こんにちは、料理家の長谷川あかりです。この連載では、料理で当たり前と思いがちなひと手間を省いてもおいしくできるレシピを紹介していきます。>>「長谷川あかりの日々の料理これでいいのだ」一覧はこちら今年の夏はとにかく暑い……! こんなに暑いとさすがに食欲が落ちてしまいますし、そもそもキッチンに立つのがおっくうで、料理のモチベーションもダウンしてしまいますよね。でも、こんな暑い夏だからこそ、しっかりと栄養のある食事をとってスタミナをつけ、夏バテを予防したいところです。そこで今回は、キッチンに立つ時間をなるべく短縮しつつ野菜がたっぷりいただける栄養満点のレシピを紹介します。どうやってキッチンに立つ時間を減らすかというと……ズバリ、地味に時間のかかる〈野菜の下処理〉をほぼすべて省略してしまいます!!お野菜は思いきってまるごと使用するか、もしくはカット野菜を使うことで、調理時間がグッと短くなり、とっても気楽になるんです。今回は『豚バラ肉とピーマンのまるごとポン酢蒸し』と、『せん切りキャベツとベーコンの梅風味スープ』の2品を紹介します。どちらもほんのりと酸味をきかせているので、食欲がないときでもさっぱりいただけて、夏バテした体をケアするのにぴったり。野菜の下処理以外にも調理時間を短く、気楽にするポイントを詰め込んだレシピになっていますので、ぜひお試しくださいね。
『豚バラ肉とピーマンのまるごとポン酢蒸し』『せん切りキャベツとベーコンの梅風味スープ』 献立 野菜はまるごと&カット野菜で下準備の時間を大幅カット!だけど「ちゃんと作ってる感」もしっかり味わえる。薄切り肉はキッチンばさみでカットしちゃえばOK!まな板&包丁いらずでラクチン。 1品につき、メイン食材は2つまで! ピーマンはへたと種を取らず、フォークで穴をあけるだけ。キャベツのせん切りは市販のものを使用します。まるごと蒸したピーマンはくたっと柔らかくとってもおいしいですし、市販のせん切りキャベツで作るスープはふわふわで絶品! 単に時短になるだけではなく、「むしろこのほうがおいしいじゃん!」と思えるから罪悪感もありません。料理のモチベーションが低下すると、まな板と包丁を何がなんでも使いたくない! という気持ちになりますよね。そんなときに頼れるのが、キッチンばさみでカットできる薄切り肉。今回紹介するレシピは、メインに豚バラ肉、スープにはだしが出るベーコンを使って、まな板&包丁いらずでぱぱっと調理します。下準備の時間は、使う材料の数によって決まるといっても過言ではありません。だから、使う材料を潔く減らすことで下準備がグッと楽になるのです。またそれだけではなく、使う食材の種類を減らすことでむしろ素材本来の味わいに集中することができるから、とってもぜいたくでおいしい一皿になります。いいことずくめですよね。 『豚バラ肉とピーマンのまるごとポン酢蒸し』のレシピ 材料(2人分) 豚バラ薄切り肉……160gピーマン……4個片栗粉……小さじ2〈A〉ポン酢しょうゆ……1/4カップ(50ml)酒……1/4カップ(50ml)水……1/2カップ(100ml)にんにくのすりおろし(チューブでOK!)……小さじ1 作り方 (1)豚バラ肉はキッチンばさみで食べやすい大きさに切り、片栗粉をふる。ピーマンはフォークで数か所刺して穴をあける。(2)フライパンに(1)とAを入れて強めの中火にかけ、煮立ったらふたをして弱めの中火で5分ほど蒸す。一度ふたを開けて豚バラ肉をよく混ぜ、ピーマンを菜箸で押さえてかるくつぶし、さらに5分ほど蒸す。味見してたりなければ塩適宜(分量外)でととのえる。疲労回復効果の高い豚肉のビタミンB1と、その吸収を助けるにんにくのアリシンの相乗効果で、夏バテ予防にもぴったりです! 『せん切りキャベツとベーコンの梅風味スープ』のレシピ 材料(2人分) ベーコン……1枚市販のせん切りキャベツ……1袋(130g)水……350ml酒……大さじ1梅干し(甘くない塩分10%前後のもの・種を取る)……1個〈A〉バター……5g塩……小さじ1/3〜1/2(※梅干しの塩分で調整する)こしょう……少々 作り方 (1)水、酒を小鍋に入れ、ベーコンをキッチンばさみで細切りにして加える。小鍋を中火にかけ、ひと煮立ちしたらせん切りキャベツを加えて弱火にし、ふたをして1分ほど蒸し煮にする。(2)キャベツがしんなりしたら、梅干しとAを加える。おたまで梅をつぶしながらかるく煮る。味見して塩適宜(分量外)でととのえる。梅干しはもはや万能調味料! 今回はかくし味として加え、やさしくフルーティな酸味をスープにプラス。消化吸収にすぐれたキャベツと合わせて、夏バテで減退してしまった食欲を回復します。次回は8/27(日)更新予定。夏野菜の意外な食べ方『クリチピーマントースト』を紹介します。お楽しみに! 長谷川あかり料理家、管理栄養士。雑誌やWEB、食品メーカーなどに幅広くレシピを提供。子役としてデビュー後、女優として活躍。料理で人に喜んでもらった経験から料理家の道をめざす。自身のSNSで数多くのレシピを紹介し、発見のある組み合わせと手軽なレシピが大好評。著書に『クタクタな心と体をおいしく満たす いたわりごはん』(KADOKAWA)。Twitter:@akari_hasegawa