秋から冬にかけて旬を迎える里いも。そんな里いものおいしさを存分に楽しめるお弁当を、栗原心平さんに教わりました。
心平さんいわく「里いもは、下ごしらえがめんどうとか、味がなじみにくいっていうイメージがあるかもしれないけれど、レンチンしてつぶせば口当たりのいいおかずに仕上がるし、薄切りにして炒めれば早く火が通る。意外と洋風の味つけもよく合うんだよね」とのこと。
●里いもツナコロ弁当●
里いものねっとりとした食感を生かしたコロッケとポテトサラダはあとを引く味わい。ご飯がすすむ甘辛味のきんぴらを合わせ、味にメリハリをつけて。
主菜『里いもツナコロ』のレシピ
材料(1人分)
里いも(皮をむいたもの)……2~3個(約120g)
ツナ缶詰(70g入り)……1/2缶
小麦粉
塩
粗びき黒こしょう
パン粉
好みでウスターソース
揚げ油
作り方
(1)下ごしらえ里いもは耐熱のボールに入れ、ふんわりとラップをかけて電子レンジで4分ほど加熱する。里いもを冷水にとり、完全にさめたらかるく洗ってぬめりを取り、しっかりと水けを拭いてボールに入れる。
(2)パン粉をまぶして揚げる(1)の里いもをマッシャーなどでつぶし、なめらかになったら缶汁をきったツナ、小麦粉小さじ1/2、塩ひとつまみ、粗びき黒こしょう適宜を加えて混ぜ合わせる。たねを4等分して丸く形を整え、パン粉適宜をまぶす。揚げ油を高めの中温(180℃=乾いた菜箸の先を鍋底に当てると、細かい泡がシュワシュワッとまっすぐ出る程度)に熱し、カリッとするまで揚げる。好みでウスターソース適宜をつけて食べる。
【ここがポイント】マッシュした里いもにツナを混ぜ合わせてうまみをプラス。里いもの粘りがあるからバッター液をからめなくてもパン粉がなじみます。
副菜『里いもポテサラ』のレシピ
材料(1人分)
里いも(皮をむいたもの)……2~3個(約120g)
きゅうり ……20g
ハム……2枚(約20g)
万能ねぎの小口切り……1本分
塩
マヨネーズ
粗びき黒こしょう
作り方
(1)下ごしらえきゅうりは薄い輪切りにし、塩ひとつまみをまぶして5分ほどおく。ハムは5mm四方に切る。きゅうりの水けが出てきたらしっかりと絞る。里いもは「里いもツナコロ」の作り方を参照して電子レンジで加熱し、つぶす。
(2)味をからめて仕上げる里いものボールにきゅうり、ハム、万能ねぎと、マヨネーズ大さじ1、塩ひとつまみ、粗びき黒こしょう適宜を加えて混ぜ合わせる。
【ここがポイント】マッシュした里いもにきゅうりとハムを加えると食感にメリハリがつきます。万能ねぎを香りと見た目のアクセントに。
副菜『里いものきんぴら』のレシピ
材料(作りやすい分量)
里いも(皮をむいたもの)……1~2個(約60g)
赤唐辛子の小口切り……ひとつまみ
砂糖
しょうゆ
酒
みりん
ごま油
作り方
(1)下ごしらえ里いもはごく薄い輪切りにする。流水で表面のぬめりが取れるまでしっかりと洗い、水けを拭く。ボールに砂糖小さじ1/2、しょうゆ小さじ2、酒、みりん各小さじ1、赤唐辛子を入れて混ぜ合わせる。
(2)炒めて仕上げるフライパンにごま油小さじ1を中火で熱し、里いもを入れて炒める。全体が透き通ってきたら(1)で合わせた調味料を加え、汁けがなくなるまで炒め合わせる。
【ここがポイント】里いもはごく薄い輪切りにすることで早く火が通ります。辛いのが苦手なら、赤唐辛子の量は控えめにしても。
だけうま弁当をおいしく仕上げるコツ!
堅い里いもの皮を上手にむくコツを覚えておきましょう
●縦に厚めにむく……
里いもは泥を落としたあと、まず上下を切り落とします。その切り口から縦に包丁を進め、6面か8面になるように皮をむいて。
おべんとうのおかずとしてはもちろん、ちょっとしたおつまみにもおすすめの3品。旬の里いもで、ぜひ作ってみてください。
(『オレンジページ』2024年9月17日号より)