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【編集マツコの 週末には、映画を。Vol.85】「ノッティングヒルの洋菓子店」

2020.11.26


こんにちは。ふだんは雑誌『オレンジページ』で料理ページを担当している編集マツコです。
最近、お気に入りのお菓子屋さんがあるんですけど、そこはポーランドのドーナツ専門店。東京って本当に何でもあるなあと実感します。他にもインドやアラブ系のお菓子を扱う店も最近発見し、まさに世界中のスイーツが楽しめる街・Tokyo。ワガママなもので、何でもあると「現地に行く楽しみがなくなる」なんて思っちゃうときもあります。極端ですが、砂漠とか極寒の地で食べるお菓子を東京で食べる必要あるのかなあ……なんて。
でも今回の作品を見て、やっぱり大都会ならではの役割ってあるんだなと思いました。
大切な存在を失った人たちが、その遺志を受け継いで洋菓子店を開くストーリーは、ロンドンの大人気デリ「オットレンギ」が全面協力したそう。美しい色彩を放つお菓子たちはもちろん、食べ物が持つ「人をつなぐ」力にほわっと心が温かくなります。


ノッティングヒルという地区はロンドンの高級住宅街らしいのですが、中でも洋菓子店の多さで有名なんですって。東京でいえば自由が丘みたいな場所なのかしら、と想像。となれば、新店がオープンするとなれば注目の的。ロンドンの人気シェフ・オットレンギの元で修業したサラは、いよいよ自分の店をオープンする、というときに事故でこの世を去ってしまいます。
共同経営者になるはずだったイザベラ(シェリー・コン)がまず味方につけたのは、サラの娘クラリッサ(シャノン・ターベット)。生前、サラが絶縁していた彼女の母(セリア・イムリ―)もうまく巻き込んで、なんとかサラの夢を引き継いで店のオープンを目指すのです。肝心のパティシエはというと、日々面接を続けるうちに、〈ある人物〉がやって来ます。


サラが亡くなってからの急展開。パティシエも見つかり、すんなり店も繁盛してしまったら、上映時間45分くらいで終わってしまいます。大切な人の死という圧倒的な出来事に打ちのめされる、彼女の娘、母、そして友人。自分の人生を見つめ直す3世代の女性の葛藤も見どころですが、スイーツ激戦区でお店の特徴をどうやって打ち出すか、そのアイディアがユニークで面白い!  オープン当初、いかにもパリの最先端という雰囲気のエレガントなお菓子を並べるも、お店は閑古鳥が鳴いている状態。そういうものは他の店に既にあるのかもしれません。ロンドンという都市、そしてノッティングヒルという街の特徴を生かした秘策に、単なるフード映画で終わらない、より深いメッセージを感じるのです。実は日本のあるスイーツが物語の重要な鍵を握っているのですが、ちょっとここは突っ込みどころがありました(笑)。


主人公が誰なのかよく分からない映画でもありました。サラと同じ製菓学校に通いながらも、自分の腕に自信が持てずパティシエの道をあきらめていたイザベル。ダンサーの夢を追い続けるかどうか悩む、若きクラリッサ。そして、分かり合えないまま娘を失ったことを悔やみ続けるミミ。群像劇とも言える展開は、見る人によって共感する人物が変わるのかもしれません。東京でもニューヨークでもパリでもない、ロンドンという街だからこそ成立する、説得力のあるストーリーでした。


「ノッティングヒルの洋菓子店」 12/4(金)ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次公開
配給:アルバトロス・フィルム
©FEMME FILMS 2019


【編集マツコの 週末には、映画を。】
年間150本以上を観賞する映画好きの料理編集者が、おすすめの映画を毎週1本紹介します。
文/編集部・小松正和 

次回12/11(金)は「ニューヨーク 親切なロシア料理店」です。お楽しみに!

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