
料理を作ること、食べることが大好きな料理家や編集者は、どんなスーパーマーケットへ行っているんだろう? ちょっと聞いてみると、みんな語る語る……! 料理を生業にするからこそのこだわりや、「そんな目線で見てたとは」という偏愛ぶりを取材したっぷりとお届けします。
こちら、TBSラジオの人気番組「ジェーン・スー 生活は踊る」で開催中、第4回・スーパー総選挙とのコラボ企画。いっしょに盛り上げていきます!
「選択肢が多いことでブチあがるなんて!」ジェーン・スーさんとスーパーの関係性【スーパー総選挙が佳境に突入】

「スーパー総選挙」は、TBSラジオ『ジェーン・スー 生活は踊る』(毎週月曜~木曜 11:00~13:00)の人気企画のひとつ。まもなく、佳境を迎えるところです。
「スーパーの話って、なんか盛り上がるんですよね」と、取材冒頭にジェーン・スーさん。3年ぶりの開催ですが、「待ってました」とSNSでは以前からのファンの声が上がり、そこに休止期間中に増えたリスナーも参加。
「スーパー総選挙」WEBページでの投票は3年前の投票数を超えるほどで、番組への投稿やSNSにも熱いメッセージがひっきりなしに届く盛り上がりなのだとか。
そんな「スーパー総選挙」の魅力とは? ジェーン・スーさんが熱くなるのはどんなスーパー? じっくりと聞いてみました!

――「スーパー総選挙」について、番組投稿やゲストとのトークで、印象深かったことはありますか。
他の取材でもお話ししたのですが、どうしても辻希美さんになっちゃうんですよね。そのときのお話で興味を持って、のちに単独インタビューを自分の連載でお願いしたくらい印象的だったんです。
トップアイドルで若くしてご結婚されて、お子さんが4人いて。そんな辻さんは「生活者だ!」と、言葉の端々からわかるんです。2018年・第2回スーパー総選挙の際、辻さんは「コモディイイダ」を推されていたのですが、その理由が「鮭の切り身の塩加減が絶妙だ」というもので。お店ごとの塩加減の違いがわかるのは、いろんなスーパーを比べられたってことなんですよね。
食事作りを担当される人にとって、お買いものはつまらないと思うかたもいると思うんです。それに対してスーパー側が一生懸命エンターテイメントにしようと工夫されている。辻さんがその気持ちを受け取って楽しんでいることが「塩加減が絶妙」の一言で伝わったんです。
――鮭の切り身という視点、生活に根差していていいですね! では、「スーパー総選挙」を行ってよかったな~と思うことはありますか。
スーパー総選挙のいいところって、ちょっと遠出してでも他の人の激推しスーパーに行きたくなるところなんですよね。リスナーやゲストのトークに影響されて、憂鬱だった日常の食品の買い出しが、自分やみなさんにとっての楽しみにまでなるのは、私たち企画側も想像していませんでした。
私も影響されて行ったのが、千葉の「せんどう」です。番組企画の水音スケッチを担当されている堀井美香さんのおすすめで。スーパーは広いし、肉も魚も安くて鮮度がよくて。千葉まで車を走らせて、かなり大量に買ってしまいました!
–{スーさんがブチあがる「広くて●●●なスーパー」とは?}–
――スーさんが行くとテンションが上がるのは、どんなスーパーなんでしょうか。
2つテンションが上がるポイントがあって。まずひとつ目は、「広くて置いてある種類が多い」ということ。都内は土地の関係でスーパーの広さはどうしても限定されるので、都心部でここまでのラインナップが……! と興奮するのは、渋谷東の「ライフ」、江戸川橋の「マルエツ」とかですね。
2019年に開店したばかりの江戸川橋のマルエツは、「バイヤーさん、最高!」って感じ。知っているブランドの知らない種類まで置かれているんですよ。普通の店だと人気の品や定番しか置かれていないのが、6Pチーズの見たこともない種類とかまで置いてあって……。
調味料なんかも豊富なんですが、以前いっしょに行った友人が「これ地方に行ったときにお土産で買った、食べるラー油!」なんてことがあって盛り上がりましたね。わざわざ旅先で買ったのに切ない、でも近場にあってうれしいという不思議な感覚(笑)。「このマルエツのために、近くに住んでもいい」くらいなんですよ。
他にも小石川の「ダイエー」や、上野の「オーケー」も好きです。都心で平場が広いっていうのは、やっぱり重要なんですよね。広いとその分、さまざまなメーカーや種類が多く置かれますよね。「今日は何着る」「何時までにどこ行こうか」とか、日々選択するのに疲れているはずなのに、スーパーで選択肢があるとブチあがるんですよ。理由がよくわからないけど!
――わかります~。今日の服はこれでいいやって適当だったのに、スーパーでは真剣に悩んじゃうんですよね。では、テンションが上がるもうひとつのポイントを教えていただけますか。
「変わっているものが置いてある」ってところですね。こういったスーパーはふだん使いしているわけではないのですが。例えば、TBSラジオのある赤坂だと「ビオセボン」にたまに行きます。好きなナッツが量り売りできたり、玄米のおにぎりがおいしいんです。
ふだん行くスーパーは「全部そろうかの安心」があって、外出先で入るのはそろえる目的じゃない「ちょこっと買い」を楽しむ感じかな。そしてたまに「ブチあがる」ためだけに、家からは遠い大型スーパーへ行くという感じですね。

――ブチあがるために遠いスーパーへ行ったときは、たくさん買われるんですか。
電動自転車で行くことが多いんですが、山ほど積んで帰りますよ! 行く前に冷蔵庫の中をきれいにして、買ってきた好きなものだけを詰め込むんです。だれかのためではなく、好きなものだけが入っているというのがうれしいですね。
――それは冷蔵庫を開けるたびにテンションが上がりますね! ちなみに、年齢を重ねたり企画を通すなどして、スーパーとの付き合い方って変わりましたか?
自分というよりも、親が年を取ったということで、スーパーで高齢者が食べられる食品がどれだけあるかをチェックするようになりましたね。地域性もあったりするのですが、大手だと高齢者でも咀嚼しやすいレトルトやご飯や、栄養食品がきちんと置いてあったりするんですよ。ご飯でも2種類あって、普通の固さと柔らかいご飯どちらもそろえているとか。
これはその店のバイヤーさんの意識が現れるところなのかな、と見ていますね。以前はベビーフードのコーナーしかなかったのが、今は高齢者用のコーナーもあるようになり、現代の生活がスーパーには如実に反映されているなとも感じます。
――最後に一言お願いします!
2022年の「スーパー総選挙」の投票は、10月19日までです! 週何回もスーパーへ買い物に行かれているかたは、足で稼いだ情報を知っている、いわゆる「スーパーのプロ」なんです。その一票で、いつも好きで行っているスーパーのかたに喜んでもらえるかもしれないので、ぜひまだのかたは投票してください!
〈プロフィール〉
ジェーン・スー
音楽プロデューサー・作詞家・コラムニストとして活躍。YUKI・中島美嘉・flumpool・元気ロケッツ等のアーティストを手がけるクリエーター集団「agehasprings」所属。1973年5月10日生まれ。主な著書に、『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』(幻冬舎)、『生きるとか死ぬとか父親とか』(新潮社)など。
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文/編集部・堀部