いつ起こるかわからない災害に備えるには、日ごろからの準備が必要です。とくに非常時はライフラインが止まるなど、水を自由に使えないことも。そんなときに役立つ衛生ケア法を防災先生が伝授します!
感染症で生死をさまよった経験から防災士の資格を取り、自治体や企業の災害対策コンテンツの作成・監修を行う。
衛生ケアは、外出時や食事の前後、トイレの後などで習慣づけることが重要! 避難所など他者がいる場所を想定し、どこに菌やウイルスが潜んでいるかを家族で情報共有してみましょう。
非常時、いつも以上に大切な、菌やウイルスの通り道になる手と口の衛生ケア。充分な水を確保できないときの正しい衛生ケア法を、おうちキャンプのついでにやってみましょう!
水が不足しているときは、少量の水でできる歯みがき法がおすすめ。食後にペットボトルキャップ1~2杯分の水や緑茶などで口腔内をすすぐだけでも効果がありますが、防災グッズには、必ず歯ブラシを入れておくようにしましょう。
コップに少量の水を入れ、歯ブラシをぬらして歯を磨きます。
ブラシが汚れてきたらウェットティッシュで拭きます。再度水をつけて磨くのを繰り返しましょう。
最後に少量の水で口をすすぎます。
ペットボトルキャップ1~2杯分の水や緑茶、すすぎ不要のマウスウォッシュを口に含みます。歯と歯の間に通すイメージで、舌の上や口の中全体にいきわたるように「くちゅくちゅ」と数回繰り返しましょう。
節水が必要な非常時の手洗いは、アルコール消毒を活用。とくに食事の前はしっかり除菌! また調理する人が保菌者の場合、家庭内感染が起こることも。調理・配膳ではマスクや手袋を着用しましょう。食器は大皿ではなく個別盛りが◎。食卓では、手指はもちろん周辺をキレイにする心がけを。
ウェットティッシュなどで手を拭く際は、汚れが残りやすいところを意識して。手洗いも同様です。ふだんから、習慣づけすることが大切です。
水不足や歯ブラシがない場合に便利なのが、マウスウォッシュや歯みがきシート。歯ブラシといっしょに、キャンプグッズや防災グッズとして用意しておきましょう。選ぶときは使用後に水ですすぐ必要のないものが◎。また、子どもはマウスウォッシュが苦手な場合もあるので、刺激の少ない子ども用で練習しておくと安心。誤嚥性肺炎は子どもにも起こりえます。ふだん以上に入念なオーラルケアを!
監修/災害危機管理アドバイザー 和田隆昌 取材・文/山本二季 イラスト/さとう みゆき
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