誰にでも訪れる更年期。不安を感じることもありますよね。
更年期とは、閉経をはさんだ前後5年、計10年間のこと。ホルモンバランスの変化により、心身にさまざまな影響が現れます。閉経後はどのように変化するのか、セルフケアの方法はあるのか……、気になることが尽きません。
そこで今回は、産婦人科医・高尾美穂先生に、更年期について詳しく教えてもらいました。
Q.生理がなくなるのは女性として辛いこと?
A.閉経したからといって女性らしさが失われるわけではありません
閉経を〈女性じゃなくなる気がしてつらい〉とネガティブにとらえる人もいるようですが、決して女性らしくなくなるわけではありません。女性らしくあるかどうかは自分が決めること。単に生理という体のしくみが役割を終えたのだと冷静に受け止めて。
Q.更年期を過ぎると体もメンタルも楽になるの?
A. 楽になることが多いです
閉経後は女性ホルモンの変動に振り回されることがなくなるので、心も体も楽になることが多く、落ち着いて物事に取り組めるように。今までできていなかったことなどを始めてみるのもいいでしょう。
Q.更年期の不調がいつまで続くのか不安……
A. 閉経前後の3年が不調のピーク。その後は自然に治ります

更年期の10年間ずっと不調が続くわけではなく、不調のピークは閉経前の2年、閉経後の1年といわれています。それを過ぎると一部の不調が残る場合があるものの、ほとんどの不調はやわらぎ、落ち着くことが多いです。
Q.更年期の不調はセルフケアで防げる?
A. 運動や充分な睡眠、バランスのよい食事で防げます
適度な運動を習慣にすると、肩こりや腰痛、冷えなどが改善しやすく なります。有酸素運動は、ホットフラッシュや更年期うつを防げるという報告も。また、充分な睡眠も大切で、7時間以上の睡眠を確保すると、メンタルの不調が改善しやすいといわれています。そのほか、栄養バランスのよい食事は肥満や生活習慣病、栄養不足による心身の不調の予防にもつながります。
更年期は、年齢を重ねるにつれて訪れる変化のひとつ。正しい知識があれば、不安を必要以上に抱えずにすみます。
閉経後は、ホルモンバランスの波に振り回されることがなくなり、心も体もラクになる側面も。自分の変化を前向きに受け止めながら、心地よく過ごせる方法を見つけていきたいですね。
教えてくれたのは……
高尾美穂先生

イーク表参道副院長。産婦人科専門医・医学博士。婦人科の診療を通して女性の健康をサポート。テレビや雑誌などでのわかりやすいアドバイスが人気。近著は 『あしたはきっと大丈夫 心が晴れることば』(コスミック出版)。