないんです。卵白は粘りがあるので、パン粉がよくつくんですよ。卵白がプリッとした新鮮な卵を使うことも、大切なポイントです」

とはいえ、卵をそのまま揚げるなんてむずかしいのでは……? と思ってしまいそうですが、オーブン用シートを活用すれば簡単にできますよ! と大庭さん。
「器にオーブン用シートを敷いてパン粉をのせ、卵を割り入れてからさらにパン粉をまぶします。あとはシートごとそーっと油に入れて、ころもが固まったらシートをはずせばOK。これだと柔らかい卵も扱いやすいうえ、パン粉をたくさんつけやすいんです。パン粉をしっかりとつけることで、揚げているときに油はねせず、仕上がりもきれいになります

そのままでも、カツ丼風、カツサンド風にしても


こうして、もとはイベントの予算という“大人の事情”から生まれた卵カツですが、結果は大人気。イベントの後は、大庭さんちの定番メニューにも仲間入りしました。ふだんの食卓ではせん切りキャベツを添えてシンプルに食べるほか、アレンジを楽しむことも多いそう。

どんぶりご飯にのせればカツ丼のようになるし、食パンではさめばカツサンド風。とんカツソースをかけていただきます。ほどよいボリューム感はありながら、肉のように重くなりすぎず、普通の揚げ卵より油っぽくないところも気に入っています」

もともと卵料理を頻繁に食べるという大庭さん。家にはいつも卵が常備されているといいます。

「よく作るのは、オムレツやベーコンエッグ。暑い時期は、いり卵にしてそうめんに合わせることもあります。特に重宝するのは、お昼ごはんのときですね。ほかにこれといった食材がないときでも、料理を作るのがちょっとめんどうというときでも、卵ならすぐに火が通るし、食べごたえがあって満足度が高い。しかも良質なたんぱく質がとれて、食事の栄養バランスを整えてくれるのもいいところ。なにかと使い勝手のいい食材なんです」
 

揚げたらすぐに、ハフハフ食べるのがいちばん


こうして、日々卵に親しむ大庭さんですが、じつは、卵カツは大人数のおもてなしには向かない、という衝撃の事実も打ち明けてくれました。

「なにしろ作り置きができないので、人数が多いと、次から次へと作りつづけなくてはいけなくて大変なんです。イベントのときにそれをつくづく実感したので、わが家に10人ほどのお客さまを迎えたときには、ポーチドエッグにしておいて揚げてみました。ところが、これがおいしくなくてがっかり。まるでゆで卵を揚げたみたいで、食感が全然別モノなんです。やっぱり、新鮮な生の卵で作って、カリッカリになった白身を食べてこそおいしい料理なのだとよくわかりました」

そしてこのメニュー、作るときのポイントに加えて、食べるときにも、絶対守りたい大切なポイントがあるのだとか。

揚げたら、とにかくすぐに食べること! 時間をおくと、余熱で卵がどんどん固まってしまっておいしさがそこなわれます。揚げたてを、やけどに気をつけつつ、ハフハフ言いながら食べてほしいですね」

初めてのおいしさに、大人も子どもも夢中になること間違いなしの卵カツ。ぜひ一度お試しあれ!

大庭英子さん

大庭英子さん
身近な食材や調味料を使って作る、親しみやすい家庭料理が人気。シンプルでわかりやすいレシピは、どれも今日作ってみたくなるものばかりです。素材のおいしさを引き出す大胆なアプローチやユニークな発想が得意で、今回の「卵カツ」レシピもそのひとつ。

取材協力/大庭英子 撮影/澤木央子 文/本城さつき

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