調理法によってさまざまな表情を見せる万能野菜〈
なす〉。実はいろいろな種類があって、それぞれ持ち味が違います。
そこで今回は、スーパーでもよく見かける3品種のおすすめレシピをご紹介。どんなジャンルでも実力を発揮できるなすだけど、特徴を活かせば真骨頂が味わえる!
せっかく手に入れた旬のなす。よりおいしくいただきましょう♪
なすってどんな野菜?

日本でも古くから愛されているなす。原産地はインド東部で、日本には奈良時代に渡来しました。
栽培の歴史が長く、各地で多くの品種が生まれており、もっとも一般的な中長なすに次ぎ、幅広く愛されているのが
米なす・水なす・長なすの3種です。
なすの種類とおすすめの調理法
【米なす】
鮮やかな緑色のへたと1個300g前後の大きな卵形が特徴。欧米系の品種を日本で改良したもので、果皮は堅く、肉質は緻密で詰まっている。主産地は高知県で、旬は7月~9月。
米なすのおすすめの調理法
しっかりと締まった肉質は、じっくりと火を入れる調理向き。煮くずれしにくいので、煮ものはもちろん、田楽、ステーキ、オーブン焼きなど焼きものにも最適。
【水なす】
形状に関係なく、水分が多いなすを水なすと呼ぶ。果皮が薄くてみずみずしく、食感がふわっとしていて果肉は柔らかい。大阪の「泉州水なす」が有名。旬は5月~6月。
水なすのおすすめの調理法
皮が薄く、アクが少ないため、生でも食べられる。浅漬けはもちろん、サラダやカルパッチョ、マリネにしてもおいしい。オリーブオイルやごま油と相性抜群。
【長なす】
長さ20~25cm前後で、主に東北と西日本で作られている。特に九州のものは、果皮が堅く果肉は柔らかい。東北のものは、果皮は柔らかく果肉が締まり、漬けもの向き。旬は6月~9月。
長なすのおすすめの調理法
果皮が堅く果肉は柔らかい西日本の長なすは、焼きなすがおすすめ。また、加熱すると味がしみ込みやすくなるため、揚げびたしなど、火を通してから調味料とからめるメニューも◎。
なすのおいしい食べ方をご紹介
『米なすの田楽』のレシピ
材料(2人分)
米なす……1個(250~300g)
〈田楽あん〉
鶏ひき肉……100g
水……1/3カップ
砂糖……大さじ1と1/2
みそ(あれば赤みそ)……大さじ2
酒……大さじ1と1/2
片栗粉……小さじ1と1/3
しょうゆ……小さじ1
白いりごま 少々
サラダ油
作り方
(1)なすはへたをつけたまま縦半分に切り、包丁の刃先で皮から1cmほど内側にぐるりと切り込みを入れる。さらに果肉に2cm間隔で格子状の切り目を入れる。
(2)小鍋にひき肉、酒を入れ、菜箸3本で混ぜながらほぐす。中火にかけ、そぼろ状になるまでいる。残りの〈田楽あん〉の材料を混ぜてから加え、強めの中火にし、へらで混ぜながらとろみがつくまで煮る。
(3)フライパンにサラダ油を高さ2cmほど入れて中温(170~180℃。乾いた菜箸の先を底に当てると、細かい泡がシュワシュワッとまっすぐ出る程度)に熱し、なすを皮目を下にして入れる。ときどき返しながらこんがりとするまで6~7分揚げ、油をよくきる。断面を上にして器に盛り、(2)をかけて白ごまをふる。
POINT切り込みを入れるときは、貫通しにくいようテーブルナイフを使うのもおすすめ。切れ目に油がたまりやすいので、断面を下にして油をきって。
『水なすと生ハムのサラダ』のレシピ
材料(2人分)
水なす……1個(約180g)
生ハム……8枚(40~50g)
オリーブオイル
粗びき黒こしょう
作り方
(1)なすはへたを取り、幅5mmの半月切りにする。生ハムは大きければ一口大に切る。
(2)器になすと生ハムを交互に盛りつける。食べる直前にオリーブオイル大さじ1を回しかけ、粗びき黒こしょう少々をふる。
『長なすの焼きなす』のレシピ
材料(2人分)
長なす……2本(約280g)
万能ねぎの小口切り……1本分
貝割れ菜……1/8パック(約20g)
〈たれ〉
ポン酢しょうゆ……小さじ2
サラダ油……小さじ1/2
ゆずこしょう……小さじ1/3
作り方
(1)なすはへたのまわりに包丁でぐるりと切り目を入れ、がく(ひらひらした堅い部分)を取り除く。貝割れは、長さを半分に切る。
(2)コンロ※に焼き網をのせ、なすを並べて強火にかける。皮が焦げてきたら、耐熱のトングなどで向きを変えながら、皮全体が黒く焦げるまで焼く。
(3)なすを冷水にさっとつけ、表面の粗熱を取る。へたの切り込みをとっかかりにし、指でつまむようにして、焼き色がついた果肉部分を残して皮をむく。長さを4等分に切り、器に盛る。万能ねぎ、貝割れ菜をのせ、たれの材料を混ぜてかける。
※コンロの安全装置が作動して火が消えてしまう場合は、カセットコンロを使用する。
POINT焼き色のついた果肉部分をできるだけ残すことで、より香ばしさが楽しめます。冷水に長くつけすぎると水っぽくなるので注意!
なすってここまでおいしかった!?
品種と相性のよい方法で調理すれば新たな世界が広がるかも……!
ぜひ、なすの魅力を存分に味わってくださいね。