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目玉焼きをのせればたいていのことはどうにかなる

料理好き、そして玉子好きな小説家の井上荒野さんが、 気楽に作れておいしい「目玉焼き」のせ料理を紹介する連載エッセイ。今回のレシピは、タイ料理のヤムカイダーオをヒントにして作る、目玉焼きが主役の甘酸っぱいピリ辛サラダです。

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目玉焼きのサラダ

 

いろんな会に所属している。

肉の会。羊の会。辛いもの会。肉の会は原則的に毎月二十九日に開催され、羊の会と辛いもの会は、メンバーの誰かがそのカテゴリーのおいしいお店を見つけたとき、または誰かの「羊を食べたい欲」「辛いものを食べたい欲」が抑えきれなくなったときに召集される。メンバーは私と夫のほか、仲良しの編集者や同業者、異業種の人も何人か。

その場で、仕事の話はまったくしない。ほとんどどうでもいい話をしてゲラゲラ笑いながら、合間に「おいしい!」「うまい!」と叫び、次に何を注文するかを真剣に話し合い、もちろん大いに食べて飲む。「読書会」でも「句会」でも「政治を語る会」でもなく、ただただ食べるためだけに集まる会なのだが、人生に不可欠なものは何かともし訊ねられたら、今の私はまずこれらの会を挙げるだろう。

「辛いもの会」で何度となく訪れている、もはやホームグラウンドといってもいいラオス・タイ料理のお店があって、そこで必ず注文するのがヤムカイダーオ。タイふうの甘酸っぱくて辛いサラダなのだが、メインの具材が目玉焼き! まるで私のためにあるようなメニュー!(いや・・・・・・)すこぶるおいしく、そのうえ「辛いもの会」仕様でとびきり辛くしてもらうので、いつも大騒ぎしながら食べる。今回は(手元にある材料の関係で)、目玉焼きをフィーチャーするところだけを生かして、オリジナルを作ってみました。

 
  • 写真:井上荒野さん家の猫(不機嫌)

    留守番させられて
    不機嫌な猫

  • 写真:博多のもつ鍋

    久しぶりに短い旅を
    しました。
    博多のもつ鍋。
    おいしかったー!

  • 写真:トンバイ塀

    陶器の町、
    有田のトンバイ塀

  •  

レシピ

目玉焼きのサラダ

目玉焼きのサラダ
  1. サラダほうれん草はざく切り、新玉ねぎは薄切りにする。
  2. 目玉焼きを焼く目玉焼きを3つ焼く。多めの油で、揚げ気味に、黄身は切っても流れ出さない程度の半熟に。
    その横で薄切りのマッシュルームも炒め、軽く塩・こしょうをふる。
    出来上がった目玉焼きはそれぞれ4等分に切る。
  3. オリーブオイルにマヨネーズ、トマトケチャップ、タバスコ、にんにくのすりおろし各少々を適宜合わせてドレッシングを作る。
  4. 12をボウルに入れて軽く混ぜ、3のドレッシングをかける。

    ※野菜はお好みで。目玉焼きをメインにしたいのでハムなどは入れませんでしたが、もちろん入れたら入れたでおいしそうだし、魚肉ソーセージなんかも案外合いそうな気がします。炒めたマッシュルームは目玉焼きによく合います。本家ヤムカイダーオは検索するとレシピがいくつもヒットするので、こちらもお好みでおためしください。
井上荒野

撮影/三原久明

井上荒野(いのうえ・あれの)
1961年生まれ。89年「わたしのヌレエフ」でフェミナ賞、2004年『潤一』で島清恋愛文学賞、08年『切羽へ』で直木賞、11年『そこへ行くな』で中央公論文芸賞、16年『赤へ』」で柴田錬三郎賞、18年『その話は今日はやめておきましょう』で織田作之助賞受賞。著書に『夜をぶっとばせ』『ママがやった』『綴られる愛人』『あちらにいる鬼』など多数。新刊『あたしたち、海へ』(新潮社)発売中。
現在は東京と長野を拠点に生活。インスタグラムに手作り料理や愛猫との暮らしの写真などを投稿している。
» Instagram

文・写真・料理/井上荒野 構成/掛川ゆり

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